2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

巌に花の咲かんが如し

「In Nakahara Yosirou Koten」 風姿花伝にまねぶ−<17> 物学(ものまね)条々−鬼 是、殊更大和の物也。一大事也。凡、怨霊・憑物などの鬼は、面白き便りあれば、易し。 あひしらひを目がけて、こまかに足手を使ひて、物頭を本にして働けば、面白き便りあり…

からつゆからから尾のないとかげ

「闇に咲く花」公演チラシ <四方の風だより> <劇団大阪の「闇に咲く花−愛敬稲荷神社物語」を観て> 先週の土曜日(6/25)、劇団大阪の春の演劇まつり参加公演、 「闇に咲く花−愛敬稲荷神社物語」を観に出かけた。 井上ひさしの戯曲、演出は熊本一。 3月の自…

山から山がのぞいて梅雨晴れ

<日々余話> <啖呵の如く胸打つ、最後の宮大工棟梁のコトバたち> 西岡常一著「木に学べ−法隆寺・薬師寺の美」を読む。 法隆寺金堂の大修理、薬師寺金堂・西塔などの復元を果たし、1995年に惜しくも85歳で死んだ、 最後の宮大工棟梁・西岡常一が発する言葉…

みんなたつしやでかぼちやのはなも

「浜辺に遊ぶ−宮古島にて」 <行き交う人々−ひと曼荼羅> <記憶の中の−遥洋子> 東京や関東方面での知名度がどれほどのものかわからないが、 遥洋子といえば、関西の人ならまず知らない人はいないくらいの、有名タレントなのだろう。 1986年、上岡龍太郎と…

ずんぶり温泉(ユ)のなかの顔と顔笑ふ

「東条湖おもちゃ王国にあそぶ」 <日々余話> <侮るなかれ、優れもの温泉銭湯> 近頃の温泉銭湯はなかなかに侮れないものと思い知らされました。 芦屋の足湯をいち早く一報してくれた芦屋の下町に住まいする友人T氏が、 これまた、こんないい銭湯があるよ…

ほうたるこいこいふるさとにきた

「青森県下北半島仏ケ浦」 <風聞往来> <どう変わってゆく、ブログ社会> 「ブロガーの増加が「匿名」を吹き飛ばす? 米国の例に学ぶ」によれば、 総務省は2007年3月末に、ブログ利用者が約782万人−アクティブブログ利用者数は約296万人−になるとの予想を…

生き残つたからだ掻いてゐる

<日々余話> 「死の棘」に侵されるままに> 以前にも触れたことがあるが、私は殆ど小説を読まない読書人である。 少年期の文芸への疎遠ぶりが尾を引いたのだろうが、私の守備エリアからは、小説世界がもっとも遠いところにあるという自覚で、もう何十年この…

お山しんしんしづくする真実不虚

「In Nakahara Yoshirou Koten」 <日々余話> <三浦つとむと吉本隆明の所縁> 偶々なのだが、吉本隆明のかなり詳細な年譜を見ていると 1989年の件に、(この年の1月、昭和天皇の死去があるが) 「10月、『試行』の支柱的執筆者で事務上の最大の協力者だった…

しとどに濡れてこれは道しるべの石

<風聞往来> <「空白の一行」の、事実は小説より奇なり> 先日の日曜日(6/12)、高校時代の同窓会に行ってきた。 旧制中学時代から今日に至る百年余りに巣立っていった全体の同窓会総会で、 対象者は3万人は優に越えるはずなのに、 例年は母校食堂で同窓会…

てふてふうらうら天へ昇るか

「Ichi-Bun98-Santouka」より <風聞往来> <訃報二題−塚本邦雄さんと倉橋由美子さん> 稀少な存在感を示していた作家の訃報が相次いだ。 塚本邦雄さん−6月9日、享年84歳。 http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/06/10/20050610ddm04104012…

ぬるい湯で話がつきない

毎日新聞「はんしんeyes」記事<日々余話> <芦屋de足湯> 先に「ありがたやの足湯処情報」として芦屋に住む友人から紹介された 「潮芦屋げンき足湯」に幼な児を連れて行ったのが先月29日の日曜日。 いつもなら定例の稽古日だが、メンバーの都合でお休みに…

神は舞懸りの風情によろし

「In Nakahara Yoshurou Koten」風姿花伝にまねぶ−<16> 物学(ものまね)条々−神 およそ、此物まねは、鬼懸り也。 何となく怒れる装ひあれば、神体によりて、鬼懸りにならんも、苦しかるまじ。 但、はたと変れる本意あり。神は舞懸りの風情によろし。鬼は更…

草は咲くがままのてふてふ

写真は表題公演のチラシ <四方の風だより> <一千一体のナイフ−ペルソナの告白> ウィングフィールドという 80年代から90年代、大阪の小劇場演劇を牽引した、 ミナミの周防町にある小さな芝居小屋。 其処で、BRICKS DANCE COMPANY を主宰する山田いづみが…

あざみあざやかなあさのあめあがり

マンション下、紫陽花咲くオープンスペースにて <日々余話> <3歳半は反抗期の真っ只中>生後6ヶ月から保育園に通うK君(女の子デス)は、 満3歳になった頃から、ご他聞にもれず、第一反抗期に突入。 女の子なのに言葉づかいは男児同様、 お気に召さぬとな…

日ざかりのお地蔵さまの顔がにこにこ

photo-恐山にて <世間虚仮> <我が国は、仏教の国か、神道の国か?> 頑なな小泉首相の靖国参拝の関連発言をめぐって、靖国問題がなお喧しい。 首相のこれみよがしの柳に風、馬耳東風の態度も、ここまでくるとただのガキ同然に見えてくる。 彼の人を喰った…

紫陽花もをはりの色の曇つてゐる

<言の葉の記> <紫陽花> 紫陽花の季節だ。花の多くは陽の光にそのあざやかさを増すのに、 紫陽花は雨の雫が似合い、その風情は愛おしさをつのらせる。 手鞠花、額の花、または七変化とも呼ばれもする。 紫陽花という表記については 唐代の詩人白楽天(白居…

蕎麦の花にも少年の日がなつかしい

山頭火ゆかりの種田酒造場跡地付近 <行き交う人々−ひと曼荼羅> <名代の蕎麦処「凡愚」を営む真野夫妻のこと>大阪の西端、澱江と別称された淀川の支流木津川と尻無川に挟まれた下町界隈で、沖縄出身者が多いことでも知られる大正区。 その東西に伸びる幹…

夏めいた月かげを掃く

「In Nakahara Yoshirou Koten」 <日々余話> お断り:この記事はエコー内グループ「エコー!ユーザー会」の掲示板に寄せた一文とほゞ同じものです。 <書くこと・読むことの倫理を> 言行為にはパロール(話す行為)とエクリチュール(書く行為)があるが、 つ…