2010-01-01から1年間の記事一覧

朝ざくらまぶしく石をきざむや

―日々余話― Soulful Days-41- 猿芝居は幕切れ近く‥ 9日の夜、障害者の作業所に勤める息子のDaisukeに、やはり福祉関係に従事する若い友人を引き合わせ、三人で2時間半ほど語り合った。まるでタイプの異なる二人だが、年も近いし、意義のある出会いになればと…

松風に鉄鉢をさゝげてゐる

―日々余話― よしなしごと九州西北部をかすめるように日本海に到つた台風9号は北陸路に上陸して関東をぬけるというまことに変則なコースを描いて熱帯低気圧に変わつた、と。おかげで昨日今日と、酷暑も和らいでしのぎやすい。河川の氾濫や浸水など、被災報道…

石がころんでくる道は遠い

―日々余話― 1960〜、十五の春から半世紀三日前-2日-にようやく発送を了えた高校同期会の総会案内。 入学が1960年だったから、今年でちようど50年が経ったことになるので、案内の表題をかようにした。「1960〜 十五の春から半世紀。」 ICHIOKA 青春のはじまり…

夫婦仲よく鉄うつやとんかん

―日々余話― Soulful Days-40- 三回忌に迎える山場午後1時前、地下鉄淀屋橋の駅から地上にあがるとうだるような暑さ。堂島の川風も湿気をいっぱいに含んでなんの慰めにもならない。裁判所近くの弁護士事務所までの5.6分の距離も、右に左にと、わずかなビルの…

腹底のしくしくいたむ大声で歩く

―日々余話― もう、うんざり‥とうとう8月も晦日というに記録破りの猛暑は続く。真夏日も熱帯夜も、94年の過去記録を各地で更新しているという。この分だと9月半ばあたりまで続きそうな気配さえして、ほとほとうんざり‥。酷暑に、不況と円高、二重苦三重苦の…

お地蔵さんもあたたかい涎かけ

―表象の森― 古里の香り匂い立つ「今月の」ならぬ、月もとっくに変わって、7月の購入本などのご紹介。 「100年前の女の子」は佳品。 私の父母の田舎は徳島県南部や高知県の山里で、北関東の片田舎とはまた趣は異なるが、古里の香り匂い立つ田舎暮しの片々が、…

忘れようとするその顔の泣いている

―表象の森― 神尾真由子のPaganiniを踊ってみる 先月の27日以来、なんと20日ぶりの言挙げ。 ブログを始めてかれこれ6年にもなるが、これほどペースダウンしたことはない。これといって特段の事情があった訳でもない。いくつか思いあたる節もあるが、どれも決…

まつぱだかを太陽にのぞかれる

―日々余話― iPadの一騒動他人にお節介をするときは、端から相応の覚悟をしておくに若くはない。 先週の火曜から昨日の月曜まで、ちょうど1週間、このお節介から振り回される羽目になってしまった。先日、車椅子の詩人こと畏友岸本康弘君宅を訪ねた際、「手の…

はなれて水音の薊いちりん

―日々余話― 炎暑の下でなに励む‥?平年の1.5倍という降雨で、各地に豪雨禍をもたらした梅雨が明けたかと思えば、これまた記録的な猛暑、炎熱の日々がつづく。午後11時現在ですら、気温30℃、湿度81%というから、当月生れの夏男の筈のこの身もヘタリ気味。 こ…

酔ひどれも踊りつかれてぬくい雨

―表象の森― 肉筆と明朝体、円谷幸吉の遺書「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました。敏雄兄、姉上様、おすし美味しゆうございました。克美兄、姉上様、ブドウ酒とリンゴ美味しゆうございました。 巌兄、姉…

すみれたんぽゝ咲いてくれた

―日々余話― 選挙初体験!?朝から降ったりやんだりの雨が、夕刻からは風がつよくなって、なんだか嵐模様。 二十歳で選挙権を得て以来40数年、これまで投票を欠かしたことはない筈だが、図らずもこのたびは、私の選挙史上初体験のものとなった。 なに棄権をした…

弔旗へんぽんとしてうらゝか

―日々余話― 眠いし、蒸し暑いし… 眠いのと、蒸し暑いのと、そんな二重苦が、もうかれこれ3週間ばかりつづいているか‥。昨日の稽古、2ヶ月余りイギリスに遊んできたAyaが無事ご帰還なって2度目のもの。 さすがに2ヶ月も食糧事情のちがう異国に滞在してきたと…

春寒い島から島へ渡される

―世間虚仮― 梅雨の不快も‥今日も朝早くから、豪雨と形容するのが相応しいほどに、雨が降り続いているが、この蒸し暑さ、堪らぬ不快さには、いまにも音を上げそうで、なんとかならぬものかと、辟易もいいところ。 今年の梅雨には、なんだかおぞましささえ感じ…

さくらが咲いて旅人である

―表象の森― 土門拳の鬼いい写真というものは、写したのではなくて、写ったのである。計算を踏み外した時にだけ、そういういい写真が出来る。僕はそれを、鬼が手伝った写真といっている。-「肖像写真について」1953年-ぼくは心のふるさとへ帰るように、日本の…

物乞ふとシクラメンのうつくしいこと

―表象の森― いまさらこの年齢で‥ 今年上半期は石川九楊の書史論に明け暮れた感だが、 このところは、PCトラブルも影響しているが、それよりも近年にない不快きわまる蒸し暑さがきわだつ梅雨空の下で、根と集中力の要る本格派読書はぐんと低調、iPad相手に「…

