2008-06-24から1日間の記事一覧

ひつそりとして八つ手花咲く

―山頭火の一句―詞書に「戦死者の家」と添えられ、句集「銃後」所収、昭和12年の晩秋あるいは初冬の頃か。昭和12年と云えば、7月7日、満州で盧溝橋事件が勃発、北支事変へと戦線拡大の火ぶたが切って落とされた。山頭火は7月14日の日記に、 「北支の形勢はい…

ひとり直し今朝の腹だち

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>「鳶の羽の巻」−18 苔ながら花に竝ぶる手水鉢 ひとり直し今朝の腹だち 去来直-なおり-し次男曰く、「秘注」は「小庭ノ手入ニ打紛テ、世事ヲ忘レタル体ヲ附タリ。句ノ機嫌ヲ整タル附ナリ」と云い、露伴…