2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

それもなほ心の果てはありぬべし‥‥

−表象の森− いじめ自殺月刊「文芸春秋」の1月号などと遡って買い求めたのは、「いじめ自殺」について吉本隆明が小文を寄せているというのに食指が動いたからだ。 「いじめ自殺、あえて親に問う」と題された掌編の中で、吉本はハッとさせられるような大胆な言…

里は荒れて燕ならびし梁の‥‥

−世間虚仮− 市岡、単位制に大阪府教委による公立高校の再編整備のなかで、市岡が単位制高校へと09年度までに移行することが決まったようだ。 そういえばこの春から学区再編で従前の9学区制から4学区制へと変わり、おまけに前期・後期の入試があったりで、新…

声高しすこし立ちのけきりぎりす‥‥

−世間虚仮− 信州子連れ旅子どもが5.6歳ともなってくると、気ままな旅もどうしても子どもを軸に動かざるをえない。 それほど重症ではないのだが、日々、アトピー性皮膚炎と闘う幼な児には、なによりも空気清澄にして涼風爽やかなのがよかったとみえて、先週の…

きりぎりす夜寒に秋のなるままに‥‥

−世間虚仮− 古民家の宿お盆も過ぎたというのに炎熱地獄の続く都会を逃れ、3日間という束の間ながら涼を求めて信州に遊んできた。 宿泊先は信州でもめずらしく観光資源らしきものはまったくないような山村の中条村。人口は一昨年の国勢調査時点で2593人。平成…

三日月の秋ほのめかす夕暮は‥‥

−表象の森− 定家の「よそ」今日は定家忌だそうな。 仁治2(1241)年8月20日に崩じたとされる藤原定家は享年80歳。但し旧暦であるから現在の歴に直せば9月26日ということになる。 塚本邦雄によれば、定家の詠んだ歌には歌語としての「よそ」が多用されていると…

時雨とはちくさの花ぞ散りまがふ‥‥

−世間虚仮− 北朝鮮無残我が国では8月に入ってから記録破りの猛暑つづきだが、その太平洋高気圧の煽りを受けてかお隣りの朝鮮半島ではこれまた記録的な集中豪雨が続いた。 とりわけ金正日独裁の北朝鮮では疲弊しきった国土に追い打ちをかける大災害となったよ…

いにしへを昨日の夢とおどろけば‥‥

―世間虚仮− お盆のプール通いお盆だというのに猛暑がつづく。北海道も連日の記録的な暑さだそうだ。札幌では4日連続で沖縄の那覇を上回る気温だという。 幼な児の通う保育園は13.4.5と三日間お盆の休みだが、連れ合いは変則勤務で14日のみで、その代わり来週…

花もみぢ見し春秋の夢ならで‥‥

−表象の森− ふたたび「海の幸」「雲ポッツリ、又ポッツリ、ポッツリ! 波ピッチャリ、又ピッチャリ、ピッチャリ! 砂ヂリヂリとやけて 風ムシムシとあつく なぎたる空! はやりたる潮!」 明治37(1904)年7月、東京美術学校を卒業した青木繁は、同郷の詩人高…

昔見し蛍の影はなにならで‥‥

−世間虚仮− 倒産大幅増戦後最長の好景気というのに、近畿2府4県の6月の倒産件数が281件、前年同月比58%増と、件数において大幅増だが、一方負債総額は7ヶ月連続で1000億円を下回っているという。大手を中心に景気は相変わらず堅調に推移しているとされつつ…

−表象の森− 青木繁「海の幸」ここ3週間ばかりか、一枚の絵に、といってもナマのではなく画集の中の一枚にすぎないのだが、新しきOriginの底深い根の部分をめぐって、ともかくも心囚われて逍遙することしきりであった。 維新から文明開化を経て日清・日露の国…

世々を見し夢のおもかげ立つ塵の‥‥

−世間虚仮− 8・8の悲喜劇秋立ちぬ。 今日8月8日は算盤の日でもあるそうな。心は「8・8−パチパチ」とか、昭和43(1968)年に全国珠算教育連盟が制定したとされるが、この手の駄洒落・語呂合せで成る記念日の多いこと。 因みに「こよみのページ」で紹介されてい…

夜もすがら心のゆくえ尋ぬれば‥‥

写真は、棟方志功「釈迦十大弟子」より「阿難陀の柵」−表象の森− 釈迦十大弟子の十、阿難陀阿難は阿難陀とも、多聞第一となり。 釈尊と同じ釈迦族の出身で、釈迦の従弟といい、提婆達多の弟とされるが、異なる諸説あって判然としない。 彼は侍者として25年の…

今朝見れば遠山白し‥‥

−世間虚仮− 同窓会の案内文書市岡15期同窓会の幹事会で同窓会館に集まった。昨日のことだ。 60も過ぎればみんなだんだん閑になってきたとみえて、このところ出席者も増えてきて23名という大所帯。 にぎやかなこと結構このうえないが、そのぶん意見の取り纏め…

潮満てば野島が崎のさ百合葉に‥‥

−世間虚仮− 防火管理講習とか昨日と今日の二日間、防火管理講習の受講のため阿倍野防災センターに通っていた。 今のマンションに移り住んでからたしか10年目になるかと思うが、入居時の抽選で順番の決まっていた管理組合の理事の役目がとうとうわが家にお鉢…

うち忘れはかなくてのみ過ぐしきぬ‥‥

写真は、棟方志功「釈迦十大弟子」より「蘿窓路浦の柵」−表象の森− 釈迦十大弟子の九、羅候羅羅候羅は密行第一、また学習第一となり。 釈尊の実子とされる羅候羅の誕生には諸説あって定かではない。 羅候羅(ラゴラ)はサンスクリット語Rahula(ラーフラ)の音写…

人住まぬ不破の関屋の板びさし‥‥

写真は、棟方志功「釈迦十大弟子」より「優婆離の柵」−表象の森− 釈迦十大弟子の八、優婆離優婆離は、持律第一となり。 乃ち、戒律を厳守するに殊に優れてあった。釈尊が入滅してまもなく行われた初めての結集(=第1回経典編集会議とでもいうべきか)において…