高山明美の<閉店セール>

案内文の末尾近く
「この公演を最後の舞台公演にしたいと思っています。
 これからは “勝手気儘におどり旅” を続けていきます。」と

‘90年頃からか、神沢創作舞踊研究所を離れ、
独自の舞踊活動を続けてきた高山明美――

最後の公演と謳い、おまけに神澤宅最寄りの学園前ホールとあらば
茂子夫人も不自由の身を押してでもお出ましなさろう
コレは面倒でも出かけねばなるまい……

なるほど、閉店セールの宣言効果は侮りがたいものだ
舞台のほうは見るほどのこともないのだが
客席のほうはなかなかの賑やかさで
その顔ぶれも多士済々、よく知る人の多かったこと――

「ご免なさい、おケイさん!」 −2008年10月08日記
アーア、またも失敗である。
こんどこそ是非この機会にと思っていた、河東けいさんのひとり芝居「母」を、またも見逃してしまった。

ワーキングプアの社会問題化からにわかに注目を集めた戦前のプロレタリア作家小林多喜二の母を描いたもので、原作は三浦綾子、脚色と演出をふじたあさやが担当、もう十数年前から全国を廻って演じられてきたものだ。

たしか10月の公演だったが、はていつだったかと気になりだして、午後になって原稿作りも一段落したところで、ここ3ヶ月ばかりの間に、机の上に溜りに溜った書面や資料などの整理を始めたのだが、件のチラシを見た途端、顔色を失ってしまった。公演は10月4日、先週の土曜だったのだ。これからも近場で観る機会などそう多くはないだろうに、まったくドジな野郎だ、「おケイさん、ご免なさい」と、心のなかで手を合わせる始末である。嗚呼!

もう一つ、高山明美の舞踊公演「水の環流」も同じ日にあった。
こちらは夜の6時開演だから、仮におケイさんの芝居を茨木で午後3時から観て、その帰りに立ち寄ることも可能だった訳である。とはいってもこちらのほうはそう食指が動いたものでもなかったから、彼女には悪いが忘れてしまっていても後悔するほどのことはない。

<今月の購入本>−2013年05月

◇アレハンドロ.ホドロフスキー「リアリティのダンス」文遊社
◇加治 将一「幕末−維新の暗号」祥伝社
◇「逆引き広辞苑−普通版」岩波書店辞典編集部
◇井上 勝生「開国と幕末変革 <日本の歴史>18」講談社
◇佐々木 隆「明治人の力量 <日本の歴史>21」講談社
◇伊藤 之雄「政党政治天皇 <日本の歴史>22」講談社
◇有馬 学「帝国の昭和 <日本の歴史>23」講談社
◇河野 康子「戦後と高度成長の終焉 <日本の歴史>24」講談社
◇広岡 敬一「戦後性風俗大系―わが女神たち」小学館文庫
鈴木三重吉古事記物語」Kindle
◇和辻 哲郎「古寺巡礼」Kindle
◇「宇宙図2013−A1判」 科学技術広報財団
◇「ヒトゲノムマップ−A1判」 科学技術広報財団