2006-01-01から1年間の記事一覧

なごりなき安達の原の霜枯れに‥‥

−表象の森− 2006年、逝き去りし人々昨日の短兵急な死刑執行、しかもその絞首刑のありさまを録画のうえイラク国民に報じられたという、独裁者サダム・フセイン(69歳)の残忍このうえない死をもって幕を閉じようとしている2006年。 以下、今年、逝き去りし、不…

一夜さへ夢やは見ゆる呉竹の‥‥

−世間虚仮− サダム・フセインの死刑執行正午過ぎ、「フセイン元大統領の死刑執行さる」のテロップが流れた。 またも、ブッシュ米大統領らアメリカ政府の意志が強く働いた結果だ。 ‘82年のシーア派148人の大量虐殺事件の裁判で、死刑が確定されたのが今月26日…

君しあれば並木の蔭も頼まねど‥‥

INFORMATION : 四方館Dance Café <越年企画>−四方のたより− 行き交う人々−懐かしさのふるさとその名は「三ちゃんや」だった。 幼い頃よく通った近所の駄菓子屋の屋号である。 先日急死した、幼馴染みでもあった中原喜郎さんにまつわることなどをあれこれと…

とふ嵐とはぬ人目もつもりては‥‥

INFORMATION : 四方館Dance Café <越年企画>−表象の森− 襲−かさね古来の日本の色彩感覚をよく伝えてくれるものに色の「襲(かさね)」、「襲の色目」がある。 「色目」という言葉自体、色の組合せを指すが、衣の表と裏の色の組合せ、これをとくに「襲」と呼…

はげしさを聞きしにそへて秋よりも‥‥

−四方のたより− 悲報、中原喜郎の急逝17日(日)の朝、予期せぬ訃報が届いた。 ここでも「文月会」のグループ展などで何度か触れてきた盟友・中原喜郎さんの突然の死。 驚き、ただ狼狽するのみから、少し落ち着きを取り戻せば、かわって激しい悲しみが突き上げ…

世に経るは苦しきものを槇の尾に‥‥

−四方のたより− 年の暮れの Dance Cafe七十二候では「熊蟄穴」、 いよいよ熊も穴に籠って冬を越さんとする訳だが、今年も暖冬傾向なれば、餌を求めて彼らもなお山野にあろう。 さて、暮れも迫ってのDance Caféの案内である。 今年の開催はこれまで4月と9月の…

さびしさを思ひ弱ると月見れば‥

−世間虚仮− 年には勝てぬどうしたことか、このところ体調芳しくなし。 昨日も今日も、惰眠を貪り、ただ身体を休めている始末。 ことほど疲労が溜め込まれているのだろうか、それにしても情けないことではある。This used to be easy for me. The years aren'…

昔おもふ寝覚の空に過ぎきけむ‥‥

浄瑠璃寺境内−阿弥陀堂より東方三重塔を望む−四方のたより− 2週間の忘備録的報告 先月20日以来、実に2週間ぶりのUP。 2年前の9月から書き始めてより、ここまで空くことはなかったのだが‥‥。 その間いろいろあったのだけれど、ひとまずはメモ的に書き留めてお…

おほかたの秋のあはれを思ひやれ‥‥

−四方のたより− 行き交う人びと−「かんのんみち」の茶谷祐三子17年ぶりに相対した彼女は、嘗て私の知る面影とはまるで異なり、別人格の趣さえあった。 一昨日(11/18)、土曜の午後、谷町4丁目近くの山本能楽堂へと、インド舞踊や巫女舞をする茶谷祐三子が踊…

忘れじな難波の秋の夜半の空‥‥

−表象の森− 文明崩壊は避けられぬかジョエル・レヴィ著「世界の終焉へのいくつものシナリオ」を読んだ。 人類の高度文明による生態系や気候変動などさまざまな異変・破壊から、津波や海面上昇などの風水害や超火山の爆発まで、現在考えられ得るカタストロフ…

−四方のたより− 村上徹/木工作品展今春の「日本伝統工芸近畿展」で見事、近畿賞を獲た村上徹君が、地元の京都で作品展を開いている。 会期は11/14(火)から12/10(日)のほぼ1ヶ月、場所は三条木屋町近く、姉小路通り河原町東入ル、ギャラリーなかむら。(開…

見し秋をなにに残さむ草の原‥‥

−表象の森− 定家百首・雪月花(抄)塚本邦雄の「定家百首−良夜浪漫」が文庫になった。 それも「雪・月・花−絶唱交響」の雪の章・良経篇が添えられて。 どちらも私の許には、図書館で借りた邦雄全集からコピーした綴本があるが、これは購わずにはいられない。 …

桐の葉も踏み分けがたくなりにけり‥‥

−表象の森− 失敗者としてのバッハ5日ぶりのUPである。PCに不調があったわけでもなく、とくに何かに忙殺されていたわけではないが、ついついこんな仕儀になってしまった。毎日のようにUPするのがノルマ化してしまっていることに少なからぬ気鬱があるのかもし…

入相は檜原の奥に響きそめて‥

−表象の森− 音をはこぶ ――高橋悠治「音楽のおしえ」晶文社刊より――竹の管に息をふきつける。 内側の空気の柱がはげしくゆれる。 これが音だ。 ゆれが安定し、音は消える。 瞬間の音は偶然だ。 音が消えぬうちに、できかかるバランスを つきくずす。 それはな…

