2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

あかねさす昼はもの思ひぬばたまの‥‥

−表象の森− ひろさちや「狂いのすすめ」昨夜につづき、ひろさちや氏の近著についての追い書きである。 第1章の「狂いのすすめ」から、終りの4章は「遊びのすすめ」へと結ばれ、遊狂の精神こそ世間−縁−のうちに生きる人間の最良の智恵と説かれることになるが…

青駒の足掻きを早み雲居にそ‥‥

「狂い」のすすめ (集英社新書)作者: ひろさちや出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/01/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 53回この商品を含むブログ (91件) を見る−表象の森− ひろさちやその著書を読んだことがなくとも「ひろさちや」というこの仮名書…

わが恋は行くへも知らず果てもなし‥‥

−表象の森− リンゴの中を走る汽車 こんなやみよののはらのなかをゆくときは 客車のまどはみんな水族館の窓になる 乾いたでんしんばしらの列が せはしく遷ってゐるらしい きしゃは銀河系の玲瓏レンズ 巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる) りんごのなかをは…

鳥のこゑ囀りつくす春日影‥‥

−四方のたより− Green Fesのアンケート先の神戸学院大学での「山頭火」に対する観客のアンケートが参考までに主催事務局から送られてきた。 6件と意外に少ないが、短くも心のこもったメッセージに感謝である。◇「ひとりかたりは今回初めて観させていただきま…

わが恋は狩場の雉子の草隠れ‥‥

−世間虚仮− 消えゆく「連結机」机と椅子が一体化したいわゆる「連結机」が、大阪府下一円の府立高校に導入されはじめたのは、生徒急増期の昭和30年代だったそうな。 とはいっても、私の現役時代にはついにお目にかからなかったから、市岡ではもう少しあとの…

恋ひ侘びてながむる空の浮雲や‥‥

−表象の森− 「夜色楼台図」と「月天心」俳諧では若くして宗匠となるなどその文才を早くから発揮した蕪村だったが、絵画における熟達の道はなかなか険しかったようで、晩年に至るまでずいぶんと技法研鑽の変遷を経たようである。 その蕪村の遺した画群にあっ…

恋ひ恋ひてよし見よ世にもあるべしと‥‥

−世間虚仮− 堀本弘士君の自殺と災害共済給付金今年の正月を迎えてまもない1月早々の報道だったと記憶するが、昨年8月、いじめを苦に自殺した今治の中1生の、実名公表へ苦渋の選択をしたという祖父によって、あらためて事件の詳細を知ることとなったのだが、…

友恋ふる遠山鳥のますかがみ‥‥

―表象の森− フェノロサと芳崖1882(明治15)年、内国絵画共進会−第1回日本画コンクールとでもいうべきか−の審査員を務めたフェノロサは、「田舎の気違いおやじ」と揶揄されていた狩野芳崖の絵に「本会最大の傑作」と絶賛を惜しまなかった。 日本の伝統美術に惚…

むすぶ手の雫に濁る山の井の‥‥

悪人作者: 吉田修一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/04/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (307件) を見る―表象の森− 吉田修一の「悪人」「ブックレビューガイド」http://www.honn.co.jp/ というWebサイトがある。 …

思ひやれ訪はで日を経る五月雨に‥‥

−世間虚仮− Festival Gate 7月末閉鎖へDanceBoxことArt Theater dBもCOCOROOMも、とうとう7月末で姿を消すことになったらしい。 5月も末頃の記事だったか、新世界の「フェスティバルゲート民間売却へ」と大阪市が決定したことを報じていたが、 大都会のど真…

夏草の下も払はぬふるさとに‥‥

―表象の森− 若桑みどりの「フィレンチェ」RENOVATIO ROMAE−ローマの再生−古代ローマの子としての特別な運命を自覚した都市フィレンツェ。 中世からルネサンス最盛期へと、共和国都市としてあるいは先進商業都市として、ヨーロッパを牽引しつづけたフィレンチ…

五月山弓末振り立てともす火に‥‥

―四方のたより− 大文連詩文から美術・建築、音楽や演劇、大衆芸能や囲碁・将棋、出版に至るまで、およそ文化活動と呼びうる大阪府下を基盤とする団体を網羅した「大阪文化団体連合会」略して「大文連」は、1978(S53)年6月の結成というから以来30年になろうと…

牡鹿待つ猟夫の火串ほの見えて‥‥

赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由作者: ニコラスハンフリー,Nicholas Humphrey,柴田裕之出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2006/11メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 92回この商品を含むブログ (44件) を見る−表象の森− N.ハンフリーの「赤を見る…

松の花花数にしもわが背子が‥‥

−世間虚仮− ネパールやインドの子どもたち昨日から毎日新聞の朝刊で「世界子ども救援キャンペーン」の一環として、ネパール・インドで過酷な労働に従事する貧困家庭の子どもたちの様子が報じられている。 昨日の記事は、鉄鉱石やマンガンを産出するインド南…

燃ゆる火の中の契りを夏虫の‥‥

−世間虚仮− 27㍍も歩けない?昨日、どのTV局だったか、ニュースワイドの番組で、「金正日が、休まないことには27㍍も歩けないほどに体調悪化を呈している」といったことを報道していたのが耳についた。 21世紀の今日にあって稀代の帝王暮らしをしている贅沢…

ほととぎすわれとはなしに卯の花の‥‥

−表象の森− 若冲の「野菜涅槃図」京都相国寺の承天閣美術館で開かれていた若冲展をとうとう見逃してしまった。 若冲が、父母と自身の永代供養のためにと、相国寺へ寄進奉納した「釈迦三尊像」と、いつの頃からか皇室御物となり、現在は宮内庁三の丸尚蔵館所…

うなゐ子がすさみに鳴らす麦笛の‥‥

−四方のたより− Thank you,Green Fes.昨日、久方ぶりの山頭火上演も無事終了。 リハ、本番と重ねるとさすがに心身疲労、第2神明大蔵谷からの復路の運転はさすがに少々きつかった。 とはいえ、良い機会を得たことには大いに感謝しなければならない。 伊藤茂教…

ほととぎす寝覚めに声を聞きしより‥‥

Information 林田鉄のひとり語り<うしろすがたの−山頭火>−表象の森− Spiritual Art「コルベールの世界」先日、「DAYS JAPAN」6月号の「慰安婦100人の証言」特集を紹介した。 その巻末には、野生動物と人間との夢幻ともいいうるような交流を描くグレゴリー…

近き音もほのかに聞くぞあはれなる‥‥

Information 林田鉄のひとり語り<うしろすがたの−山頭火>−世間虚仮− 弁護士櫛田寛一の快挙昨夕の新聞、一面トップの見出しを見て驚いた。 抵当証券による大和都市管財の巨額詐欺事件で、被害者弁護団が元大蔵省近畿財務局の監督責任を問い、国家賠償を求め…

ほととぎすこよ鳴き渡れ‥‥

Information 林田鉄のひとり語り<うしろすがたの−山頭火>−世間虚仮− 田神天狗昨日の朝、ひょいと起ち上がったとき、ギックリ腰になりかけた。坐骨から右腰、大腿部にピリリときたのだ。 一瞬の隙でもっと大変なことになりかねないところだったが、それはど…