花ぐもりの窓から煙突一本

 「鬼小町」より
            

<世間虚仮>


<4月29日は「昭和の日」に、
 5月4日が「みどりの日」に、−の不快>


エイプリル・フールの冗談噺であってくれれば良いのだが、
昨日、どうやら本気で衆議院の可決をみたらしい。
平成元年の制定以来これまで「みどりの日」で親しまれてきた祝日を「昭和の日」と命名変えし、
みどりの日」を5月4日にする法案が、本日衆議院で可決、近く参議院でも可決をみること必至。
相変わらず、なんとも不快な気分に落とし込んでくれる小泉内閣殿だ。

もともと、昭和時代の天皇誕生日として祝日だったのを、崩御の際、みどりの日とされたのだが、
この時点から、「昭和の日」とすべしという意見が一部で燻っていたようだ。
ご承知のように、11月3日の文化の日明治天皇の誕生日。
ならば昭和天皇の誕生日をみどりの日としてきたことは、自然と文化をともに愛し親しむという意味で、まだしもバランスのとれた命名ではあろうと思われるのだが、何故に、こんなに統一感のない収まり悪い命名に敢えて拘ったりするのか、
「象徴を元首に変更したい輩」たちの底意が見え隠れして、まことに憂鬱な気に襲われる。

「昭和の日Q&A」というサイトがある。「昭和の日」制定推進派の趣旨がQ&A形式で列挙されている。
読み進んでいくにしたがってさらに不快はひろがる。
先ずは、「みどりの日」制定時より、対案として「昭和の日」取り沙汰されていたことを伝えている。
各節で天長節という言葉がやたら横行するが、これまたずいぶん神経を逆なでしてくれる。
「昭和の日」推進議員連盟超党派で334名が加盟しているというが、衆議院議員定数480名、参議院議員定数が252名、衆参あわせ計732名の議員総数で、半数に遠く及ばぬこの数字を多数派とみるのか。
また、超党派と言い繕っても所詮は大きく右に偏った数字ではないのか。
さらに「昭和の日」制定への請願署名が170万人集められたとある。
この数字を多いとみるか、さほどでもあるまいとみるか。
「象徴を元首に変更したい輩」たちが組織的且つ積極的に署名活動すれば、なんということもない数字だろうにと私は思うのだが、この署名は、あくまで個人々々によるものであり、命名変更を推進するに説得力ある数字だと仰る。
いちいち論うのはこの辺で止そう。不快は強まるばかりだ。

あの世から誰かさんが声を張り上げてるよ。
「なんで、ひとり昭和さんだけで、明治とセットにしねえんだよー」なんて。



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