2010-01-01から1年間の記事一覧

わらや一つ石楠花を持つ

―四方のたより―寒風が吹きつけるEVEの夜、予想通り?数のうえでは寂しい客席だっが、 演者たちは舞も奏も心を尽していい出来だった。 約束の会合があるのですぐにも退散しなければと云っていたOさんも、 気の毒に?その機を逸したまま最後までご覧になってい…

葉桜となつて水に影ある

−表象の森− 親鸞の悪人と凡夫 今村仁司「親鸞と学的精神」より 親鸞の「悪」は存在論的概念 「屠はよろづのいきたるものをころしほふるものなり、これはれうし-猟師-といふものなり。沽はよろづのものをうりかうものなり、これはあき人-商人-なり。かやうの…

けさの風を入れる

―四方のたより― DANCE CAFÉ 2010 EVE ―山頭火の一句― 行乞記再び -130 5月10日、晴、2里ばかり歩いて3里は自動車、伊東宅-大田-樹明君がどうでも大田までいっしょに行くとの事、職務妨害はいけないと思ったが-君は農学校勤務-、ちつとも妨害にはならないとい…

こんやはここで寝る鉄瓶の鳴る

―日々余話― 嵐山花灯路昨夕、親子三人連れで、嵐山の花灯路へ行ってきた。 さすがに阪急電車のに乗った段階からかなりの混みようで、桂からの嵐電はさらに輪をかけて満杯状況。 渡月橋は人、人、人であふれかえり、左側通行に規制された歩道は数珠つなぎで、ぞ…

ふるさとの夢から覚めてふるさとの雨

―日々余話― Soulful Days-44- 事の本質とは この稿は、今年3月に書きかけていたのを補綴し言挙げするものである。交通法規以前の、法以前の、事の本質というものを考える たとえば、小沢一郎問題、 仮にこのまま政治資金規正法等からは罪に問われず落着した…

バスが藤の花持つてきてくれた

―日々余話― Soulful Days-43- これで終り?先の11月29日午後2時、損害賠償請求の民事訴訟における最後の公判期日。 この日も前々回に続いて、一方の被告T.K本人が出席した。無論、過保護な親の意向が強く働いていたこととはいえ、これまでは親任せ、代理人任…

そよいでる棕櫚竹の一本を伐る

―表象の森― ことを超え出て 辻邦生ノート「薔薇の沈黙-リルケ論の試み」より –参-とは、対象の外-前-に立って、対象をそこに現前させることだ。行為は、その意味では、対象-世界-を現象として浮かび上がらせるが、対象から離れることはできず、むしろ対象に…

あざみあざやかにあさのあめあがり

―表象の森― リルケにとってのロダンとセザンヌ・辻邦生ノート「薔薇の沈黙-リルケ論の試み」より –弐-リルケはマルテと一体化することによって、の空虚な生を徹底的に経験することになるが、同時に、その空虚な拡がり・深化のなかで、それに匹敵する強度をも…

露でびつしより汗でびつしより

>―日々余話― Walkingと朝湯とりあえず三日坊主を克服? Walkingは5日目。 眼が覚めたのは5時、小一時間は読書、東の空が少し明るくなるころ家を出る、玄関ロビーの時計を見ると6時15分だった。 いまのところコースは住吉公園と住吉大社廻り、公園に行き着く…

晴れておもひでの関門をまた渡る

―表象の森― 森そのものが神だった岡谷公二「原始の神社をもとめて」は、副題の「日本・琉球・済州島」が示すように、海洋でつながる朝鮮半島や沖縄諸島、あるいは北九州及び近郊の島々などに伝わる古層の神々のかたちに、さまざまに共通なものを見出していく旅と…

あるけばきんぽうげすわればきんぽうげ

―表象の森― 不壊のものへ、捨身の生 辻邦生ノート「薔薇の沈黙-リルケ論の試み」より -壱-「どのような小さなかけらのなかにまで、充実したレアリテ-現実-が存在する。どんな場所を歩こうと、僕にはよろこびがあり、愉悦があつた」と1907年6月にクララに宛て…

夕空、犬がくしやめした

―表象の森― EVEの夜にいっかな御輿を上げないままとうとう師走がきて、今年唯一のDANCE CAFÉは、会場取りの関係もあって、EVEの夜となってしまった。 きのう作ったその案内ページを以下にご紹介しておく。 ―山頭火の一句― 行乞記再び -121 5月1日、まつたく…

窓一つ芽ぶいた

―表象の森― 辻邦生の小説世界と現代詩の森きのうに続いて11月の購入本など。 この月は辻邦生特集といった趣き。それと30年代から60年代へと現代詩が辿った変遷、詩人ら51人を網羅したアンソロジー「言語空間の探検」など、学芸書林の「全集現代文学の発見」シリー…

逢ふまへの坊主頭としておく

―表象の森― なぜだか‥? またまた月遅れの購入本などの紹介、とりあえず10月分。 この月はなぜだか仏教及び宗教系がきわだって多くなった。―10月の購入本― ・吉田武「オイラーの贈物」東海大学出版会 代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、…

ぬかるみをふんできてふるさとのうた

―表象の森― 江戸の御触書江戸期の三大都市、京都・大坂・江戸の自治と行政のしくみを支えた「御触書-町触制度」について詳しく説いてくれた講談社版の「日本の歴史16−天下泰平」。秀吉時代の京都でその端緒をひらき、徳川期に入って京都所司代のもと確立していく…

