2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

穿いて下さいといふ草鞋を穿いて

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月23日の稿に 10月23日、曇、雨、佐土原町行乞、宿は同前-富田屋-あぶないお天気だけれど出かける、途中まで例の尺八老と同行、彼はグレさんのモデルみたいな人だ、お人好しで、怠け者で、酒好きで、貧乏で、ちよいちよい…

余のくさなしに菫たんぽぽ

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「空豆の巻」−36 花見にと女子ばかりがつれ立て 余のくさなしに菫たんぽぽ 岱水次男曰く、遊山、野遊びは、もともと物忌の考えからわざわざ節日をえらんで戸外に出た風習であろうが、花見もその一つで…

ふりかへらない道をいそぐ

―世間虚仮― 比例候補が足りない!?真夏の長い闘い、衆院選もいよいよ大詰めだが、大勝ちしそうな勢いの民主党に、当初予測を超えたまことに悩ましい問題が持ち上がっている。小選挙区候補はほぼおしなべて比例ブロック候補にも名前を連ねているのだが、これは…

花見にと女子ばかりがつれ立て

―世間虚仮― Soulful Days-25- 民事訴訟はじまる 高さは12階建ながら横にぐんと長いあの偉容が、一介の市民には圧するばかりに映る大阪高裁・地裁のビルに入るのは、いったい何年ぶりだったか。本日午後1時15分、民事訴訟の第1回口頭弁論期日があった。 当初、…

お約束の風呂の煙が秋空へ

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月21日の稿に 10月21日、晴、日中は闘牛児居滞在、夜は紅足馬居泊、会合早く起きる、前庭をぶらつく、花柳菜といふ野菜が沢山作つてある、紅足馬さんがやつてくる、話が弾む、鮎の塩焼を食べた、私には珍しい御馳走だつた…

晒の上にひばり囀る

―四方のたより― Dinner Showの裏で‥たった3.4日のことなのに、大阪へ戻ってくると、朝方はそれほどでもないのだが、夜は蒸し暑く、とても寝苦しい。長い運転の疲れも残っているから、身体は重くて仕方がないし、ちょっとした休み惚けのていたらくである。さ…

父が掃けば母は焚いてゐる落葉

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月19日の稿に 10月20日、晴、曇、雨、そして晴れ、妻町行乞、宿は同前-藤屋- 略-、9時から2時まで行乞、行乞相は今日の私としては相当だつた、新酒、新漬、ほんたうにおいしい、生きることのよろこびを恵んでくれる。 歩…

―四方のたより―神沢師の七回忌近く神沢師が逝かれてはや6年が経とうとしている。その命日、9月6日に学園前の稽古場で法要を兼ねてのイベントが企画されているようで、もう十日ほど前か、書面の案内が寄せられている。 曰く「アンティゴネー」上演会、とか。…

山の根際の鉦かすか也

―日々余話― 盆の稽古の四方山話7月26日から東京へと二つのバレエ講習会を受けるため東京へ行っていたありさが、ほぼ4週間ぶりに帰ってきて、久しぶりに顔を出す筈だった今日の稽古だが、先の講習を受けたソフィア・バレエ・アカデミーから、スタジオ公演に怪我…

大地ひえびえとして熱あるからだをまかす

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月17日の稿に 10月18日、晴、行程4里、本庄町、さぬきや 略-、高岡から綾まで2里、天台宗の乞食坊さんと道づれになる、彼の若さ、彼の正直さを知つて、何とかならないものかと思ふ。-略- 綾から本庄までまた2里、3時間ば…

このごろは宿の通りもうすらぎし

―日々余話― 懐かしき邂逅ふたつお盆真っ只中、人は懐かしき処へ帰参し、また発ってゆく。 このところ懐かしい人からめずらしく連絡のくることがつづいた。 一人はインド舞踊や巫女舞をもって全国あちらこちらをめぐっている花の宮こと茶谷祐三子、もう一人は…

病んで寝て蠅が一匹きただけ

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月17日の稿に 10月17日、曇后晴、休養、宿は同前-梅屋-昨夜は12時がうつても寝つかれなかつた、無理をしたためでもあらう、イモショウチュウのたたりでもあらう、また、風邪気味のせいでもあらう、腰から足に熱があつて、…

すたすたいふて荷ふ落鮎

―世間虚仮― どっちが依存昨日から我が家では愛娘が不在、KAORUKOは2泊3日の子どもサマーキャンプとやらで信太山の大阪市野外活動センターへお出かけなのだ。保育園時代、お泊り保育で外泊の旅は経験済みとはいえ、このたびは友だちとてなく、まったく見知ら…

豊年のよろこびとくるしみが来て

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月16日の稿に 10月16日、曇、后晴、行程7里、高岡町、梅屋暗いうちに起きる、鶏が飛びだして歩く、子供も這ひだしてわめく、それを煙と無智とが彩るのだから、忙しくて五月蝿いことはない疑ない。 今日の道はよかつた、−2…

名月のまに合せたき芋畑

―表象の森― 麿赤児と梅津和時のSession Live報大駱駝艦の麿赤児と、サックス&クラリネット奏者の梅津和時によるライブセッションが、月末の29日あるそうだ。 仕掛人は寝屋川に住む陶芸家の石田博君だが、彼が会場に選んだのは「えにし庵」。野崎観音も近い河…

ざくりざくり稲刈るのみの

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月15日の稿に 10月15日、晴、行程4里、有水、山村屋早く発つつもりだつたけれど、宿の支度が出来ない、8時すぎてから草鞋を穿く、やつと昨日の朝になつて見つけた草鞋である、まことに尊い草鞋である。 2時で高城、2時間…

堪忍ならぬ七夕の照り

―世間虚仮― 処罰感情裁判員制度がはじまり、その初審理の模様が、ここ数日新聞・TVを賑わしてきた。 検察の求刑16年に対し、下された判決は15年、という些か意外なものだった。事件の詳細や背景についてなにほどの知識ももたない私だが、被害者側の強い悲しみ…

石刻む音のしたしくて石刻む

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月14日の稿に 10月14日、晴、都城市街行乞、宿は同前-江夏屋-8時半から3時半まで行乞、この行乞のあさましさを知れ、そこには昨日休んだからといふ考へがある、明日は降るかも知れないといふ心配がある、こんなことで何が…

息災に祖父のしらがのめでたさよ

―四方のたより―今日のYou Tube-vol.30- 「往還記-OHGENKI-?」のFirst stage 「WALTZ -輪舞-sculpture.2-WALTZ-輪舞-2」<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「空豆の巻」−27 年貢すんだとほめられにけり 息災に祖父のしらがのめでたさよ 岱…

家を持たない秋がふかうなつた

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月13日の稿に 10月13日、晴、休業、宿は同前-江夏屋-とても行乞なんか出来さうもないので、寝ころんで読書する、うれしい一日だつた、のんきな一日だつた。 一日の憂は一日にて足れり−キリストの此言葉はありがたい、今日…

年貢すんだとほめられにけり

―世間虚仮― 梅雨明け未だし8月に入ったというに未だ梅雨は明けぬ、夜更けた今も雨模様、雨雲レーダーを見れば明朝にかけてひどい降りになりそうだ。記録に残る’51年以降で最も遅かった梅雨明けは今日、8月1日だそうで、記録更新はすでに決まり、あとはどこま…