2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

からつゆからから尾のないとかげで

―四方のたより― 琵琶の会以前は、雛の節句にあわせたかのように、きまって3月初めの日曜に行われていたのだが、 数年前から2月末の日曜開催が定着した感の、奥村旭翠一門の琵琶の会。 明27日、日本橋の文楽劇場小ホール、開演は午前11時から。 連合いの末永…

あるだけの酒のんで寝る月夜

―四方のたより― チカラビトの世界力士―チカラビトはいつ、どこで生まれたか。 草原と砂漠のまじりつつ果てもなくつらなるアジアの北辺、現在の地図でいえばモンゴル共和国のしめているところだったろう。と、始まる宮本徳蔵の「力士漂泊」は、「相撲のアルケ…

柿の葉柿の実そよがうともしない

―四方のたより― 就活地獄と‥毎日の夕刊三面記事「就活漂流」を読んで、新卒大学生の就活事情もここまできたかと思わず絶句、暗澹とした気分に襲われた。 今夜の記事の事例は法政大経済学部4年の男子学生、就活の始まりから数えて536日間の苦闘の果て、都内の…

さみしうて夜のハガキかく

―四方のたより―<日暦詩句>-19 ぼくたちは自分の脂で煮つめられ 自分の脂に浮いていた 眼をあけたまま 錫びきの罐に密閉されて―― 何の音もきこえなかった或る日 ぼくたちは解放された そして 途方もなく巨きい屋敷の塀の外へ 空罐は抛り出された だが その…

朝の水くみあげくみあげあたゝかい

―四方のたより― アルブル木工教室平林木材団地の一隅にアルブルという名の木工教室がある。 Arbre―フランス語で、Openは08年の4月だったらしい。ほとんどPC作業しかしない我が家の書斎机だが、ずいぶん痛みもきていたし、連合い殿の机も必要とて、手狭な空間…

捨てたものにしづかな雨ふる

―四方のたより― 修羅の道近い者の死―、その重さは 畢竟、のこされた者の生 生きることの重さ、でもあるのでしょう。 言い換えるなら 人はだれでも、おのが生の中で いくつかの修羅場をくぐりぬけてきているもの と、思われますが その重さを生きる、とは ま…

お寺のたけのこ竹になつた

―四方のたより― 書の甲子園書の甲子園こと高校生の選抜書展が天王寺美術館で開催中とかで、休日の暇つぶしと子連れで観てきた。 美術館地下フロアーには所狭しと夥しい作品群がならんで壮観、まずその量に圧倒される。 書に造詣の深いわけでもない私だが、そ…

更けて流れる水音を見出した

―四方のたより― 茶器づくり初体験サン・イシドロ窯を称する陶芸家石田博君の招きを受け、期友の女性ふたりと連れ立って寝屋川の彼の自宅を訪ねたのは師走の11日、土曜日の午後だった。 この折、先に来ていた石田夫人の友人3人と一緒に、思いもよらず石田陶芸…