紫陽花もをはりの色の曇つてゐる

<言の葉の記>


<紫陽花>


紫陽花の季節だ。

花の多くは陽の光にそのあざやかさを増すのに、
紫陽花は雨の雫が似合い、その風情は愛おしさをつのらせる。


手鞠花、額の花、または七変化とも呼ばれもする。


紫陽花という表記については
唐代の詩人白楽天(白居易)の
 招賢寺に山花一樹あり、人その名を知るものなし、
 色は紫色に花は香気を宿し、芳麗にして誠に愛すべし、
 よりて紫陽花と名づく。
から源順が採ったとされ、我が国のアジサイとは別の花(ライラック説が有力か)で、
引用の誤用説がよく知られている。
中国ではアジサイの花のことを八仙花とか洋繍毬と呼ぶ。
洋とつくからには外国産の花の意味だろうし、
アジサイの原産は日本ともいわれるので、日本からの渡来説が有力だろう。


 紫陽花や藪を小庭の別座敷   芭蕉
 

 紫陽花やはなだにかはるきのふけふ   子規


 ひとつとせふるさといくつてまりばな   くにを


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