霧の朝日の葉ぼたんのかがやき

080209282

Information – 四方館の DANCE CAFE –’09 Vol.4-
出遊-二上山夢験篇-

あそびいづらむ-ふたかみやまゆめのあらはれへん-
Date :12/27 –Sun- PM2:30 Space : 弁天町市民学習センター

―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-09-
1月5日、霧が深い、そしてナマ温かい、だんだん晴れた。

朝湯へはいる、私に許された唯一の贅沢だ、日本人は入浴好きだが、それは保健のためでもあり、享楽でもある、殊に朝湯は趣味である、3銭の報償としては、入浴は私に有難過ぎるほどの物を与へてくれる。

次朗さんから悲しい手紙が来た、次朗さんの目下の境遇としては、無理からぬこととは思ふが、それはあまりにもセンチメンタルだつた、さつそく返事をあげなければならない、そして平素の厚情に酬ゐなければならない、それにしても、彼は何といふ正直な人だらう、そして彼女は何といふ薄情なひとだらう、何にしても三人の子供が可愛相だ、彼等に恵みあれ。

午後はこの部屋で、三八九会第1回の句会を開催した、最初の努力でもあり娯楽でもあつた、来会者は予想通り、稀也、馬酔木、元寛の三君に過ぎなかつたけれど、水入らずの愉快な集まりだつた、句会をすましてから、汽車弁当を買つてきて晩餐会をやつた、うまかつた、私たちにふさはしい会合だつた。

だいぶ酔うて街へ出た、そしてまた彼女の店へ行つた、逢つたところでどうなるものでもないが、やつぱり逢ひたくなる、男と女、私と彼女の交渉ほど妙なものはない。

自転車が、どこにでもあるやうに、蓄音機も、どの家庭にもある、よく普及したものは、地下足袋、ラヂオ、等、等。

※表題句の外、7句を記す

−四方のたより−「鎮魂と飛翔-大津皇子」二上山の章Scene.3
「霊のこだま」その2

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