2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

朝夕に花待つころは思ひ寝の‥‥

−世間虚仮− 吾れは思案投げ首、幼な児は溌剌元気印4日ぶりの言挙げである。 このところ書くことが疎かになっているのには二つばかり理由がある。 その一つは、近頃読んだ蔵本由紀著の「非線形科学」(集英社新書)に自身の思考回路が乱れているからだ。 非線形…

木々の心花近からし昨日今日‥‥

−世間虚仮− ニュース三題「金大中事件」 34年前(73年8月)の金大中拉致事件は、当時の韓国大統領朴正熙の関与したものであろうとは事件直後から推測されていたことだが、昨24日、韓国情報院の調査委がKCIA犯行説を結論づける報告書を公開したことでその蓋然性…

野分せし山の木の間を洩る月は‥‥

−世間虚仮− 禁煙ならぬ「禁煙法」のすすめ10月1日からとうとう大阪市でも路上喫煙禁止条例が施行された。とりあえずの禁止地区は御堂筋全域と市庁舎付近一帯とか。やがて市内全域における路上禁煙となるのは時間の問題なのだろうが、喫煙者にとっては愈々肩…

影をだに見せず紅葉は散りにけり‥‥

−表象の森− 「KASANE ?-襲-」構想メモ京都 ALTI BUYOH FESTIVAL 2008への出演作品のために、とりあえずの。春ならば桜萌黄や裏山吹など、秋ならば萩重や女郎花など、襲(かさね)の色はこの国特有の美学だが、その美意識は蕉風俳諧の即妙の詞芸にも通じていよ…

もみぢ葉の流れてとまる湊には‥‥

−世間虚仮− 困った人々極私的な、あまりに極私的な私信だが、偶さかこんなものを綴ってみなければならない時もある。From TA > N君から メイルが2本入っているが、TAには意味不明。 貴君の翻訳 あるいは意見・感想をお願いする。> まずは、不足額が生じた経…

空見えて影も隠れぬふるさとは‥‥

−表象の森− 女性の地位近代化の明治期より封建制の江戸の社会のほうが女性の地位はむしろ高かった、と。 そんな一面があったということを宮本常一は「『日本奥地紀行』を読む」のなかでごく分かり易く説いてくれる。 戦後に改められた現行の戸籍制度ではなく…

ひとり寝る山鳥の尾のしだり尾に‥‥

−世間虚仮− ある投書新聞の投書欄などに触れることは滅多にないのだが、ふと胸を撃たれた感がしたので記しておきたい。 投書の主は63歳のご婦人、奇しくも私と同年だ。 彼女は、今年の初めに「毎日、ハガキを一枚書く」と決めた、という。少し過酷かと思った…

なれなれてはや有明の月の秋に‥‥

−世間虚仮− 郵政民営化とアムンゼン毎日紙面の「時代の風」に同志社の大学院で教鞭を執る国際経済学者の浜矩子が「郵政民営化の怪」と題し、世界で初めて南極点到達を果たしたノルウェーの探検家アムンゼンの故事を引きながら、この10月1日に民営化へと踏み…

かよひこし枕に虫のこゑ絶えて‥‥

イザベラ・バードの日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)作者: 宮本常一出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2002/12/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (29件) を見る −表象の森− 蚤とねぶた明治11(1878)年の6月から9月にかけて、東…

春の夜のみじかき夢を呼子鳥‥‥

−表象の森− ドストエフスキーの森「父−皇帝−神の殺害をめぐる。原罪の物語」とは亀山郁夫著「ドストエフスキー 父殺しの文学」上下本に記された帯のコピーだ。 上巻の帯裏には 「斧の重さか、それとも『神』の囁きか?‥‥罪の重さに正しく見あう罰の重さなど…

唐土もおなじ空こそしぐるらめ‥‥

−世間虚仮− 官邸のゴミ、テレビのゴミ政府の首相官邸に設置された、曰く「少子化」云々や「地域再生」云々、或いは「教育」「再チャレンジ」云々などなにやかやの政策会議が、雨後の竹の子のように作られて今や100を超えるとか。 首相か官房長官がトップを務…

山彦のこたふる宿のさ夜衣‥‥

−世間虚仮− 連休疲れ?体育の日は野分でもないのに秋には珍しい前夜からの激しい雷雨が残って終日悪天候。 7日の日曜に運動会など済ませておれば幸いだが、この日を文字通り予定していたところはみな順延になったことだろう。 週末や祝祭日などになるとこれ…

寝覚めする枕にかすむ鹿の音は‥‥

−表象の森− カンブリア紀の爆発−「眼の誕生」「カンブリア紀の爆発は、生命史の要をなす瞬間である」とはS.J.グールドが著書「ワンダフル・ライフ」の中で述べた言だが、5億4300万年前から5億3800万年前のほぼ500万年という生物進化上の年代的サイクルでいえ…

鶉鳴く真野の入江の浜風に‥‥

−世間虚仮− 親業の一日10月に入りやっと秋らしくなった。 昨日は連れ合いが休みを取って日頃はなかなか適わぬ子ども孝行とばかり久しぶりに遊園地行。 鈴鹿サーキットにあるモートピアなる遊園地へは今回で2度目、片道120?余、些か遠いのが難で2時間半ほどの…

さびしさの心のかぎり吹く風に‥‥

−表象の森− 追悼のざわめき劇場にわざわざ足を運んで映画を観るなどということはいったい何年ぶりであったろうか。この前に何を観たのか、いくら振り返っても思い出せないほどに遠い昔になってしまっている。 一昨日のこと、九条にあるシネヌーヴォへと出か…

葦辺ゆく雁の翅を見るごとに‥‥

−世間虚仮− 11万人の怒りと5万人の憂き目各行政の長や県議会をも巻き込んだ沖縄県民11万人の結集がとうとう政府文科省をも動かした。 戦争末期の住民集団自決が日本軍部による強制のものであったという厳正なる事実を歪曲させ、この記述を削除させた高校日本…

夕されば野辺の秋風身にしみて‥‥

−表象の森− 中野重治への召集すでに日本全土の都市という都市がB29の空襲でほぼ壊滅的な打撃を蒙っていた戦争末期、というより終戦も間近の、高見順「敗戦日記」の7月23日付に、 「中野重治の応召を聞く。ドキッとした。中野重治が‥? 四十二.三だ。」 と短…