2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

けさ見ればうつろひにけり女郎花‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café−今宵(9/28)は、久しぶりのダンスカフェ。 このところの杉谷君、そのピアノの即興演奏は進境著しい変容ぶりをみせ、付き合っていてとても愉しい思いをさせてもらっている。 昨年暮れ頃からだと思うが、音世界に遊ぶというか…

寝られめやわが身ふる枝の真萩原‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− フロイト=ラカン:「一の線」と「対象a」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「一の線」⇔「唯一特徴」 ・「私を見ている目がどこかに在る」という、「私を見ている目」の在り場所は、 神の…

夏の日の燃ゆるわが身のわびしさに‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− フロイト=ラカン:「他者の語らい」⇔「無意識」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より ・「人の欲望は他者の欲望である」 人間の欲望は、内部から自然と湧き上がってくるようなものでは…

ゐても恋ひ臥しても恋ふるかひもなみ‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −世間虚仮− 紙面トップに「求む住職」イヤハヤ、今朝の毎日新聞の紙面トップには驚かされた。 記事はご覧のとおり、禅僧の求人? 僧侶の後継者難に業を煮やした臨済宗妙心寺派が、従前必須の修業期間を格段にコンパクトに…

かつ見つつ影離れゆく水の面に‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− ラカンからフロイトへ遡る・近代の頂点で「神は死んだ」と語った人がいた。 代わって人間の理性が、神の不在の場所を覆うはずだった。 しかし、理性は必ずしもその任に堪えないことが判明しはじめた。 その一方…

潮満てば水沫に浮かぶ細砂にも‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −世間虚仮− ヒトというもののくだらなさ この国の宰相ともなる御仁が、その政策提言に「美しい国へ」などと陳腐この上ない言辞を弄して国民に媚びようとオプティミストぶりを発揮すれば、世間は6割を越えてこれを支持する…

知らずその逢瀬やいつの水無瀬川‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −四方のたより− きしもと学舎だより06.09カースト制度が色濃く残るネパールのポカラで、学校に行けない子どもらに無償で学ぶ場を提供しつづけている、車椅子の詩人・岸本康弘さんから、今年も「学舎だより」が届いた。 こ…

人言を繁み言痛みおのが世に‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −世間虚仮− 普及率0.7%の住基カード平成15年8月25日、この日が何の日だったかといえば、総務省の音頭で住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)が作られ、われわれ国民全員に11桁の番号(住民票コード)が割り振られた日であ…

心から浮きたる舟に乗りそめて‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− U.エーコの「美の歴史」 近頃、型破りでかつ重厚な一冊の美術書に出会った。 表紙裏の扉には、以下のような言葉が踊っている。 <美>とはなにか? 絶対かつ完璧な<美>は存在するのか? <真><善>、<聖>…

大き海の水底深く思ひつつ‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −世間虚仮− 安部晋三の器量器量というのは、顔立ちや容貌のことでもあるが、第一義には、その地位・役目にふさわしい才能や人徳、いわゆるその人の器であり度量をさす言葉だろう。 安部晋三は、たしかに甘いマスクだし、彼…

幾夜われ波にしをれて貴船川‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −四方のたより− 大阪野外演劇フェスティバル今年も劇団犯罪友の会など関西野外演劇連絡協議会に参集する劇団たちが、9月から11月初旬まで、大阪野外演劇フェスティバルで競い合う。 参加の劇団各々が、思い思いに独自の仮…

風早き響の灘の舟よりも‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −世間虚仮− 自衛官に軍人恩給?防衛庁が退職自衛官に戦前の軍人恩給にも似た制度の導入を進めようとしている、との報道にわが眼を疑うばかりに驚かされた。 自衛官は国家公務員だから共済年金だが、これに上積みする年金制…

瑠璃草の葉に置く露の玉をさへ‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− 中原喜郎展とイサム・ノグチと速水御舟 滋賀県立近代美術館へと家族を伴って出かけた。 先ずは中原喜郎個展のギャラリーへ。今日が初日の会場にはもちろん中原兄の姿があった。 作品は40点余りだが、例年に比べ…

