2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋風になびく浅茅のすゑごとに‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「性関係はない」⇔「去勢不安」と「ペニス願望」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「性関係はない」⇔「去勢不安」と「ペニス願望」 ・性関係にはいかなる正解もない。 精神分析の経験とは、この「正…

身を秋の契りかれゆく‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「享楽」⇔「快原理の彼岸」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「享楽」⇔「快原理の彼岸」ラカンの「享楽」は、18世紀末にカントとサドによって方向づけられた「悪(苦痛)の中の幸福」という倫理的モ…

風吹けばただよふ雲の空にのみ‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し ◇年5億円、実態不明−国会議員のJR無料パス−公費負担の規定なし 成程、民営化前の国鉄時代は、負担を国鉄に押し付けていられたが、分割民営化されたJR各社にはそうもいかない。そこで利用実態に拘わらず、すこぶるアバウトな額が毎年…

草の葉に置き初めしより白露の‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「シニフィアン」⇔「エディプスコンプレクス」、「排除」⇔「棄却」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「シニフィアン」⇔「エディプスコンプレクス」 エディプスコンプレクスとはシニフィアンの導入…

秋よ今残りのあはれをかしとや‥‥

−世間虚仮− 恐れ入谷のSHINJO劇場曰く、涙の日本一、宙に舞う、大団円、号泣フィナーレ、日本一の花道‥‥。 昨夜の日ハムが中日を降した日本シリーズ、監督より先にチームメイトたちに胴上げされ、宙に舞った新庄剛志。 4月の開幕早々、今季限りと異例の引退…

夕暮の秋のこころを心にて‥‥

−表象の森− 新訳のG.バタイユ 光文社が今月より文庫版の古典新訳シリーズの出版をはじめた。 そのなかからさしあたりG.バタイユの「マダム・エドワルダ/目玉の話」を読んでみた。 成程、「いま、息をしている言葉で、もう一度古典を」とのキャッチフレーズ…

うす霧の籬の花の朝じめり‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し◇福島県、佐藤前知事を逮捕−9億7000万円収賄容疑 木戸ダム発注工事の談合事件−福島疑惑−で、知事実弟の企業所有地を時価を大幅に上回る高嶺で建設業者に9億7000万円で買い取らせたその代金を賄賂として認定したもの。◇京都府長岡京市…

花の色は隠れぬほどにほのかなる‥‥

−表象の森− セピア色した昭和30年代−「時の物置」劇団大阪公演、永井愛・作「時の物置」を、土曜日(10/21)のマチネーで観た。 永井愛はこの10年、紀伊国屋演劇賞や岸田戯曲賞、読売文学賞など、各戯曲賞を総なめにするほどに評価も高い、今もっとも脂ののっ…

秋を世にわれのみしをる心とや‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「事後性」⇔「心的外傷」、「象徴界」⇔「偶然はない」、「構造主義」⇔「進化論」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「事後性」⇔「心的外傷」 ・「事後性」−「シニフィアンの遡及作用」 ラカンは、シ…

暮れはつる尾花がもとの思ひ草‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し◇北朝鮮核実験、金総書記に中止要請−訪朝の唐国務委員(前外相)が中国胡錦涛国家主席の意向伝達◇対北朝鮮制裁、日米と韓 溝埋まらず−日米韓外相会談、ライス米国務長官・麻生外相と韓国外交通商相◇ディープから薬物、凱旋門3着取り消…

夢かさは野べの千草の面影は‥‥

−表象の森− はじまりのひろがり はじめからやりなおすことの利点。 はじまりの地点にはひろがりがある。 どの方向でもいい。最初の枝とおなじ方向にすすむとしても、 それはおなじ流れをつくらない。ちがう時間がちがう流れをつくり、 前の流れからいつかそ…

ふるさとは浅茅がすゑになりはてて‥‥

−表象の森− 「塔に幽閉された王子」のパラドックス「三島由紀夫」とはなにものだったのか−橋本治著−を少し前に読んだ、 文庫にして470頁余とこの長大な三島由紀夫論は、三島の殆どの作品を視野に入れて、堂々めぐりのごとく同心円上を螺旋様に展開して、作家…

