星がまたたく草に寝る

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―四方のたより―

<日暦詩句>-8
檸檬絞り終えんとしつつ、轟きてちかき戦前・遙けき戦後<欧州の怪>ポケツトにふくれつつ真逆様に吊らるるズボン

甲虫の叛乱、つねに少年は支配者にして傍観者
   ―岡井隆「少年行」より-昭和36年


―山頭火の一句― 行乞記再び -141
5月28日、晴、船と電車、酒と魚、八幡市、星城子居。

星城子君の歓待は恐縮するほどだつた、先日来の心身不調で、ご馳走が食べられないで困つた、好きな酒さへ飲めなかつた、この罰あたりめ! と自分で自分を憫れんだ。
夜、いつしよに仙波さんを訪ねる、ここでも懇ろにもてなされた、お布施までいただいた。

葉ざくら、葉ざくら、友のなさけが身にしみる。
工藤君からハガキをうけとつたのはうれしかつた、伊東君からも、国森君からも。
私は、私のやうなものが、こんなにしてもらつていいのだらうか、と考へずにはゐられない。

※表題句の外、3句を記す<星城子について> 本名は飯尾由多加。八幡署に勤務していた警察官で剣道の達人。晩年の尾崎放哉とも交友が深く、「放哉居士消息」は、放哉が最晩年の1年間に星城子宛に書き送った138通にも及ぶ書簡集。

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Photo/山頭火句碑「水を前に墓一つ」、所在は北九州市八幡東区河内平原

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Photo/々「訪ねて逢へて赤ん坊生まれてた」、同じく八幡東区大蔵の或る酒屋の軒先に

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