2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

別れてきてつくつくぼうし

<芸能考−或は−芸談>−02 <空也の踊念仏> 京都東山六波羅密寺には、口から六体の阿弥陀仏を吐き出しているあの有名な空也像がある。 脛を出したみじかい衣、腰に皮袋を巻いて、胸には鉦鼓をかけている。右手には撞木を、左手に鹿角杖をもっている。 この奇…

岩かげまさしく水が湧いてゐる

<日々余話> <ネパールの子どもたちと、政情不安> ネパールの政情不安は依然改善しないままつづいているようだ。 外務省による渡航危険情報によれば、退避勧告の対象地域にこそなってはいないが、中西部の渡航延期を勧める地域、首都カトマンズ周辺やポカ…

心とけた夕べの水をまく

<芸能考−或は−芸談>−01 <「踊り念仏」と「念仏踊り」> <踊り念仏>と<念仏踊り>はカレーライスとライスカレーのようにまったくイコールというわけにはいかないようである。 <踊り念仏>とは、日本の多くの芸能がこれを母体にして生れてきており、あ…

重荷おろすやそぞろ吹く風ありたり

<四方の風だより> 松風の音のみならず石走る水にも秋はありけるものを −西行山家集の夏の終りに近く「松風如水といふことを、北白河なる所にて人々よみし、また水聲秋ありといふことを重ねけるに」との詞書が添えられている。 台風一過の昨日から今日、爽…

炎天の下を何処へゆく

<四方の風だより> 幸いにも台風11号は近畿圏からは逸れて殆ど影響なく、 昨夜のDance-Cafeは無事開催することができた。 彫刻家の栄利秋さん、演出家の熊本一さんもわざわざのご到来。 おなじみのパフォーマー、デカルコ・マリィ君も顔を出してくれた。 9…

しぐるるや石をきざんで仏となす

Information「四方館 Dance Cafe」 <身体・表象> −9 <菅谷規矩雄の「詩的リズム ――音数律に関するノート」からのメモ−2> 今宵は、三ヶ月ぶりの「四方館ダンス・カフェ」の第二夜である。 題して「Objetのある風景のなかで」。 二ヶ月に一度くらいのペー…

是をささげ鉄鉢の日ざかり

Information「四方館 Dance Cafe」 <身体・表象> −8 <菅谷規矩雄の「詩的リズム ――音数律に関するノート」からのメモ−1> 二十数年ぶりになるが一ヶ月あまり前から、菅谷規矩雄の表題の書を繰り返し読みながら、メモをとる作業をしている。 日本語として…

果てもない旅のつくつく法師

Information「四方館 Dance Cafe」 <四方の風だより> 母親はひと晩ぢう、子守唄をうたふ 母親はひと晩ぢう、子守唄をうたふ 淋しい人の世の中に、それを聴くのは誰だらう 淋しい人の世の中に、それを聴くのは誰だらう ――中原中也「子守唄よ」より ⇒⇒⇒ この…

膝にとんぼが、おのれを鞭うつ

Information「四方館 Dance Cafe」 <古今東西−書畫往還> <スコットランドの民族衣装、 キルトとタータンは意外に新しい> 高橋哲雄・著「スコットランド 歴史を歩く」を読んでいると、あの民族衣装、男性がはく膝丈のヒダつきスカートのキルトも、氏族ご…

ふたたびここに草もしげるまま

Information「四方館 Dance Cafe」 <世間虚仮> <小泉郵政改革=アメリカ資本が狙う郵貯マネー> 兵庫から東京へと鞍替え刺客の小池ゆり子にはじまって、カリスマ主婦の藤野真紀子、財務官僚の片山さつき、国際政治学者の猪口邦子、そしてホリエモンこと堀…

入日まともに人の家焼けてくづれぬ

Information「四方館 Dance Cafe」 <言の葉の記> <秋の色> 仲秋の名月はまだ先のことだが、昨夜、ふと夜空を見上げると大きく月は満ちていた。 残暑のなかにも秋の色、しのびよる気配が其処此処に感じられ垣間見られるようになった。 秋色の候である。 …

まいにちはだかでてふやとんぼや

Information「四方館 Dance Cafe」<風聞往来> <最下位球団楽天の不思議?な快事>昨年の近鉄・オリックス合併問題から端を発して史上初のスト騒ぎやらの果てに誕生したパリーグ新球団の楽天は、仙台市民のみならず東北一円からファンを集めているが、開幕…

夕蝉のなくことも逢ひたいばつかり

Information「四方館 Dance Cafe」 <世間虚仮> <だれのため、なんのための健康診断、大半が予防に根拠なし> 小泉流劇場、刺客選挙に煽られっぱなしで報道関係は総選挙の話題一色に塗りつぶされているが、 14日(日)の毎日朝刊のトップ記事は「健康診断:…

燃ゆる火の、雨ふらしめと燃えさかる

<古今東西−書畫往還> <サウンドスケープ論−「平安京 音の宇宙」> サウンドスケープ−Soundscape−というあまり耳慣れない言葉がある。 音のサウンド-sound-と、〜の眺めや景を意味する接尾語であるスケープ−scape−の複合語で、カナダの現代音楽家R.・マリ…

