2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

吃又と浮世又兵衛

<吃又と浮世又兵衛> ――2006.04.29記 浄瑠璃狂言「吃又−どもまた」のモデルが、「浮世又兵衛」こと江戸初期の絵師.岩佐又兵衛だったとは思いもよらなかった。 岩佐又兵衛については先頃読んだ辻惟雄「奇想の系譜」にも「山中常盤絵巻」などが採り上げられ、…

7年ぶりとなる神戸酒心館行であったが…

「葵上空間」と題された今宵の演目は 残念ながら瑕疵の目立つものであった とりわけお粗末だったのは 女性のシテ方が演じた、素面による演能だ 声も立たず、メリハリも効かず 姿も小柄に過ぎては、救い難いというモノ 素面による演能を、見世物として成らし…

愚にかへる

……苦行はつづく……<一茶と山頭火>−表象の森− 愚にかへる −2006.05.06記 春立つや愚の上にまた愚にかへる文政6(1823)年、数えて61歳の還暦を迎えた歳旦の句である。 前書に「からき命を拾ひつつ、くるしき月日おくるうちに、ふと諧々たる夷(ヒナ)ぶりの俳諧…

露の世は露の世ながらさりながら

この三、四日、果てしのないような資料整理に明け暮れている。 まだ、いつ終わるか見通しが立たない……一茶の、喜びも悲しみも ――2006.04.19記 這へ笑へ二つになるぞ今朝からは文政2(1819)年、「おらが春」所収。前書に「こぞの五月生れたる娘に一人前の雑煮…

腹立たしや、情けなや<愛国百人一首>

<愛国百人一首>をご存じか? ――2006.04.15記 身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留置かまし大和魂 吉田松陰 太平洋戦争のさなか、小倉百人一首に擬して「愛国百人一首」なるものが作られていたというが、吉田松陰の一首もこれに選集されたものである。 対米…

空騒ぎ!!「25年 大阪万博」

朝刊には「25年 大阪万博」と 夕刊にも「25年万博 大阪歓喜」と 一面に大きな見出しが躍っているが なんだか空騒ぎを揶揄するかのようにすきま風が吹きぬける感。 大阪に居ながら一度も足を運ばなかった70年万博 仮に2025年になお生きていたとしても、足を運…

<海神の馬> とジャポニズム

遅れていたきしもと学舎会報の送付作業を 偶々やってきたM君に託せたのは、予期せぬ幸運―― 宝塚へとわざわざ出向いてよかった、よかった〜〜<海神の馬> とジャポニズム=浮世絵の世界 −2006.05.04記 19世紀末のイギリスで活躍した絵本挿絵画家ウォルター・…