2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

はかなしな夢に夢見しかげろふの‥‥

−今日の独言− マクドナルドと食育基本法昨夕、どの放送局か確認し忘れたが、TVニュース番組で、マクドナルドの店が一軒もないという奄美大島のとある小学校に、わざわざ業者が島に乗り込んで、マックのハンバーガーを給食として子どもたちに試食させている風…

霞立つ末の松山ほのぼのと‥‥

−今日の独言− 八百屋お七天和3(1683)年の今日3月29日は、男恋しさのあまり自宅に火付けをした江戸本郷追分の八百屋太郎兵衛の娘お七が哀れ刑場の露となった日だそうな。浄瑠璃や歌舞伎で名代の八百屋お七である。 天和・貞享・元禄と五代綱吉の世だが、この…

沈みはつる入日のきはにあらはれぬ‥‥

−今日の独言− 痩せ蛙の句一茶のあまりにも人口に膾炙した句で恐縮だが、蒙を啓かれた思いをしたのでここに記しておく。 「痩せ蛙負けるな一茶是にあり」 について、「一茶秀句」(春秋社)での加藤楸邨氏の説くところでは、 「希杖本句集」には句の前書に「武…

見ぬ世まで思ひ残さぬながめより‥‥

−今日の独言− ドストエフスキーの癲癇と父殺し「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」の文豪ドストエフスキーが、癲癇性気質だったことはよく知られた話だろうが、亀山郁夫の「ドストエフスキー−父殺しの文学」(NHKブックス)によれば、フロイトが1928年に「…

はかなしやわが身の果てよ‥‥

−今日の独言− 小野小町美貌の歌人として在原業平と好一対をなす小野小町の経歴は不明なことが多く、またそれゆえにこそ多くの説話が語られ、全国各地にさまざまな伝説が生まれた。 鎌倉初期に成立した「古事談」では、東国の荒れ野を旅する業平が、風の中に…

月影のあはれをつくす春の夜に‥‥

−今日の独言− 袴垂と福田善之「袴垂保輔」とも別称される「袴垂−ハカマダレ」とは平安時代に活躍したとされる伝説の盗賊だが、「今昔物語」や「宇治拾遺物語」では「袴垂」と「保輔」は別人とも見られるようだ。両者がいつのまにか合体して伝説的な大盗賊の…

見てもなほおぼつかなきは‥‥

−今日の独言− 檸檬忌 春の岬 旅のをはりの鴎どり 浮きつつ遠くなりにけるかも三好達治の処女詩集「測量船」巻頭を飾る短歌風二行詩。 安東次男の「花づとめ」によれば、昭和2(1927)年の春、達治は伊豆湯ヶ島に転地療養中の梶井基次郎を見舞った後、下田から…

あかなくの心をおきて‥‥

−今日の独言− センバツの甲子園WBCでの王ジャパン優勝で湧き上がったかと思えば、高校野球の春のセンバツがもう始まっている。出場校32校のうち初出場が12校というせいか初めて眼にするような校名が多いのに少し驚かされる。センバツにしろ夏の大会にしろ、…

見渡せば山もと霞む水無瀬川‥‥

−今日の独言− 11年前の3月20日昨日は、素人目から見ても穴だらけの奇妙なWBCシリーズで、幸運にも恵まれて決勝戦に勝ち残った王ジャパンがキューバを降してチャンプになった騒ぎ一色に塗りつぶされたような一日だった。もちろんケチをつける心算は毛頭ない。…

春雨はふりにし人の‥‥

−今日の独言− 結婚式の二次会パーティ昨夕(3/18)はしのつく雨の中を、いまどきの若いカップルには恒例化した結婚披露パーティなる集いに家族三人で出かけた。 正規の式・披露宴の後、友人たち中心に行われる二次会というやつである。会場は中之島のリーガロ…