日ざかりの千人針の一針づつ

Information「四方館 Dance Cafe」 <日々余話> <戦後60年をどう読むか> 終戦紀念の前日、14日付の毎日新聞は、書評欄−今週の本棚−で、「あの戦争から60年」と題して、丸谷才一、五百旗頭真、田中優子の三氏を水先案内として、戦後60年の節目にあの時代を…

ゆふ風の夏草のそよぐさへ

Information「四方館 Dance Cafe」 <言の葉の記> <盂蘭盆会> お盆のことを正確には盂蘭盆会(ウラボンエ)というのはよく知られたことだろうが、 もとはといえば、盂蘭盆経(ウラボンキョウ)なるお経があり、この経典に由来する法要が盂蘭盆会なのだという…

お盆の御飯ふつくら炊けた

Information「四方館 Dance Cafe」 <風聞往来> <河内音頭はいいが‥‥、菊水丸は?> 「河内音頭ロボット、万博デビューへ 菊水丸さんと共演」という記事があった。 大阪府下の八尾はかなりの技術力を有する中小零細企業があつまるものづくりの街であること…

はだかいつぱいの月あかり

Information「四方館 Dance Cafe」 <身体・表象> −7 <心−こころ−凝ること> 異常と呼ばれ、病める心というものが、正常な健やかな心と思われているものと、どれほどの隔たりがあるのか、あるいはどんな壁に隔てられているのかということについて、精神病…

野分あしたどこかで家を建てる音

Information「四方館 Dance Cafe」 <古今東西−書畫往還> <懐かしい日々の記録−「輝いた日々」>先日、日経大阪PR社から出版された「輝いた日々」という書が送られてきた。 著者は知人の川島慶造氏。 「1960年代参加型市民運動より現代を問う」と、 些か大…

線路がひかるヤレコノドツコイシヨ

Information<四方館 Dance Cafe> <世間虚仮> <狂った夏。−郵政法案参院否決、衆院解散総選挙へ>平成17(2005)年8月8日午後1時、テレビのどのチャンネルも国会中継をしている。 1時45分ごろ、採決の結果が出た。 賛成票108 反対票125 うち、自民議員の反…

夏山のトンネルからなんとながいながい汽車

Information<四方館 Dance Cafe> <世間虚仮> <狂信の徒と化した小泉純一郎>衆議院解散となった直後の小泉首相の記者会見をテレビで見た。 相変わらず単純明快な口説だが悲壮感を漂わせたその表情は硬く内面の苦渋を覗わせる。 二日前に森前首相が記者…

雷遠く雨をこぼしてゐる草の葉

「Dance Cafe−Sou-Mon 相聞」より 2005.05.12 <四方の風だより> <四方館ダンスカフェのお知らせ> 二ヶ月に一度くらいのペースで、3回から4回重ねてみようと思っていたのだが、 会場との段取りやらで結局5月の第1回から三ヶ月ぶりの開催となるが、 悪名高…

踊太鼓も澄んでくる月のまんまるな

「サンセットパーティのヤグラ風景」 <日々余話> <盆踊りの音が聞こえる> 盆踊りの音が聞こえる。 そういえば今日の夕刻、近くの公園で盆踊りのヤグラが組まれ提灯がいっぱいに張りめくらされていた。 どうやら今夜と明夜の二日間、地域の盆踊り大会があ…

鉦たたきよ鉦をたたいてどこにゐる

写真は記事に関せず「みんなマジ・レンジャーが大好き」<日々余話> <見事なだんじり囃子を堪能−住吉っさんの夏祭り> 昔から大阪の夏祭りの最後を飾るのは住吉っさんである。 7月30日の宵宮祭、31日の例大祭、8月1日の渡御祭とつづくが、 詳しくは7月の海…

橋とゞろ水は流るとなく流る

<風聞往来> <秋浜悟史さんの急死に想う> 劇作家として演出家として関西にも多大の足跡を残した、秋浜悟史氏の訃報を思わぬ意外なところ−Nadjaさんの記事−で知った。 ネットの訃報記事で確認したところ、「7月31日、転倒による脳挫傷で死去、享年71歳」と…

山ふところのはだかとなる

「高知県北川村竹屋敷にて」<行き交う人々−ひと曼荼羅> <四国・高知の山深く−おやじの生誕地へ−終章> 高知県安芸郡北川村字竹屋敷。 風もなく真夏の陽射しが照りつける小さな山里は、谷川の流れる水の音のほか、森閑として聞こえるものとてなにもない。…

笠に蜻蛉をとまらせて歩く

「中岡慎太郎記念館前にある像」<行き交う人々−ひと曼荼羅> <四国・高知の山深く−おやじの生誕地へ−承前> 徳島県の南部一帯、海沿いに位置する海部郡は6町からなるが、これを北部から数えあげると阿南市の隣町である由岐町、さらに日和佐町、牟岐町、海…