幾夜経て後か忘れむ散りぬべき‥‥

−世間虚仮− 今朝の見出し ◇意識不明 6時間放置−妊婦転送 18病院拒否−奈良 分娩中に意識不明に陥った妊婦に対し適切な処置ができず、受入れ先を打診した18病院にも拒否され、県外60キロの吹田市にある国立循環器病センターに収容、脳内出血と帝王切開の手術を…

忘れずよ朝浄めする殿守の‥‥

−四方のたより− 行き交う人びと−河野二久物語河野二久とは小学校時代の恩師である。5年と6年の担任だった。当時のことだから旧師範を出た若い先生で、26.7歳だったであろうか。来春早々の誕生日で満77歳になるというので、このほど喜寿を寿ぎ同窓の集いをす…

ものおもはでかかる露やは袖に置く‥‥

−表象の森− 「津島家の人びと」津島家とは太宰治(本名-津島修治)の実家である。あの斜陽館は太宰の父・津島源右衛門が明治40(1907)年に当時の贅を尽くして建てた邸宅だ。 「津島家の人びと」(ちくま学芸文庫)は、1868年の明治維新を遡ること100年ほど、金貸…

かひもなし問へど白玉乱れつつ‥‥

−世間虚仮− 同窓会二題今朝、やっと小学校時代の同窓会案内を郵送した。 高校(市岡高校15期)の同窓会案内を作り送付したのは先月の下旬だった。此方の開催は12月3日でまだまだ先のことだけれど、従来の趣向を変えて些か取組み難いバスツアーとしたので、極力…

起きわびぬ長き夜あかぬ黒髪の‥‥

−表象の森− フロイト=ラカン:「主体」と「自我」、「鏡像段階」と「ナルシシズム」 ――Memo:新宮一成・立木康介編「フロイト=ラカン」講談社より 「主体」⇔「自我」 ・社会的存在としての人間は、言語の場である象徴界−大文字の世界−において自らを確立し…

萩の露けさも干しあへぬ袖にしも‥‥

−四方のたより− 脱皮せよ、松浦ゆみ歌手松浦ゆみのデイナーショーにお招ばれしていたのでヒルトン大阪に行ってきた。 従来、客の立場で観たことはなかったから、観ながらいろいろ考えさせられた。 本来はポップス、それもオールディーズポップスを得意レパー…

秋萩をいろどる風は吹きぬとも‥‥

−表象の森− 他者による顕身前回(10/2)、「顕つ/顕われる」という語について書いた。市川浩が著わした「現代芸術の地平」には、「他者による顕身」と題された、演出家・鈴木忠志の方法論的根拠によく肉薄した一文がある。「顕身」なるコトバもまたいずれの…

夜半に鳴く雁の涙はおかねども‥‥

−四方のたより− 朝刊配達を「行」としてみるか 早朝、というよりは深夜の2時25分、いつものように携帯のアラームが鳴った。 今日はいつになく身体が重くけだるい。そういえばこの二、三日はとくに寝不足だ。 身を起こそうとするがすっと力が入らない感じ。右…

人はいさわれは春日のしのすすき‥‥

−世間虚仮− 蔓延する偽装請負に事業停止平成11(1999)年12月の改定施行で、従来の職種制限を取っ払ってしまい、港湾運送業務・建設業務・警備業務・医療関係業務の4つを除き原則自由化された「派遣業法」は、さまざまな業種のなかで、実態は派遣労働にすぎな…

あはれさもその色となき夕暮の

−表象の森− 顕つ/顕れる「歌詠みの世界」として紹介している塚本邦雄の「清唱千首」では、「顕」という字に送り仮名して「顕つ−タツ」、や「顕れる−アラワレル」の語がよく用いられている。 すでに紹介したなかからざっと列挙すれば <顕つ> 「恋い祈れば…