2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

若葉めざましい枯枝をひらふ

「Lesson Photo in Asoka」より <身体・表象> −2 吉本隆明の<瞬間論>私たちがいま、<瞬間>という概念をつくりあげようとすれば、ある時間の流れを考え、同時にその流れが停まったときを考えることになる。 流れてしまった時間は過去で、まだ流れてこな…

能の位上らねば、直面は見られぬ物也

「Lesson Photo in Asoka」 風姿花伝にまねぶ−<13> 物学(ものまね)条々−直面(ひためん) これ又、大事也。 およそ、もともと俗の身なれば、易かりぬべき事なれども、ふしぎに、能の位上らねば、直面は見られぬ物也。 まづ、これは、仮了(けりょう)、その物…

わかれたままの草鞋をはく

「ニューヨークタイムズ紙面」より <風聞往来> <How Late Is Late?>JR西日本の脱線事故による死者が100人に達しようとしている。 28日午前0時過ぎ現在、97人の死亡が確認され、さらに一両目には8人が取り残されているが、 この車両からの生存者反応はな…

もう死んでもよい草のそよぐや

「迷宮のシンメトリー」より<行き交う人々−ひと曼荼羅> <行き交う人々>と題して、私の60年の生に縁深き人々について記していこうと思い立った。 生死の別なく、過去となった人も、現在につながる人も、さらにはなお未来においてある人も。 <久本勝巳君…

あんなに伸びて朝月のある空へ

「Lesson Photo in Asoka」より <言の葉の記> <たかんな−筍づくし> 筍が美味い季節。 筍、竹の子。古名を、たかうな、たかんな、ともいう。花山院の詠んだ歌の前書に −冷泉院へたかんな奉らせ給ふとてよませ給ひける、とあり 世の中にふるかひもなく竹の…

春風の扉ひらけば南無阿弥陀仏

「Asoka in Lesson Photo」より <日々余話> <岩崎玄龍の薩摩琵琶>昨日の4月24日、皐月も咲き初め薫風爽天に誘われるように一家三人連れ立って外出。 先ずは、Kaoruko初お目見えとばかり、地下鉄を利用して天王寺動物園へ。 三歳半ともなれば動物園参りも…

水のうまさを蛙鳴く

「地底旅行寄席」チラシ <風聞往来> <第61回地底旅行寄席>今月の地底旅行寄席の案内が届いた。 平成鳥の会という若手落語家たちが登場する。 開催要領は以下のとおり。日 時 4月26日(火) PM6:00開場、PM6:30開演 入場料 前売1000円 当日1500円 場 所 田…

まひまひしづか湧いてあふるる水なれば

「in ASOKA-Lesson Photo」 <四方の風だより> <四方館 Dance Cafe> 大阪の通天閣付近、天王寺界隈というか、新世界界隈というか、 フェスティバルゲートなる施設がある。 悪名高い大阪市の第3セクター事業における代表的失敗作の一つである。 最初から民…

寝床まで月を入れ寝るとする

<風聞往来> アインシュタイン没後50年記念 彼の命日に、世界平和へ光のリレーを アインシュタインの没後50年を記念して、 その命日(4月18日)に、光のリレーで世界中をつなげようというイベントをしている。 日本列島では、今夕20時から21時までの間、東か…

山からしたたる水である

「迷宮のシンメトリー」より <身体・表象> −1 「わたしが知らないのをわたしが知らないならば、わたしは知っているとわたしは思う わたしが知っているのをわたしが知らないならば、わたしは知らないとわたしは思う」 イギリスの精神科医、R.D.レインの<…

ふるさとは遠くして木の芽

「往還記Ⅱ-鬼小町」 <歩々到着>−5 明治34(1901)年7月、山頭火こと種田正一は、上京してすぐ、早稲田大学の前身、東京専門学校高等予科へ入学している。地方延着者たちの為の入学試験に合格して、この7月の入学となったようだ。時に数え20歳。 大学部の政治…

石仏しぐれ仏を撫でる

「保育園にあそぶ親と子ら」 <風聞往来> <国籍法違憲判決>旧態依然の日本の国籍法にひとつの風穴を穿つ判決が出た。 今月13日、東京地裁による、比女性の子に日本国籍を認めた判決だ。 この事例の場合、フィリピン女性と日本人男性は婚姻関係にないが、…

老木に花の咲かんが如し

「人麻呂伝説−鴨山」より 風姿花伝にまねぶ−<12> 物学(ものまね)条々−老人 老人の物まね、此道の奥義なり。 能の位、やがてよそ目に現るゝ事なれば、是第一の大事也。 およそ、能をよき程極めたる為手(シテ)も、老いたる姿は得ぬ人多し。 たとへば、木樵…

念彼観音力洞門をくぐる

「うしろすがたの-山頭火」より <古今東西> <柄谷行人のトランスクリティーク> 柄谷行人氏の「トランスクリティーク−カントとマルクス」を、とりあえずやっと一読した。 この書、著者自身曰く、ほとんど10年の間、この著作に取り組んできたという、力作…

また一枚ぬぎすてる旅から旅

<日々余話> <ヴァーチャル・キャラ & なりすまし>とうとう一週間のご無沙汰となってしまった。 それまでは三週近く、ほぼ毎日のように何かしら書いていたのに、 先週の我がブログは開店休業が続いてしまった。 なぜリズムが狂ったのか、心あたりは二つあ…

ふりかへるふるさとの山は野は暮るゝ

「MANAS」より <風聞往来> <戦後60年、語り継がれるべきことひとつ> 4月3日付、毎日新聞の読者投書欄「みんなの広場」に、 「戦後60年‥‥今も自責の日々」と題する一文があった。 86歳の男性である。以下要約。 昭和20年3月、私は横須賀の空技厰にて航空…

花ぐもりの窓から煙突一本

「鬼小町」より <世間虚仮> <4月29日は「昭和の日」に、 5月4日が「みどりの日」に、−の不快> エイプリル・フールの冗談噺であってくれれば良いのだが、 昨日、どうやら本気で衆議院の可決をみたらしい。 平成元年の制定以来これまで「みどりの日」で親…

石ころに夕日しむのみ鳥も来ず

<エコログのなかのある対話から−その7> 四方館不動心というのがあるよね。 動かざること山の如し、とか、硬くて石のようなものなんかじゃなくて、 森羅万象、なんでもそのままに、万華鏡のように映し出して、いろんな模様にさざなみ立つ水面のような、 或…