2008-01-01から1年間の記事一覧

いろふかき男猫ひとつを捨かねて

―世間虚仮― ‘08逝き去りし人々本年の物故者たち一覧を見つつ。今年の上半期は大規模な天災、5月、ミャンマーを襲った大型サイクロンと中国四川省の大地震、二つの自然災害報道が世界を駆けめぐった。下半期は地球規模の人災、9月のリーマン・ブラザーズ破綻…

伏見木幡の鐘はなをうつ

―四方のたより― 一年の垢落し昨日今日と、竹野海岸の民宿へと一年の垢落しとばかり蟹三昧に舌鼓の、一泊二日の小さな旅。昼前に家を発って、帰省の渋滞もなく順調すぎるほどの走行に、途中ゆったりと休憩もはさんで、午後4時には目的の宿に着いた。 北前館の…

元政の草の袂も破ぬべし

―四方のたより― 転位−関係のフォルムから空間のフォルムへ26日付の項で、即興において「場面の創出」こそめざされなければならぬ、と記した。 だが、この課題は並大抵のことで実現=肉化=するものではない。いわば我々四方館にとっては超課題にもひとしく、そ…

豆腐つくりて母の喪に入

Information-四方館DanceCafé「五大皆有響」- ‘08年を締括るeventも恙なく終え わざわざお運びいただいた方々及び関係者のみなさんに感謝。―表象の森― 近代文学、その人と作品 -8- 吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・島崎藤村と「春」 「春」には藤村…

露おくきつね風やかなしき

Information-四方館 Dance Café 「五大皆有響」-―表象の森― 即興における場面の創出Contemporary DanceとともにImprovisation Danceは、いまやPerformanceやDance Sceneとしては何処でも見られる世にありふれたものとなっているのだろうが、我が四方館の即興…

しづかさに飯台のぞく月の前

Information-四方館 Dance Café 「五大皆有響」-―表象の森― 近代文学、その人と作品 -7- 吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・志賀直哉と「暗夜行路」 なぜ、志賀直哉は大家と言われるのか? その理由は、日本文学には伝統的ともいえる家庭小説を書いて…

しづかさに飯台のぞく月の前

Information-四方館 Dance Café 「五大皆有響」-―四方のたより― 音合せリハさすがにMusicianたちが参加しての稽古は、気合いも入り充実して愉しい。 昨日は雨模様で出足こそ少し遅れたものの、踊り手たちと演奏者たちの揃い踏み、26日に向けて出演者全員揃っ…

をるゝはすのみたてる蓮の実

Information-四方館 Dance Café 「五大皆有響」-―四方のたより― 曽爾村の四季一昨日-19日-の金曜日から市岡13期で2年先輩になる中務敦行氏の写真展が開催されている。会場は本町にある富士フイルムフォトサロン。高校の写真部時代から数えて50年という節目を…

芥子あまの小坊交りに打むれて

Information-四方館 Dance Café-―四方のたより― 復調の兆し?PCの新機入替えからずっとリズムが乱れっぱなしでどうにもいけません。 読書もいっこう進まないし、ブログへの言挙げもままならぬ。 こうまで乱れたには、PCの所為ばかりではなく、他にも理由があ…

萱屋まばらに炭団つく臼

−四方のたより−‘08 Good-bye Event四方館 Dance Café Information in 弁天町市民学習センター 「五大皆有響」或は、Solo,Solo and Solo 2008 12/26 –FRI- open:PM7:00/見料:\1000 五大に皆響き有り 十界に言語を具す 六塵悉く文字なりまさに平成戌子は鳴動…

ことにてる年の小角豆の花もろし

―四方のたより― 80歳の初心「林田鉄さま 昨夜は、語りの舞台、楽しませて頂きました。 このごろやっと、舞台で自由に存在することの、楽しさと、怖さ(?)が見えてくるようになりました。 そのことと、役が求める“声”があることも‥‥。 かつて“巡礼”の時、耳に…

御幸に進む水のみくすり

―世間虚仮― 瀬戸内の島々毎日新聞の本日-12日-付朝刊7面、カラー版いっぱいに瀬戸内の離島マップと題された記事に思わず眼を奪われた。 瀬戸内海に浮かぶ大小727の島々、そのうち人が住む島は150近くだとされ、さらにその中で国の離島振興法の対象地域に指定…

泥のうへに尾を引鯉を拾ひ得て

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― ありがとうと自画自賛ある人曰く 「うしろすがたの山頭火… もはや「この人こそ山頭火である」という風情。 ああ、こういう人だったんだ。 いまそばにいる。 息の音がする、体の熱がわ…

乞食の蓑をもらふしのゝめ

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― 音波舎提供のCommon Café Liveいよいよ本番前日となってしまった。 とかく公演の準備などというものは演ずること以外に為すべきことが多すぎて、毎度のことながら近づくにつれ役者を…

