2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

もう明けさうな窓あけて青葉

山頭火の一句−昭和8年初夏の頃か―四方のたより― 赤と緑と水と風と澄み切った空の青さと 映えわたる山脈の新緑とが 満面と水をたたえた八条池の、風そよぐ風景のなかで 群れなすキリシマツツジの深紅が、みごとな対照をなす 此処、長岡天満宮は、二、三日前か…

木曽の酢茎に春もくれつゝ

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「灰汁桶の巻」−18 花とちる身は西念が衣着て 木曽の酢茎に春もくれつゝ 凡兆次男曰く、初折の末、懐紙式で花の綴目と呼ばれる巡りである。前句は西行を慕う道心者のうえには違いないが、作者が芭蕉と…

さみだるる大きな仏さま

山頭火の一句−大正15年初夏か同年4月14日、山頭火は木村緑平に宛て、 「あはただしい春、それよりもあはただしく私は味取をひきあげました、本山で本式の修行をするつもりであります。 出発はいづれ五月の末頃になりませう、それまでは熊本近在に居ります、…

花とちる身は西念が衣着て

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「灰汁桶の巻」−17 何を見るにも露ばかり也 花とちる身は西念が衣着て 芭蕉西念=ありふれた凡僧を呼ぶ通名。西念坊次男曰く、裏十一句目は初折の花の定座。四季に執成せる「露」を見込んで、雑の句を…

何を見るにも露ばかり也

利休にたずねよ作者: 山本兼一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2008/10/25メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (93件) を見る―表象の森― 利休にたずねよ昨年下半期の直木賞作、「筋立て、構造、読者をある一点に導いてい…

町内の秋も更行明やしき

―世間虚仮― 定額給付金大阪市でも定額給付金の事務手続きが始まったようで、本日我が家にも給付案内及申請用紙同封の封書が届けられたが、その書面を見てまず感じさせられたのは、やはり法案成立段階で取り沙汰されていた事務煩瑣の問題だ。その申請用紙たる…

あつ風呂ずきの宵々の月

―表象の森― 島之内小劇場生みの親、西原牧師の訃報昨日の朝刊に西原明牧師-享年80歳-の訃報記事があった。彼が大阪の島之内教会から東京へと転出し、在阪時代と同様に自身牧師として奉職したシロアム教会で、自殺防止センターいわゆる「いのちの電話」の活動…

金鍔と人によばるゝ身のやすさ

―四方のたより― ちょっぴり成長青空ひろがる陽光のもと自転車を走らせればすぐにも汗ばんでくるほどで、夏日に達しようかというバカ陽気だ。 今日はKAORUKO手習いのピアノの発表会だが、会場の阿倍野区民センターへは自転車で行くのが通例のようになって、ち…

迎せはしき殿よりのふみ

―四方のたより― 携帯MailをPCへ携帯のE-Mailを多用するようになってもう10ヶ月近く。そのやりとりのなかにはかなり大事なものもあって、記録として残しておいたほうがよいと思われるものが相当ある。ずいぶんと貯まってきたので保存すべく、まずはMicroSD-Me…

ものおもひけふは忘れて休む日に

―四方のたより― 心の際-こころのきわ-六甲の植物園に紫陽花を見に行ったのはもう何年前だったか、秋にK女が生まれたその年の初夏だったとすれば’01年か。11日の土曜、ひさしぶりにその六甲山へ、このたびはK女と二人でドライブ行。このところ仕事に追われる…

蛭の口処をかきて気味よき

―世間虚仮― Soulful Days-22- やっと動いた!厚い検察の壁が、やっと動いた。 先ほど-AM11:30頃-、N検察官から突然の電話。 曰く、事故当時の記録画像につき、MKタクシー側から直接取り寄せたうえで、T側の過失に関しあらためて検証のうえ審理するから、そち…

ゆふめしにかますご喰へば風薫る

―世間虚仮― Soulful Days-21- 壁は穿てるか‥事故相手方Tに対する告訴状を大阪地検の担当検事に提出したのは2月10日だったから、かれこれ2ヶ月を経ようとしている昨日、これで三度目となる大阪地検へ。十日ほど前か、わざわざM運転手がDrive Recorderのcopyを…

摩耶が高根に雲のかゝれる

―世間虚仮― 父と子の春休み我が家の幼な児KAORUKO、小一の春休みももう終わりだが、連れ合い殿に4月1日付転勤の辞令が下って彼女は引継ぎやらなにやら大忙し、このところ毎日夜も遅いから、此方は子守り同然の日々が続いていたのだった。その短いようで長い…

乗出して肱に余る春の駒

―四方のたより― 成田屋騒動一昨日の土曜日-4/4-は、朝から雨模様。地下鉄御堂筋線「動物園前」駅の2番出口を上がり山王の交差点、その東南角にある駄菓子とおでんの一風変わった店「成田屋」。この店の軒先では折々街頭Performanceが繰り広げられるらしいが…

鶯の音にたびら雪降る

―表象の森― 内村剛介のロシア内村剛介-本年1月30日死去、享年88歳-については、名のみぞ知るばかりでその著に触れることもなくきてしまったが、このほど陶山幾朗編「内村剛介ロングインタビュー:生き急ぐ、かんじせく−私の二十世紀」を読むほどに、11年に及…

千代経べき物を様々子日して

―四方のたより― ある訃報に‥俳優金田龍之介の訃報記事に接して、古い知人のY君のことが思い出された。若い頃の遠い面影を脳裏に浮かべながら、彼はこの訃報をどんな感慨をもって受け止めているのだろうか、などととりとめもない想いがあれこれめぐる。Y君と…