春の苑くれないにほふ‥‥

−今日の独言− パースペクティヴⅥ<錯綜体としての心−身> すでに価値のヒエラルキーによるパースペクティヴは、意味のパースペクティヴであったが、コミュニケーションの発達は、空間のパースペクティヴを時間のパースペクティヴ(時間地図)によっておきかえ…

玉かぎる夕さりくれば‥‥

−今日の独言− パースペクティヴⅤ<遠近法の変奏>歴史上にあらわれた遠近法は、権威への中心化にはじまり、個への視点の奪還をへて、多様な視点への変換可能性の自覚を生み、さらには反遠近法主義と現実の時空構造のシンボル的変容の発見にいたる。視点が個…

散るをこそあはれと見しか‥‥

−今日の独言− 西行忌建久元(1190)年2月16日、西行は河内の弘川寺で入寂した。時に73歳。 旧暦の2月16日は、新暦では今日3月15日にあたる。そういえば昨夜は満月、帰りの道すがら、東の空には大きなまんまるい月がかかっていた。 ところで入寂当時の1190年2月…

聞くたびに勿来の関の名もつらし‥‥

−今日の独言− パースペクティヴⅣ<脱中心化と可逆性>視点の変換がくりかえされ、中心を移動する操作がかさねられるにつれて、身体図式にひずみが生じ、臨界点に達するとともに、ゲシュタルト・チェンジによって、身体図式が構成し直される。個々の中心化作…

いつとなく心空なるわが恋や‥‥

−今日の独言− パースペクティヴⅢ<自−他、変換可能性> ここでは物は、単に対象化された受動的な存在としてではなく、<能動−受動>的な存在としてあらわれる。物は、われわれによって把握されると同時に、われわれにたいして自己を表現するのである。日常の…

今はとて別るる袖の涙こそ‥‥

−今日の独言− 伝統工芸展の粋美と貧相と すでに旧聞に属することになってしまったが、先週の日曜日、稽古を終えてから、昨秋新装なった心斎橋そごうで開催されていた「日本伝統工芸展」を観に出かけた。友人の村上徹君(市岡17期)の木工漆器、おまけに草木染…

年も経ぬ祈る契りは‥‥

<今日の発言> PCトラブルのご難 先の日曜(3/5)の夜からずっとPC故障の災厄に見舞われていた。 HPを弄っていたらどう無理が祟ったか、まったく動かなくなった。 仕方なく再インストールを試みるも、これもいっかな受けつけてくれない。 どうやら素人の私な…

花の色も月の光りもおぼろにて‥‥

−今日の独言− パースペクティヴⅡ<自己と二つの対他存在>※以下は1月11日付<神とパースペクティヴと>と題して掲載した、市川浩著「現代芸術の地平」より抜粋引用した一文に続くものである。 私の知覚や行動は、つねにいま−ここにある原点としての私に中心…

袖ふれば色までうつれ‥‥

−今日の独言− 桃の節句のヒナ3月3日、桃の節句だというのにまたしても厳しい寒波にうち震えているが、それでも桜の開花予想は例年より各地とも一週間余り早いという、よくわからない気象異変。 中国の古い風俗に、3月上巳の日に、水辺に出て災厄を払う行事が…

きぬぎぬの袖のにほひや残るらむ‥‥

−今日の独言− ガンさんこと岩田直二ガンさんこと岩田直二氏の晩年は、一見するところいかにも飄々とした好々爺で、親しみやすい面貌であったが、内面夜叉ともいうべき筋金入りの演劇人であり、戦前・戦後の関西新劇界を牽引してきた人である。 彼自身が回想…

きみならで誰にか見せむ‥‥

−今日の独言− ガンさん逝く関係者の誰からも「ガンさん」と親しみを込めて呼ばれていた関西演劇界の重鎮、岩田直二氏が2月11日心不全で逝った、享年91歳。親族のみで密葬を行い、3月11日に関西芸術座にて劇団葬が執り行われる予定と聞いたが、訃報記事に気づ…