寒い夜の御灯またゝく

―日々余話― いつものように、いつもの宴が‥例年の決まりごとになったかのように、市岡OB美術展打上の懇親会、一年ぶりの酒宴は、いつもの場所でいつものように、懐かしくもありまた馴れあいからくる些か気重さの匂いも残すといった感がある。 喜寿を迎えた梶…

よろこびの旗をふる背なの児もふる

―日々余話― iPadの青空文庫 iPadで読む青空文庫、そのアプリ「i文庫HD」600円也をdownloadしてみる。成程これはスグレモノだと思う。 すでに著作権が消滅した明治から昭和初期の文芸作品が大部分を占めるが、現在、収録作品は9000に余るという。そのすべてを…

をとことをんなとその影も踊る

―山頭火の一句― 行乞記再び -85 3月26日、晴、いよいよ正真正銘の春だ、宿は同前。いやいやながら午前中行乞-そのくせ行乞相はよろしいのだが-、そし留置郵便をうけとる、緑平老からのたよりはしんじつ春のおとづれだつた、うれしくてかなしうなつた。 一風…

ヒヨコ孵るより売られてしまつた

―表象の森― 市岡高校OB美術展はじまる恒例の、とはいえ、会場の都合からか、昨年の5月から、今年は6月へとひと月ずれ込んで、2010市岡高校OB美術展は今日から一週間、例年のように西天満の現代画廊ではじまった。 今年の作品の寄り具合は、また出来具合はど…

水が濁つて旅人をさびしうする

―世間虚仮― 初期不良につき‥15日-火曜-、新PC到着、 いろいろ迷った挙げ句、買い求めたのはEee Boxシリーズの新機種EB1501、Mouseはワイヤレスで動くが、keyboardのほうは動かない‥、まあ、この程度の初期不良は、ネット情報でも散見されることだから、あり…

骨となつてかへつたかサクラさく

―表象の森― 日本語とはどういう言語か-06-・漢語、漢詩、漢文と和語、和歌、和文−二併の平安日本語 平安時代中期は、歌合、詩合、詩歌合、絵合、貝合、さらに和漢朗詠集などの「合-あわせ-」の時代であった。 「合」とは、漢字を媒介として漢語-音語-と和語-…

ゆつくり湯に浸り沈丁花

―世間虚仮― PC寿命はどんどん短く‥昨日は一日中、PC不調に振り回された。 数日前から、突然止まったりとトラブルは続いていたのだが、電源を入れても、空回りのごとくrunningすれど、一向に起動しなくなってしまった。何度試してもごの仕儀でお手上げ、まだ1…

ふるさとは遠くして木の芽

―日々余話― 84歳、なお矍鑠たり昨日、大阪地裁に行った折、裁判所の地下1階で、偶然にもばったりと大和田幸治さんと出会した。もう何年もお見かけしてなかったので、つい声をかけて立ち話に及んだが、どうやら連合大阪を相手取って訴訟を起こしている要宏輝…

湯壺から桜ふくらんだ

―世間虚仮― 50円コピー、早々とダンピング今朝、司法協会から電話あり、判決等の法廷資料の謄写が出来ました、と。 大阪地裁へと到着したのは、ちょうど昼休みどきだったが、さっそく地下一階の司法協会窓口へ。先月の中旬頃だったか、前回の場合は、証拠資…

さみしい湯があふれる

―表象の森―言の葉/宮本常一「日本人にとっての未来は子供であった。自らの志がおこなえなければ、子供にこれを具現してもらおうとする意 欲があった。子供たちにも、またけなげな心構えと努力があった。」/日本の子供たち-1957-「歩きはじめると歩けるとこ…

春が来た旅の法衣を洗ふ

―世間虚仮― Soulful Days-39-予想外、重い判決自動車運転過失致死傷事件、M被告の判決が下された。「禁固1年、執行猶予3年」前回の公判で、検察の求刑は実刑の禁固1年というものであったのだが、Mに対しもっと軽微な刑を望んでいた被害者側としては、下され…

枯草の長い道がしぐれてきた

―日々余話― 呑むほどに、酔うほどに‥昨夜の宴、集ったのは一人増えて7人となった。 いずれも昭和19年生れだが、お互いにとっては初めての人間もいる。いずれの者ともすでに面識あるのはMひとりの筈。日頃、なかなか会えないのだが、それだけに、逢いたい奴と…

ここにおちつき草萌ゆる

−日々余話− 田の字ばかりの朋輩が‥富山と石川の県境近く、久利須という山深い地に住む友人が、明日は久しぶりに大阪に出てくるというので、同年の友らで逢おうじやないか、ということになった。 今のところ男女6人の同年の輩が集まるようだが、それにしても…

きのふは風けふは雪あすも歩かう

―表象の森― 「平家物語」と慈円の「愚管抄」源平両氏が交替で覇権を握るという認識は、平安末期の保元・平治の乱にはじまり、治承・寿永の乱にかけて形成された歴史認識である。しかし内乱の複雑な過程を単純化し、それを源平交替として図式化してとらえたのは…

四ツ手網さむざむと引きあげてある

―表象の森― 桃中軒雲右衛門と宮崎滔天幕末の浪人生活のあげくに、上州高崎で門付けのデロレン祭文の芸人となった吉川繁吉という人物がいた。 繁吉の次男幸蔵は、父の家業を継いで二代目吉川繁吉を襲名するが、まもなく新興の浪花節に転向して、桃中軒雲右衛…