2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

茶の買置をさげて売出す

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―表象の森― 読書三昧にはとおく‥60年代、70年代ならいざ知らず、80年代、90年代以降の現代美術の動向にはまったく不案内の身であれば、23人もの現代作家たちへのインタビューと精神科医独自の作家論が…

波の音たえずしてふる郷遠し

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」 ―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月30日の稿に9月30日、秋晴申分なし、折生迫、角屋 いよいよ出立した、市街を後にして田園に踏み入つて、何となくホツとした気持になる、山が水が、そして友が私を…

鯲汁わかい者よりよくなりて

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―表象の森― した、した、した‥彼の人の眠りは、徐-シヅ-かに覚めていった。 真っ黒い夜の中に、更に冷え圧するものの澱んでいるなかに、眼のあいてくるのを覚えたのである。 した、した、した‥、耳に…

お茶をくださる真黒な手で

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」−山頭火の一句− 昭和5年の行乞記、9月30日の稿に9月29日、晴、宿は同前-宮崎市.京屋- 気持ちよく起きて障子を開けると、今、太陽の昇るところである、文字通りに「日と共に起き」たのである、或は雨…

家のながれたあとを見に行

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―表象の森― 山頭火のepisodeひとつ先日、U君から届いた書面に、近況を知らせる文面とともに、山頭火の心暖まるほのぼのepisodeが添えられていた。語り手は山頭火と直かに交わりのあった大山澄太、詳細…

放ちやる蝗うごかない

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月28日の稿に9月28日、曇后晴、生目社へ。-宿は宿は同前京屋か- お昼すぎまで大淀-大淀川を東に渡ったところの市街地-を行乞してから、誰もが詣る生目様へ私も詣っ…

草を草鞋をしみじみさせるほどの雨

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月26日の項に9月27日、晴、宿は同前-宮崎市.京屋-、宮崎神宮へ。 今日は根気よく市街を行乞した、おかげで一日や二日、雨が降つても困らないだけの余裕が出来た。 …

僧都のもとへまづ文をやる

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―四方のたより― 岡本寺の彫刻たちと滝谷のほたる奈良明日香の岡本寺で、国内外の彫刻家17人の作品30点を集めた「飛鳥から奈良へ−国際彫刻展序章」が開かれている。平城遷都1300年の来年、奈良市で開催…

秋暑い窓の女はきちがひか

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月26日の項に9月26日、晴、宿は同前-宮崎市.京屋- 9時から3時まで、本通りの橘通を片側づつ行乞する、1里に近い長さの街である、途中闘牛児さんを訪ねてうまい水を…

馬がふみにじる草ははなざかり

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月24日の項に9月25日、雨、宮崎市、京屋 けふは雨で散々だつた、合羽を着けれど、草鞋のハネが脚絆と法衣をメチヤクチヤにした、宿の盥を借りて早速洗濯する、泣い…

晩の仕事の工夫するなり

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―四方のたより― You TubeDance Café のPhoto AlbumをVideoにしてYou Tubeにuploadしてみた。 まずはこの3月に行った<Reding-赤する>から。 所要時間9分30秒、お時間ある方はご鑑賞下さい。 <連句の…

芋虫あつい道をよこぎる

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月23日の項 9月23日、雨、曇、同前-都城市・江夏屋-8時から2時まで都城の中心地を行乞、ここは市街地としてはなかなかよく報謝して下さるところである。 今日の行乞…

きりぎりす薪の下より鳴出して

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―四方のたより― 飛んで火にいる高校時代の追憶と、ずっと後の舞台で縁のあった大津皇子や折口信夫の「死者の書」に描かれた中将姫伝説や當麻曼荼羅、その懐かしの二上山へ、連れ合いも久しぶりの休み…

旅のすゝきのいつ穂にでたか

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月17日の項に9月22日−晴、曇、都城市、江夏屋 7時出立、谷頭まで3里、道すがらの風向をたのしみながら歩く、2時間行乞、例の石豆腐を食べる、庄内町まで1里、また3…

