春風の扉ひらけば南無阿弥陀仏

uvs050420-104-1 「Asoka in Lesson Photo」より


<日々余話>


<岩崎玄龍の薩摩琵琶>

昨日の4月24日、皐月も咲き初め薫風爽天に誘われるように一家三人連れ立って外出。
先ずは、Kaoruko初お目見えとばかり、地下鉄を利用して天王寺動物園へ。
三歳半ともなれば動物園参りも早くもなく遅くもなく頃合かと思ったのだが、
彼の人、普段から人見知り激しく、近所の公園でも鳩たちや散歩の犬など、遠目にはよいのだが近くには寄れないという御仁だから、喜んではしゃぐかと思えば近寄っては怖がると、甚だ忙しい。
北廻りで最初に見たのが、フラミンゴの群れ。
このおとなしいピンクと白の鮮やかな鳥たちの動きにはずいぶん見入っていた。
園内にてお弁当も挟んでの約3時間。
コアラは眠ったままなのでよくわからなかったようだが、ライオンさんも、トラさんも、カバさんも、キリンさんも、ゾウさんも、サルさんも、
いっぱい見られて、よかったよかった。

動物園前から日本橋へと地下鉄を乗り継いで、今度は国立文楽劇場へ。
小ホールにて11時から16時まで演じられている「琵琶楽名流会」にご推参だ。
主催は日本琵琶楽協会関西支部。この手の会は大概無料なのだから大いに助かる。
Junkoの師、奥村旭翠の出番に間に合えば用は足されるというので、動物園とのダブルヘッダーとなったのだが、劇場に着いたのが2時半過ぎか、師の出番までにはまだ3曲ほどあった。
これが幸いした。
演題15番目の、東京本部から来演した、薩摩琵琶の岩崎玄龍氏の「鵯越(ひよどりごえ)」の一曲。
これはなかなか素晴らしいものだった。
年齢はまだ50歳過ぎくらいだろうか、この世界ではまだまだ若い方だ。
しかし、琵琶捌きといい、吟詠といい、ほぼ文句のつけようがないほどに達者のものだった。
はっきり言ってこの琵琶弾き語りの世界、私のこれまで聴いたかぎりでは、玉石混交、素人の旦那芸に毛の生えた程度のものがずいぶん多いのだが、この玄龍氏は格段にレベルが違う。
この人の語りには、能楽の謡の素養なんかがしっかりとあるのではないかと思ったくらいだ。むろん事実の程は知る由もないが。
それほどに見事な口跡としっかりした調子だった。
どうやら、彼は小椋佳が作・演出している歌語り一休シリーズや歌綴りぶんざ(紀伊国屋文左衛門)にも起用され出演しているようだが、この達者であれば然もありなむと納得。

滅多に味わえぬ上手の芸にほんのひとときながら堪能しえたこと、まことに幸いなるかなである。


四方の風だよりInformation <四方館 Dance Cafe>


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