2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ぬかるみ、こゝろ触れあうてゆく

−表象の森− 書の宇宙と、舞踊とどうやら今年しばらくは、書家石川九楊の著書群を渉猟することに明け暮れそうな気配である。 いまのところ「一日一書-02-」と「書の終焉-近代書史論-」の二書を読了してまもないばかりなのだが、その書論・技法論は、私などにす…

恋猫の声も別れか

−日々余話− Soulful Days-31- 検察、現場検証へ12月中には出されるであろうと期待された大阪地検の審判-甲乙運転手への刑事処分-は、結局は音沙汰なしのまま年が越され、はや1月も大寒を過ぎ月末を迎えようとしている。この間、こうまで結論を長引かせるのは…

ひとりにはなりきれない空を見あげる

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-27- 1月23日、雨、曇、何といふ気まぐれ日和だらう。夜、元寛居で、稀也送別句会を開く、稀也さんは、いかにも世間慣れた-世間摺れたとは違ふ-好紳士だつた、別れるのは悲しいが、それが人生だ、よく飲んでよく…

酔うほどは買へない酒をすするのか

−表象の森− インド舞踊、って何だ!Odissi Danceの茶谷祐三子も加わったインド舞踊の会があるというので、連合い殿が土曜出勤のゆえ子連れながら京都まで観に行ってきた。会場は南禅寺近くの京都市国際交流会館内のイベントホール、200席余りの小ホールだ。…

ひとり住むことにもなれてあたゝかく

−世間虚仮− 強制収容20万北朝鮮で、政治犯20万人収容、の見出しが眼を惹いた。 記事によれば、あくまで韓国国家人権委員会による推定だそうだが、その殆どは生涯出所の可能性はないという。北朝鮮の総人口は約2300万人とされており、ほぼ100人に一人がこの軛…

風の音にも何やかや

−表象の森− 蒼海-副島種臣-の書石川九楊の曰く「副島は、紙面を外延しない限定空間として捉え、その中に社会や世界のうごめく姿を書として表出しているように思われる」と。また曰く「副島のは次々と転換し一筋縄ではいかない莫大な情報を盛り込んでいる。中…

日向ぼつこする猫も親子

Information – 四方館のWork Shop四方館の身体表現 -Shihohkan’s Improvisation Dance- そのKeywordは、場面の創出。 場面の創出とは そこへとより来たったさまざまな表象群と そこよりさき起こり来る表象群と、を その瞬間一挙に まったく新たなる相貌のも…

凩のラヂオをりをりきこえる

−日々余話− 寒さにゃ弱い寒い、寒い、今年一番の冷え込み。 泉北赤坂台に住む妹を訪ねた、その娘-姪-に少しなりともアルバイトになればと思って、岸本康弘君の詩集のデータ化の仕事を持って行ったのだが、家普請の通気がよい所為か、部屋に入っても寒い寒い…

霙ふるポストへ投げ込んだ無心状

−表象の森− 石川九楊「一日一書02」曰く、北魏石刻書の到達点、張猛龍碑の。横画の間隔が詰まり、長い左はらいの勇壮な字。右上部は石の欠落。曰く、小野道風の智證大師諡号勅書の。柔らかい筆先が穏やかに紙面を撫でるように進む婉曲の書きぶりは、女手-平…

ぬかるみをきてぬかるみをかへる

−日々余話− ウツ、ウツ‥昨日から鬱々としっぱなし。 まさに身から出た錆、自身の失態から連合い殿にいたくショックを与えてしまったのだから、弁解の余地もなくただしょげかえるしかない。もう2.3ヶ月も前になるだろう、PCのHard Discに動画の記録がずいぶ…

何か捨てゝいった人の寒い影

−日々余話− たかが一枚の写真、されど‥昨日、逝き去りし人々を綴りながら思い出したことなのだが‥。森繁久弥が96歳の大往生を遂げたのは11月10日だったが、政府官邸は故人に国民栄誉賞を贈ることを決め、その表彰式が暮れも押し迫る頃に執り行われたという記…

一把一銭の根深汁です

−日々余話− 逝き去りし人々これまた遅まきながら、昨年に物故された人々の一覧から気の向くままに列挙してみる。1月30日、長年月のシベリア抑留経験を持つ文学者内村剛介は享年88歳だった。2月になると、2日に長距離打者として長島・王に先行して活躍した山内…

雪もよひ、飯が焦げついた

−四方のたより− 三が日も過ぎて、写真の如く、やっと年詞啓上―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-17- 1月13日、曇、今日もまた雪でも降つて来さうな。苦味生さんから、方向転換の手紙が来た、苦味生さんの気持は解る-苦味生さんに私の気持が解るや…

凍テ土をひた走るバスも空つぽ

−四方のたより− 離島のご来光冬の八重山諸島は どんよりと厚い曇に覆われて 海も荒れ模様つづきの小旅行だったが 旅も終わりを迎えた元日の朝 此処は小浜島の、とあるホテルのレストラン どうした僥倖か 雲の切れた青空に ほのかに紅色を帯びて輝く太陽が や…