2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鶯よう啼いてくれるひとり

死者の書・身毒丸 (中公文庫)作者: 折口信夫出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/06/18メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 51回この商品を含むブログ (73件) を見る Information<四方館 Dance Cafe>―山頭火の一句―ほぼ1ヶ月ぶりの山頭火の一句。句…

屏風の陰にみゆるくわし盆

Information<四方館 Dance Cafe> <連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「梅が香の巻」−36 隣へも知らせず嫁をつれて来て 屏風の陰にみゆるくわし盆 芭蕉次男曰く、「陰にみゆる」と作ったところ、内祝言にふさわしい小道具のあしらい様で…

隣へも知らせず嫁をつれて来て

Information<四方館 Dance Cafe>―世間虚仮― ベン・ジョンソンからウサイン・ボルトへいまや旧聞に属する北京五輪の話題。 ウサイン・ボルトを筆頭に、強烈な印象を残したジャマイカ選手らの疾走ぶり。 陸上の短距離といえばこれまではアメリカの独壇場だっ…

未進の高のはてぬ算用

Information<四方館 Dance Cafe><連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「梅が香の巻」−34 千どり啼一夜々々に寒うなり 未進の高のはてぬ算用 芭蕉未進-みしん-の高-たか-次男曰く、「一夜々々に寒うなり」とは、寒さはこれから本番になる…

千どり啼一夜々々に寒うなり

−四方のたより− 装いも新たに、Dance CafeひさしぶりにDance Caféをしよう。丸2年のあいだ拠点としてきたFestival GateのCOCOROOMが強制的移転の憂き目に遭って、そのまま休眠してきたDance Caféを新しい場所でようやく再開することになった。地の利はとて…

魚を喰あくはまの雑水

―四方のたより― WFの灯9年前に鬼籍の人となった中島陸郎氏が専属プロデューサーとして‘93年3月の柿落し以来15年余、関西の小劇場演劇を支えつづけてきたWF-ウィングフィールド-、その小屋を閉館という港に向けます、と公言し、「ウィングフィールドをやめる…

どの家も東の方に窓をあけ

−表象の森− 身体-内-知覚へDigする昨日の稽古、中国の健身気功をよくする谷田順子さんに、Work Shopよろしく実習講座をしてもらった。気功を通して、それぞれのレベルにおいて身体-内-知覚をより高めるため、あるいは気功や太極拳でいうところの「気の流れ」…

なは手を下りて青麦の出来

―四方のたより― 返り咲き、お見事!今日-8/24-、箕面市では市長選と市議選の投票日だった。午後10時を過ぎたいま、Netでも開票速報が流されるとあって、箕面市選管のホームページを開きながら、これを綴っている。午後8時で締め切られた投票の、地域別投票…

法印の湯治を送る花ざかり

―温故一葉― カナディアンファームのみなさまへ前略 昨日、当方の忘れ物、宅配便にて受け取りましてございます。 大変お手数をかけ、また早々にお手配いただき、誠に恐縮の至りにて、心よりお礼申し上げます。それにしても、手作りの壮大な木の家の数々、大自…

又このはるも済ぬ牢人

−四方のたより− 記憶に残る小さな旅17日未明の出立から19日夜の帰宅まで2泊3日、ささやかながら久しぶりにいい旅だった。 家族に加えて道連れをひとり得たのが旅の全体を賑やかなものにしてくれた。お蔭で子どもはずいぶんHighな状態で3日間を過ごしたようだ…

はつ午に女房のおやこ振舞て

―四方のたより― 風の便り?毎日文化センターの講座紹介一覧に「絵沢萠子・楠年明の芝居教室」なる懐かしい名を見出し、いや驚いた。絵沢萠子とは豊満な年増女性を演じて日活ロマンポルノ全盛期を支えた脇役女優だが、私のよく知るのは松田友絵-此方は実名だ…

ひらふた金で表がへする

―世間虚仮― 映画「鳥の巣」小さな旅から帰ってきて、留守中の新聞を読んでいると、北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」ができるまでを描いたというドキュメンタリー映画に関して、坂村健氏が評している一文-「時代の風」-に出会ったが、この話題、紙面一杯…

門しめてだまつてねたる面白さ

―四方のたより― 3プラス1で‥今日から3日間-17〜19-、ちょいと小旅行に出かける、よって言挙げはお休み。 いつもなら家族3人だけなのだが、このたびはアッちゃんこと連合い殿の学生時代の演劇仲間を連れ立っての4人旅。アッちゃんは私もよく知るところの人、…

