2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

いつはりのつらしと乳をしぼりすて

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」―表象の森― 中西武夫嘗て、中西武夫さんという劇評家がいた。今は懐かし、ABCTVの長寿番組「部長刑事」の演出を1958(S33)年の第1話から第1513話までの間、なんと865本の演出を手がけた-Wikipedia参照-という人である…

髪はやすまをしのぶ身のほど

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−温故一葉− 岸本敏朗さんへ 寒中お見舞。 お年賀拝受。私儀、甚だ勝手ながら本年よりハガキでの年詞の挨拶を止めましたので、悪しからずご容赦願います。昨年は劇団創立50周年だったとか、さぞかし感慨深く、また、…

わがいほは鷺にやどかすあたり

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−表象の森− 多和田葉子とRASENKAN螺線館の嶋田三朗が市川ケイととりのかなの「三人関係」で活動の場を世界へと求めて旅立っていったのは89(S64)年からで、もうかれこれ20年になる訳だ。 昨夕、その嶋田君と市川さん…

日のちりちりに野に米を刈

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」<連句の世界−安東次男「芭蕉連句評釈」より>「狂句こがらしの巻」−06 朝鮮のほそりすゝきのにほひなき 日のちりちりに野に米を刈 正平次男曰く、散散ならチリヂリだが、物の縮むさま、日の薄れるさまを表す副司な…

朝鮮のほそりすゝきのにほひなき

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−世間虚仮− 弱り目に‥‥鬼の霍乱(?)といえば、ウンウンと唸って床に臥せっている者に対してあまりにつれないか。 イヤ、困った。とうとう連れ合い殿がインフルエンザに罹ってしまった。 京都のアルティ・フェスを間…

かしらの露をふるふあかむま

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−温故一葉− 外磯定光君へ 寒中お見舞い。 お年賀拝受。遅ればせながら、貴家ご一同、さぞ宜しき新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。 私儀、甚だ勝手ながら本年よりハガキでの年詞の挨拶を止めましたので、悪…

轍ふかく山の中から売りに出る

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」 轍ふかく山の中から売りに出る山頭火、昭和9(1934)年2月初旬の句。 故郷近く小郡に結んだ其中庵の暮しも2度目の新春を迎えてまもなくだ。 庵の近くを歩いた際に見かけたか、雪も積っていよう山深い里から重い籠を背…

有明の主水に酒屋つくらせて

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」<連句の世界−安東次男「芭蕉連句評釈」より>「狂句こがらしの巻」−03 たそやとばしるかさの山茶花 有明の主水に酒屋つくらせて 荷兮 次男曰く 起承転結は造化の理である。その「転」にあたる「第三の句」を「長(タ…

いちりん挿の椿いちりん

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」 −表象の森− 一輪挿しの椿ひさしぶりに山頭火の句を表題に掲げた。 <連句の世界−>を掲載しないときには、山頭火に返り咲いて貰おうという次第だ。 句集「其中一人」に所収されている昭和8年の句。 念願の庵を得て…

たそやとばしるかさの山茶花

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−温故一葉− 内海辰郷君へ寒中お見舞い。 さすがに大寒、このところ冷え込み厳しく、山里近くの箕面はちらほらと雪も舞ったのではありませんか。 年詞に代わるFPレター拝読、充実のご活躍と見受けられ、誠に慶賀の至…

狂句こがらしの身は竹斎に似たる哉

Information「ALTI BUYOH FESTIVAL 2008」−表象の森− 連句の世界塚本邦雄による、曰く「白雉・朱鳥より安土・桃山にいたる千年の歌から選りすぐった」とされる「清唱千首」-冨山房百科文庫-から、毎回2首を採りだし邦雄の解説とともに書き留めてきたのも500…

明日よりは志賀の花園まれにだに‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 鳥越修二君へ 寒中お見舞。 年賀拝受。私儀、甚だ勝手ながら本年よりハガキでの年詞の挨拶を止めたので、悪しからずご容赦。 斯様に年詞ばかりの往返となってもう20年ほども経つのだろうか。 そういえば…