しるべせよ送る心の帰るさも‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −表象の森− 貝の文化と羊の文化京劇が専門だという著者、加藤徹の「貝と羊の中国人」新潮新書。 任期満了でやっと退陣する小泉首相の靖国参拝への頑なな執着で、この数年、中国からの批判がずいぶん過熱したものだったが、…

おほかたの秋の空だに侘しきに‥‥

Information−Shihohkan Dace-Café− −四方のたより− 中原喜郎個展この時期、例によって、中原喜郎さんの個展の案内が届いた。 会期は明日12日(火)から18日(祝)まで、場所は滋賀県立近代美術館ギャラリー。 いつものように、いつものところで、判で押したよう…

武蔵野や行けども秋の果てぞなき‥‥

Shihohkan Dace-Café −表象の森− ハードル走者・為末大の進化論 世界陸上競技界の第一線で活躍するハードル走者・為末大の「ハードラー進化論」というとてもいい一文を読んだ。 ハードラー−Hurdler−とはハードルの走者、つまりは為末大自身のことだ。 毎日新…

秋の夜の霧立ちわたりおぼろかに‥‥

−四方のたより− ひさしぶりにDance-Café ひさしぶりに「四方館DanceCafe」開催のご案内。 今年4月27日以来だから5ヶ月ぶりだ。 今回のタイトルは、 Chant d'automne ――秋の歌―― とした。 「秋の日のヴィオロンの‥」 と歌ったは、彼のヴェルレーヌだが ボード…

虫の思ひ鹿の鳴く音もふるさとに‥‥

−表象の森− 承前・折口信夫「死者の書」と「大津皇子−鎮魂と飛翔」 想い出の舞台「大津皇子−鎮魂と飛翔」、 その構成は2部8章、これを資料に基づいて以下転載する。 ※ 写真はまだ30代だった筆者、場面は「二上山の章−死者と生者の相交」より。 一部<磐余の…

いかにせむ葛のうら吹く秋風に‥‥

−世間虚仮− 貴きは言祝ぎ、賤しきは臍を噬む41年ぶりの皇位継承者誕生だそうである。 帝王切開での出産なのだから、今日産まれることは自明のことだったし、男児か女児かどちらかといえば、この日までのマスコミが奇妙なほどに粛々と待ちの姿勢に終始してい…

わが恋は絵にかく野べの秋風の‥‥

−表象の森− 折口信夫「死者の書」と「大津皇子−鎮魂と飛翔」 9月3日は迢空忌だったそうな。 昔、釈迢空こと折口信夫の「死者の書」に材を得て創った舞台が、82(S58)年秋の初演と翌年春の再演、「大津皇子−鎮魂と飛翔」であった。 但し初演時のタイトルは、「…

たまゆらの露も涙もとどまらず‥‥

−表象の森− 「即く」と「離れる」、クセナキスの音一昨日2日の土曜日は、午前から市岡同窓会館にて15期会の幹事会。 5月27日だったか、本年1回目の会合から、7月1日とこの日の、合わせて三度目の正直で、ようやく懸案の収拾もつき、例会企画のアウトラインが…

結びけむ人の心はあだなれや‥‥

−表象の森− 「人体 失敗の進化史」のすゝめ 著者の遠藤秀紀は、現役の動物遺体解剖の泰斗であろう。動物の遺体に隠された進化の謎を追い、遺体を文化の礎として保存するべく「遺体科学」を提唱する第一線の動物学者である。 この人の著書は初めて読むが、「…

夢にだに人を見よとやうたた寝の‥‥

−表象の森− 鬼の児放浪/金子光晴 すでに62年を生きてしまったわが身に、ある種の自嘲と懐かしさを響かせてくれる詩。 岩波現代文庫「金子光晴詩集」清岡卓行編−詩集「鬼の児の唄」より 「鬼の児放浪」 ――鬼の児卵を割って五十年 一 鬼の児がかへってきた。…