骨を見て坐に泪ぐみうちかへり

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―表象の森― 近代文学、その人と作品 -6- 吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・萩原朔太郎と「月に吠える」 朔太郎の詩は、近代詩と現代詩の分かれ目に位置する。朔太郎によって現代詩の道は開か…

籠輿ゆるす木瓜の山あい

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― 転一歩たるかどうやら今度の山頭火上演-29、30日-は、私の役者人生、といっても一方で舞踊家であり、また劇活動においても概ね指導的立場に居たものだから実際の役者経験はずいぶんと…

たび衣笛に落花を打払ひ

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― Dance Boxの行方大谷燠率いるDance Boxの活動が、大阪から神戸へと、その比重を移しつつある。 震災復興の新しいまちづくりとして、文化創造の拠点づくりにも力を入れる新長田地区に…

我月出よ身はおぼろなる

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― うれしい便り -2-「山頭火」公演案内にともない、ちょっぴりうれしい便りがつづく。「うしろすがたの山頭火」−今回はどういう訳か、すぐに観てみたいと思いました。 かつての演劇仲間…

江を近く独楽庵と世を捨て

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―世間虚仮― アレルギー性喘息に朗報かアレルギー性喘息など気道過敏症の原因となる細胞を、理化学研究所がマウス実験で突き止めた、という。肺に多く分布するNKT細胞-ナチュラルキラーT細胞-にだけ出…

麻かりといふ哥の集あむ

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― うれしい便り先週は「山頭火」公演の案内送付と、会場のMULASIA近く、西区や港区に在住する知人らを訪ね歩くのをもっぱらとしたため、他のことはほとんど手につかずといった体だった…

なつふかき山橘にさくら見ん

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―表象の森― 近代文学、その人と作品 -5- 吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・折口信夫と「日琉語族論」 西欧的な言語年代学によると、7000年前頃まで遡れば日本-本土-語と琉球語は同じ所に行き…

庭に木曾作るこひの薄衣

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―表象の森― 近代文学、その人と作品 -5-吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・太宰治と「斜陽」 太宰治の作品が現在でもよく読まれ続けているのは、やさしい言葉で書かれているように見えて、本…

雉追ひに烏帽子の女五三十

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―世間虚仮― 阿呆か、定額給付金をめぐる迷走劇このところ私自身は、山頭火公演の案内書きに昼も夜もないありさまなのだが、 世界金融の崩壊の渦中にあって、この国の政府首脳たちは、就任早々の麻生…

茶に糸遊をそむる風の香

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―四方のたより― 同い年対談 in いたみネパールの岸本学校を支える「きしもと学舎の会」に新しい支援の輪が生まれようとしている。昨日の午後、車イスの岸本康弘を車に乗せてJR伊丹駅前のAI・HALL横の…

寂として椿の花の落る音

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」秋も深まりゆくころ 大阪にてはひさかたぶりの 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」 公演ご案内とともに ――― 「もりもりもりあがる雲へあゆむ」と最期の一句を遺し 行乞放浪の俳人山頭火が、…

漸くはれて富士みゆる寺

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―表象の森― 近代文学、その人と作品 -5-吉本隆明「日本近代文学の名作」を読む。・谷崎潤一郎と「細雪」 大阪船場の旧家に生まれた四人姉妹を描いたこの小説の構想は、谷崎自身現代語訳をしている「…

秋のころ旅の御連歌いとかりに

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」昨夜遅くから、このたびの山頭火上演のための、挨拶文づくりに着手、苦吟したが、漸く昼時前に成った。この一週間ほど早くせねばと些か焦り気味だったから、とりあえずやれやれだ。―表象の森― 近代文…

酌とる童蘭切にいで

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―表象の森― 日月山水図を観る天野山金剛寺に伝わる作者不詳の名品「日月山水屏風図」5月5日と昨日-11月3日-の二日のみ特別公開されるというこの名画を拝すべく、昼前からKAORUKOを連れて出かけた。途…

音もなき具足に月のうすうすと

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―世間虚仮― とうとう御陀仏か、ゆびとま?一昨日-10/31-の夕刻から、突然アクセスできなくなった「ゆびとま」と「Echo!」 Siteには「臨時メンテナンス中です。2008/10/31〜未定。進捗に変化があり次…

ひきずるうしの塩こほれつゝ

INFORMATION 林田鉄のひとり語り「うしろすがたの山頭火」―世間虚仮― 取り出し‘07年度から全国の小中校で完全実施されたという特別支援教育。 ADHD –注意欠陥多動性障害-やLD-学習障害-など、比較的軽い発達障害を含め、障害のある子どもを手厚くサポートす…