ボタ山なつかしい雨となつた

―表象の森― 辻邦生「小説への序章」ぽつりぽつりと読み進んでやっと「小説への序章」-1967年初刊、辻邦生全集15所収-読了。 辻邦生といえば「西行花伝」を読んでいたきりだったが、先程、北杜夫との往復書簡「若き日の友情」にはじまって、長編「背教者ユリ…

ルンペンとして二人の唄□

―日々余話― 8年ぶり、黄葉の熊野路休日を利用して日帰りの熊野路、処々に見られた銀杏の大木の黄葉ぶりは、陽光を浴びて見事なものだった。 JR和歌山駅の東側付近にある東横インで、茶谷祐三子を乗せて、4人連れの道中となった往路、以前なら吉備インターを…

風の中から呼びとめたは狂人だつた

―日々余話― 無事終了、なれど‥日曜日-15日-、場所は弁天町の大阪ベイタワーホテル、71名の同期生と二人の恩師が集った三年ぶりの同窓会は、冒頭の受付段階からまったく意想外のトンデモ事件を惹起しながらも、まずまず賑やかに愉しく、成功裡に終わったとい…

晴れたり曇つたり籠の鳥

―世間虚仮― 深刻、就職氷河期若者受難の就職氷河期はいよいよ深刻さを増しているようだ。 今朝の新聞によると、大学生の就職内定率が、10月1日時点で、最低を記録しているという。全国平均で57.6%、大都市が集中する関東圏でも61.0%、近畿圏では60.5%といず…

びつしよりぬれてゆくところがない

―日々余話― 都心のなかの古民家たち大阪で育ち、この年までずっと大阪で過ごしてきながら、不明にもつい最近になってその存在を知ることになったのが、服部緑地公園の一角にある「日本民家集落博物館」。そのきっかけはなんのことはない、小3となった幼な児…

帆柱ばつかりさうして煙突ばつかり

−表象の森− 石田博個人展具体の作家たちなど、関西の現代美術を半世紀にわたって支えてきた信濃橋画廊が、今年いっぱいで閉じるという記事が夕刊紙面で紹介されていた一昨日-16日-の夕刻、地下鉄に乗って淀屋橋へと降りたつと、約束の友はすでに来ていた。幕…

煙突みんな煙を吐く空に雲がない

―日々余話― 半世紀ぶりの能楽堂昨日は友からの誘いに相伴し、久しぶりの能楽鑑賞とあいなった。 大阪観世会定期能の普及公演と銘打つもの、場所は北区中崎町の大阪能楽会館だ。大槻能楽堂には何度か足を運んだことがある、同じく谷町の山本能楽堂にも二、三…

けふもいちにち風をあるいてきた

―表象の森― 梅岩の心学「士農工商、おのおの職分なれども、一理を会得するゆえ、士の道を云へば、農工商に通ひ、農工商の道を云へば、士に通ふ」-石田梅岩 1685-1744-大井玄はその著「環境世界と自己の系譜」-みすず書房 ‘09年刊-のなかで、 江戸時代は、完…

水音を踏んで立ちあがる

―日々余話― Soulful days-42- 和解案提示さる昨夕、K弁護士からの封書が届いた。書面は、10月4日付、大阪地裁から和解案が提示された、その写しであった。A4紙3枚、第1面は「事務連絡」と表題され、それぞれ原告代理人と被告代理人宛と並記され、「頭書の事…

ひさびさきて波音のさくら花ざかり

―日々余話― 無事開催すれど‥秋天蒼穹の空ならず、垣間見えるかすかな青空は、いまにもどんよりと厚い雲に覆われようとしている。 そんな朝、KAORUKOの運動会は、ともかくも無事幕を開けたのだが‥。 10月初めの日曜日は、ずいぶんと降水確率が高いらしく、校…

おわかれのせなかをたたいてくれた

―世間虚仮― 恫喝外交中国のバブル危機中国人船長逮捕の尖閣諸島沖事件、中国のあの手この手の恫喝に船長釈放をしてしまった政府に対し、国内では非難囂々の嵐だが、恫喝するだけしておいて目下の利を収めた中国はさっさと矛を収めようとしているようで、さす…

昼月に紙鳶をたたかはせてゐる

―日々余話― バイオフィルムいくつか購読しているメルマガのなかに、たしか以前にも触れたことがあるが、(財)生物科学研究所の主任研究員を務めるI.A氏による「明快!森羅万象と百家万節の系譜」というのが、毎週土曜日に配信されている。 普段、あまり熱心な…

松風のゆきたいところへゆく

―表象の森― 韋駄天商店街狭いアーケードの中に設えられた直線のトラックを、老いも若きもアスリートたちが、それぞれの記録をかけて駆け抜ける−韋駄天商店街は、今日23日、12時から開始、今年で4回目か。今年は「韋駄天尊像」がお目見得する、平城遷都1300年…

すこし濁つて春の水ながれてくる

―日々余話― 息抜きの小旅行息抜きといっても、日頃息抜きばかりのような私自身には要らぬもの。 元来気質として対人恐怖症的な一面をもっている連合い殿の、それなのに仕事は対人の応接、サービス事業が主体で、それも些か責任ある立場におかれては、おそら…

春あおあおとあつい風呂

−日々余話− きしもと学舎だより些か旧聞になるが、ネパールの[http://homepage2.nifty.com/k_gakusya/htm/Tayori1008-1.html:title=「きしもと学舎だより」-vol.12-]が8月に出されていたのだが、ここに紹介しておこう。2面には彼、岸本康弘の古い詩集-1977年…