何となくものぞかなしき菅原や‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン: 「ラメラ」⇔「リビード、「ファルス」⇔「ファルス」、「転移」⇔「転移」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より「ラメラ」⇔「リビード」 ・「円なる一体」と「無機物」、生の欲動は前者を、死の欲動は後…

秋とだに吹きあへぬ風に色かはる‥‥

−世間虚仮− 月を道づれに昨晩は風も強く荒れ模様の空ながら、それでも中天から西に傾きかけた月−十六夜の月か−がくっきりとその姿を見せてくれていた。 秋分の日あたりから夜の明けるのはどんどん遅くなり、午前3時過ぎから6時近くのほぼ3時間の配達行はいま…

時しもあれ悲しかりける思ひかな‥‥

−世間虚仮− 子育ての母育て幼な児といえども満5歳ともなれば、すでに第一反抗期を通過して、もはやそれなりの人格を有した人そのものだとつくづく再認させられる。ごっこ遊びなどをとおして役割認識も育っているし、場面の使い分けもできるようになる。男の…

風にきき雲にながむる夕暮の‥‥

※ 写真は「若冲と江戸絵画」展−公式ブログフォトライフ−より転載。 −世間虚仮− 看板に偽りあり? 「若冲と江戸絵画展」祝日、おまけに3連休の初日とあって、昨日の京都は古都の秋を訪れる人びとで溢れかえっていた。 とりわけ岡崎公園界隈は、向かい合って建…

思ふことさしてそれとはなきものを‥‥

−表象の森− 白秋忌 金の入日に嬬子の黒―― 黒い喪服を身につけて、 いとつつましうひとはゆく。 −金の入日に嬬子の黒− 陰陽五行説によれば、五色に青・赤・黄・白・黒、五時に春・夏・土用・秋・冬あり、 是より、青春・朱夏・白秋・玄冬と、「色」と「時」の…

眺めやる心もたへぬわたのはら‥‥

−世間虚仮− 「一命を副えてお願い致します」 全国にひろがった一連の必修科目の履修漏れ騒ぎのなか、10月30日、自殺した茨城県立佐竹高校の校長が書き残した遺書の一部が公開された。 文中、「生徒に瑕疵はありません。生徒に不利益にならない御処置をお願い…

秋風になびく浅茅のすゑごとに‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「性関係はない」⇔「去勢不安」と「ペニス願望」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「性関係はない」⇔「去勢不安」と「ペニス願望」 ・性関係にはいかなる正解もない。 精神分析の経験とは、この「正…

身を秋の契りかれゆく‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「享楽」⇔「快原理の彼岸」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「享楽」⇔「快原理の彼岸」ラカンの「享楽」は、18世紀末にカントとサドによって方向づけられた「悪(苦痛)の中の幸福」という倫理的モ…

風吹けばただよふ雲の空にのみ‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し ◇年5億円、実態不明−国会議員のJR無料パス−公費負担の規定なし 成程、民営化前の国鉄時代は、負担を国鉄に押し付けていられたが、分割民営化されたJR各社にはそうもいかない。そこで利用実態に拘わらず、すこぶるアバウトな額が毎年…

草の葉に置き初めしより白露の‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「シニフィアン」⇔「エディプスコンプレクス」、「排除」⇔「棄却」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「シニフィアン」⇔「エディプスコンプレクス」 エディプスコンプレクスとはシニフィアンの導入…

秋よ今残りのあはれをかしとや‥‥

−世間虚仮− 恐れ入谷のSHINJO劇場曰く、涙の日本一、宙に舞う、大団円、号泣フィナーレ、日本一の花道‥‥。 昨夜の日ハムが中日を降した日本シリーズ、監督より先にチームメイトたちに胴上げされ、宙に舞った新庄剛志。 4月の開幕早々、今季限りと異例の引退…

夕暮の秋のこころを心にて‥‥

−表象の森− 新訳のG.バタイユ 光文社が今月より文庫版の古典新訳シリーズの出版をはじめた。 そのなかからさしあたりG.バタイユの「マダム・エドワルダ/目玉の話」を読んでみた。 成程、「いま、息をしている言葉で、もう一度古典を」とのキャッチフレーズ…

うす霧の籬の花の朝じめり‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し◇福島県、佐藤前知事を逮捕−9億7000万円収賄容疑 木戸ダム発注工事の談合事件−福島疑惑−で、知事実弟の企業所有地を時価を大幅に上回る高嶺で建設業者に9億7000万円で買い取らせたその代金を賄賂として認定したもの。◇京都府長岡京市…

花の色は隠れぬほどにほのかなる‥‥

−表象の森− セピア色した昭和30年代−「時の物置」劇団大阪公演、永井愛・作「時の物置」を、土曜日(10/21)のマチネーで観た。 永井愛はこの10年、紀伊国屋演劇賞や岸田戯曲賞、読売文学賞など、各戯曲賞を総なめにするほどに評価も高い、今もっとも脂ののっ…

秋を世にわれのみしをる心とや‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「事後性」⇔「心的外傷」、「象徴界」⇔「偶然はない」、「構造主義」⇔「進化論」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「事後性」⇔「心的外傷」 ・「事後性」−「シニフィアンの遡及作用」 ラカンは、シ…

暮れはつる尾花がもとの思ひ草‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し◇北朝鮮核実験、金総書記に中止要請−訪朝の唐国務委員(前外相)が中国胡錦涛国家主席の意向伝達◇対北朝鮮制裁、日米と韓 溝埋まらず−日米韓外相会談、ライス米国務長官・麻生外相と韓国外交通商相◇ディープから薬物、凱旋門3着取り消…