2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

日を寒み氷もとけぬ池水や‥‥

−表象の森− 四季と美意識と -1-和歌や連歌には季と題があり、俳句には何千何万の季語がある。 四季の変化に富むわが風土にあって、われわれの祖先たちの美意識は春夏秋冬の別、季節の移ろいと密接に絡み合っている。 俳句歳時記の泰斗であった山本健吉は嘗て…

軽の池の入江をめぐる鴨鳥の‥‥

−世間虚仮− ネパールにPKO国連の安保理が23日、「UNMIN−国連ネパール政治支援団」を設立、派遣する決議案を全会一致で採択した、という。 10年余続いてきた内戦状態も、昨年11月の和平協定で終止符がうたれ、政府軍とマオイスト双方が、国連の監視のもと武器…

風をいたみ刈田の鴫の臥しわびて‥‥

−世間虚仮− 8:948:94、なんの数字化といえば、 先進諸国と開発途上国における「乳児死亡率」の格差比だそうな。 UNFPA-国連人口基金-によれば、 生後1年未満で死亡する1000人対比が先進国では8人、 後進の開発途上国では94人、ほぼ12倍している訳だ。 理由…

初雪の降らばと言ひし人は来で‥‥

−世間虚仮− 政治家とタレント福島、和歌山と続いた官製談合事件による一連の知事辞任劇にともなう宮崎県の出直し知事選で、タレントのそのまんま東が、一本化ならず2候補による保守分裂となるなど既存政党らの迷走ぶりを尻目に他候補を圧倒、完勝した。新聞…

見し秋の尾花の波に越えてけり‥‥

−表象の森− 酔いの二重奏昨夜は久しぶりに浄瑠璃世界を堪能。 文楽の初春公演、そのチケットを2枚、知人の厚志にあずかり頂戴したので、夕刻より日本橋の国立文楽劇場へと出向いたわけだ。 友人のT君を誘ったのだが、初老男性ふたりが連れ合って、劇場の客席…

ぬばたまの黒髪濡れて泡雪の‥‥

−表象の森− くるみ座の解散劇団くるみ座が今年の3月でとうとう解散するという。 創立者の毛利菊枝が’01(H13)年に逝ってなお辛うじて命脈を保ってきたものの刀折れ矢尽きたもののようだ。 毛利菊枝といえば、昭和20年代、30年代、邦画界にあっては存在感ある…

道にあひて咲まししからに降る雪の‥‥

−表象の森− 脳と記憶のしくみ年が明けて今日まで、図書館からの借本はまだない。−今月の購入本− 「Newton 2月号/2007」ニュートンプレス 「Newton」2月号は脳科学の最前線から「脳のニューロンと記憶のしくみ」の特集に惹かれて。船橋洋一「ザ・ペニンシュ…

聞きわびぬ紅葉をさそふ音よりも‥‥

−表象の森− 北斎の「べろ藍」晩年の「富嶽三十六景」などで大胆なほどに多用された北斎の藍刷り。 通称「べろ藍」と呼ばれたその深みのある藍色の顔料は「プルシャンブルー」といい、そもそもはドイツで生まれたそうな。 「べろ藍」の「べろ」はどうやらベル…

月冴ゆる御手洗川に影見えて‥‥

−表象の森− 縹(ハナダ)の色歌詠みの世界として紹介している塚本邦雄選の「清唱千首」では、採られた歌にもまた解説にもよく縹(ハナダ)という言葉が出てくる。 古くから知られた藍染めの色名のことだが、藍色よりも薄く、浅葱色より濃い色とされ、「花田」と…

霜の上に霰たばしるいや増しに‥‥

−世間虚仮− 冬の嵐「冬の嵐」だそうな。 太平洋側を北上している低気圧と日本海を北上している低気圧が北海道付近でひとつに合流、台風なみの低気圧に発達するという。大阪でも昨夜半から間断なく強風が吹きすさぶ。夜中、配達のバイクを走らせていると突風…

葦辺行く鴨の羽がひに霜降りて‥‥

−表象の森− 和を継ぐものたち日本に固有のさまざまの伝統芸能にあるいは工芸の世界に生きる人々、 小松成美「和を継ぐものたち」小学館には22人の伝承の芸に日々研鑽する各界の人たちが登場する。 棋士、津軽三味線、篠笛、弓馬術、和蝋燭、薩摩琵琶、狂言、…

志賀の浦梢にかよふ松風は‥‥

−世間虚仮− 成長のリズム子どもの成長のリズムというものは個体差のはげしいものではある。 幼児から子ども(児童)へ、10月で満5歳となったわが家の幼な児のこの頃は、その過渡期の真っ只中にあるらしい。そこでは親と子の交わりようもどんどんその姿を変えて…

降り晴るる朝けの空はのどかにて‥‥

−四方のたより− 新年のごあいさつ十干十二支ひとめぐりして吾は三歳の幼な児なりき 恙なく新しい年を迎えられたでしょうか 本年もご高配のほど宜しくお願い致します「貧困の世襲化」 毎日新聞12月29日付「記者の目」欄 「06年に一言」連載にあった見出し語 …