たちどまれ野辺の霞に言問はむ‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 時夫兄へ 寒中お見舞。 「美ら海」公演、盛況裡に無事終えられたことと推察、お疲れさまです。 師走の会合では相も変わらず同胞寄れば乱調を呈する倣い未だ修まらず、またしても不興を買ったようで恐縮の…

根にかへるなごりを見せて木のもとに‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−表象の森− 客観が動く吉本隆明が「思想のアンソロジー」(P21)で「イエスの方舟」の千石イエスが使った表現として言挙げしている。 以下、吉本の解説に耳を傾ける。「鮮やかに耳や眼にのこる独特な、水際だった言葉…

ながめやる外山の朝けこのままに‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 三好康夫さんへ 寒中お見舞い申し上げます。 お年賀拝受。私儀、甚だ勝手ながら本年よりハガキでの年詞の挨拶を止めましたので、悪しからずご容赦願います。昨夏は、神戸学院Green Festivalの「山頭火」…

あさましや散りゆく花を惜しむ間に‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 旧師河野二久さんへ 寒中のお見舞いとともに年詞に代えて一筆啓上申し上げます。 一昨年の九条南小同窓会以来ご無沙汰しておりますが、恙なくご壮健にてお過ごしのことと推察、またご趣味の版画のほうに…

霞めただ朧月夜の別れだに‥‥

思想のアンソロジー作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見るInformation「Arti Buyoh Festival 2008」−表象の森− 乞骸骨表吉本隆明の比較的最近の著書に「思想のアンソロ…

暮れぬべき春のかたみと思ひつつ‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−世間虚仮− 地球儀回収騒動触れるとその国の地理や文化などを音声案内する高機能地球儀なる学研トイズの「スマートグローブ」やタカラトミーの「トーキンググローブ」の回収騒ぎやら販売中止で話題になっている。 問…

さだかにぞ寝覚めの床に残りける‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 河東けいさんに年詞に代えて一筆啓上申し上げます。 お年賀拝見致しました。老いて益々意気盛んと、大先輩に向かってそんな形容をしては失礼千万なのでしょうが、毎年ご年詞に記されたご活躍ぶりを見るに…

はかなさをほかにも言はじ桜花‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−表象の森− 賢治の緊那羅と四次元時空先ずは岩波の仏教辞典を引く。 「緊那羅」はサンスクリット語kinnaraの音写。 歌神、天界の楽師で、特に美しい声をもつことで知られる。もとインドの物語文学では、ヒマラヤ山の…

残りゆく有明の月の洩る影に‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− 同志社「第三」時代の先輩女性に年詞に代えて一筆啓上 お年賀拝受、懐かしい想いとともに昔の貴女の面影が去来しました。 甚だ勝手ながら本年よりハガキでの年詞の挨拶を止めましたので、悪しからずご容…

庭の面は埋みさだむるかたもなし‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−表象の森− 生命とリズム以下は東京大学出版会「非線形・非平衡現象の数理1−リズム現象の世界」書中の「2. 生命におけるリズムと確率共鳴」からの抜粋引用である。「太古においては、Circadian rhythm−概日周期−に同…

桜色の庭の春風あともなし‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−温故一葉− K師夫人にかえりみれば、学生時代より芝居に踊りにと、常人ならぬ世界に迷い込んだ所為でか、知友へ便りをするとなれば、公演などの際のお知らせ・お誘いのごとき、まことに味気ないものばかりで、私信の…

瀧の水木のもと近く流れずば‥‥

Information「Arti Buyoh Festival 2008」−世間虚仮− ‘07 逝き去りし人々昨年の物故者たち一覧−毎日新聞12/31付−を見つつ。 ‘70(S45)年の「よど号」ハイジャック事件の元赤軍派メンバー田中義三(58歳)が1月1日死去している。 田中は’96年偽ドル事件容疑でカ…

−世間虚仮− 恥ずかしながら戊は、茂(ボウ)をその語源とし、草木繁茂して盛大なるをあらわす。 子は、孳(ジ)にして、ふえるの意、新しい生命の萌し、活気のはじめなり。 されば、平成戊子は、激動の始めとなるか、ならぬか。 InternetやMailがかほどに普及す…