桐の木高く月さゆる也

世界の食料生産とバイオマスエネルギー―2050年の展望作者: 川島博之出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2008/05/23メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (7件) を見る―表象の森― 食糧危機は‥?川島博之「世界の食糧生産とバイオマスエ…

方々に十夜の内のかねの音

―世間虚仮― 駆引き上手?十三夜の月が近くのマンションの屋上から顔を覗かせ、やがてその全容をあらわした頃、TVでは女子柔道78?超級の決勝が始まっていた。塚田真希対中国のトウブン、試合を終始リードし最後まで積極果敢に攻めた塚田は、終了まぎわ、トウ…

こちにもいれどから臼をかす

―世間虚仮― 盆の風お盆である。 私は私で、連合い殿もまた子どもを引き連れて、おのおの実家へとお参りだ。 私のほうは朝からだから、早々と昼過ぎにはご帰還。彼女たちは午後から出かけたから帰りは夜の食事をお招ばれしてからだろう。 さすがに、この頃と…

江戸の左右むかひの亭主登られて

―表象の森― マルクスの疎外論 -承前-<A thinking reed> 吉本隆明「カール・マルクス」光文社文庫より・マルクスの全体系を辿ろうとする者は、たれも、彼の思想から三つの旅程を見つけることができるはずである。 ひとつは、宗教から法、国家へと流れくだる…

たゞ居るまゝに肱わづらふ

―世間虚仮― 北京五輪の陰で‥「田中宇の国債ニュース解説」によれば、 北京五輪開催の日のその朝、新しく建て替えられたアメリカの大使館開設式が、訪中したブッシュ大統領出席のもとに盛大に行われた、という。北京のこの新しい米大使館の規模は、復興中のイ…

東風かぜに糞のいきれを吹まはし

−四方のたより−「朗読×演劇」としての「夕凪の街 桜の国」一昨日、土曜日の午後は、連合い殿同伴で、谷町劇場-劇団大阪-にて観劇、「大阪女優の会」の朗読劇「夕凪の街、桜の国」である。数日前に送られてきた河東けいさんからの封書には、彼女自身書面に記…

門で押さるる壬生の念仏

―世間虚仮― 8.8.8がはじまって‥このところ新聞を開いても、どうもあまり詳しくは読む気がしない。例年のことだが、この時期はどうしても高校野球の報道が紙面を割く。今年はそれに加えて北京五輪がとうとう始まったから、それらスポーツ記事や関連ものばかり…

町衆のつらりと酔て花の陰

カール・マルクス (光文社文庫)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/03/14メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 26回この商品を含むブログ (27件) を見る ―表象の森― マルクスの疎外論<A thinking reed> 吉本隆明「カール・マルクス」光文社…

露を相手に居合ひとぬき

―表象の森― マルクスの挫折と転回何と、何を? われはあやまたずつきさす 血に染む剣を汝のたましひにつきさす、 神は芸術を知らず、神は芸術を尚ばず、 芸術は地獄の塵の中より頭に上り、遂に頭脳は狂ひ、心は乱れる、 われはそれを悪魔より授けられた。 悪…

はつ雁に乗懸下地敷てみる

―世間虚仮― 暑熱の中で天気予報では今日一日は猛暑も少しやわらぐと言っていたかと思うが、いやなんのその、暑い、暑い。そんななかを小一のムスメ殿は、学童保育ならぬ校内保育のイキイキ活動の遠足とかで、朝からウキウキルンルンとお出かけあそばした。こ…

こんにやくばかりのこる名月

―表象の森― 「関係論」−<うつ>という<関係>へ<A thinking reed> 吉本隆明「心的現象論-5」/「吉本隆明が語る戦後55年-11-」所収あらゆる枝葉を排除したあとで、人間の現存性を支えている根拠は<わたしは−身体として−いま−ここにある>という心的な把…

終宵尼の持病を押へける

―四方のたより― イシダトウショウのベケットを観た地下鉄花園町の最寄り、昼輭はカフェの小さなイベント空間があると、デカルコ・マリィから聴いていた。そこで偶々、CASOのイベントでお近づきになったイシダトウショウ君がS.ベケットの芝居をするというので…

ひたといひ出すお袋の事

―表象の森― 中国の山水、日本の山水<A thinking reed> 松岡正剛「山水思想」−「負」の想像力より:承前・山水タオイズム−逸民としての/道先仏後の思想−2世紀後半、後漢の桓帝時代、西域からの仏教伝来が動因となり、道が先で仏は後と、老子を釈迦に対抗さ…