どたりと塀のころぶあきかぜ

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―表象の森― 真と仮とのあいだ中国の古代歌謡、「詩経」の周南、漢江に、 「南に喬木あり 休 -いこ-ふべからず 漢に遊女あり 求むべからず」の詩句がある。南に喬木あり、とは女神出現の暗示である。喬…

霧島は霧にかくれて赤とんぼ

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月21日の項 −曇、雨、彼岸入、高崎新田、陳屋9時の汽車で高原へ、3時間行乞、そして1時の汽車で高崎新田へ、また3時間行乞。 高原も新田も荒涼たる村の町である、大…

寝処に誰もねて居ぬ宵の月

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―世間虚仮― ヤン坊マー坊50年夕方の茶の間、ご飯どきだから否やもなく眼に耳に入ってきた、あの天気予報のヤン坊マー坊が、今日まで生き延びて50年にもなるという。マンネリこそ長生きの秘訣、偉大な…

こんなにたくさん子を生んではだか

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 句は昭和5年の行乞記、9月20日の項に9月20日、晴、小林町-現宮崎県小林市-、川辺屋 夜はアルコールなしで早くから寝た、石豆腐-この地方の豆腐は水に入れてない-を1丁食べて、それだけ…

そつとのぞけば酒の最中

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」−四方のたより− 次は「海神別荘」とや眠い、怠い‥、身体が重い‥。 数日前、とうとう連合い殿に体重計にのって体脂肪チェックをされてしまった。数値はすでに肥満域に達していることを示していた。腹囲…

かなかなないてひとりである

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句―句は昭和5年の行乞記、9月17日の項に 行乞記: 9月18日、雨、飯野村、中島屋濡れてここまで来た、午後はドシャ降りで休む、それでも加久藤を行乞したので、今日の入費だけはいただいた…

上張を通さぬほどの雨降て

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」 ―世間虚仮― 近くて遠い、遠くて近い‥市岡15期会-高校の同期会-の久方ぶりの会合に出かけた。 席上、旧友の思いがけない死を伝え聞いた。Yはいわば幼なじみのようなものである。なにしろ幼稚園で一緒…

雲かげふかい水底の顔をのぞく

Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」―山頭火の一句― 同前、行乞記、昭和5年9月14日付の項に載る。山頭火は人吉の宮川屋に3泊し、町内を行乞して過ごした。 行乞記には、「9月16日、曇、時雨、人吉町行乞、宮川屋」とあり、日記の末尾には…

昼の水鶏のはしる溝川

―世間虚仮―Soulful Days-23- 後遺症に苦しむM昨年の9月9日の事故からもう9ヶ月が経とうとしている。 4月8日に地検を訪ねてから、その後、審理のほどがどうなったのか、その進捗ぶりを確かめるべく、先日、ほぼ2ヶ月ぶりに電話をしてみたら、なんと急な異動が…

旅のいくにち赤い尿して

―山頭火の一句―前回より10日ほど遡るが、行乞記、昭和5年9月14日付の項に載る。この日の宿は人吉町の宮川屋。「行乞相があまりよくない、句も出来ない、そして追憶が乱れ雲のやうに胸中を右往左往して困る」と書きつつ、熊本を出発するとき、これまでの日記…

空豆の花さきにけり麦の縁

―表象の森― 空豆の巻安東次男の「風狂始末−芭蕉連句評釈」による芭蕉の歌仙めぐりも、この「空豆の巻」をもって掉尾となる。「冬の日」所収の「狂句こがらしの巻」にはじまったのは昨年の1月20日、これまで9つの歌仙、316句を連ねてきたことになる。「猿蓑」…

投げ与へられた一銭のひかりだ

―山頭火の一句―行乞記、昭和5年9月24日付の項に載る。 山頭火はこの2日前より、都城の江夏屋に3泊している。町はお彼岸の賑わいであったらしい。 「或るカフェーに立つ、女給二三人ふざけてゐてとりあはない、いつもならばすぐ去るのだけれど、ここで一つ根…