夜のふかうして薬鑵たぎるなり

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―日々余話− 机越しに‥

我が家の居間、横に長い机に向かえば、壁一面に一間半の書棚。
その棚の一角を占めているのが三人の遺影。
中央に、’08年9月に事故で逝った娘のRyouko、その左右に我が両親。
仏壇はない、位牌もない、こうしてただ写真のみ。

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日々、机に向かえば、否やもなく三人の姿が視野の内に入ってくる。
机上の片隅には、友に貰った一輪挿し、その横に100均で買ってきた香台と線香立て。
毎々日課というよりは、気まぐれにまかせ、香を焚く。

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いま、一輪挿しには金魚草、この花、意外と保ちよく、なかなか枯れないでいる。


−表象の森− 「釜ヶ粼のススメ」

序章を含めれば全12章に、9つのコラムやイラストを散りばめ、歴史的・地理的由来にはじまり、外国人旅行者が集い闊歩するようになったゼロ年代風景まで、ドヤ街「釜ヶ粼」のまるごとを、多彩な顔ぶれの執筆陣で、手づくり感一杯にまとめられているのが良く、本書出版の意義を際立たせている。

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日雇い労働者の街、単身者の街、高齢化する街、福祉の街、観光の街と、多様に輻輳しながら変貌を遂げてきたその変遷は、’61年8月の第1次にはじまり’08年6月の第24次に至る、その暴動史一覧からも充分に覗える。

お薦めは、原口剛の「釜ヶ粼という地名」序章
ありむら潜の釜ヶ粼変遷イラスト「いまむかし」
平川隆啓の「釜ヶ粼の住まい」第3章
加藤政洋の「釜ヶ粼の歴史はこうして始まった」第4章
原口剛の「騒乱のまち、釜ヶ粼」第7章
白波瀬達也の「生きづらさと宗教」第8章
松村嘉久の「外国人旅行者が集い憩うまち釜ヶ粼へ」第11章、etc.

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―山頭火の一句― 其中日記-昭和9年-264

2月12日
春日和です、私は終日終夜、寝床の中です。
酒も煙草もない一日一夜でした。
風呂はまことに結構でした、餅はたいへんおいしうございました。‥‥

※表題句の外、3句を記す

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