いそがしと師走の空に立出て

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―世間虚仮― 皐月朔日

今年も早や4ヶ月が過ぎた。
3月末の参議院による審議時間切れで撤廃されたガソリンなどの暫定税率が、昨日、衆議院の再可決で復活。
安いガソリンの供給も僅か1ヶ月、一炊の夢と消え元の木阿弥。御多分に洩れず私もまた昨夕セルフのGSに並んだ駆け込み組だ。

その昨日、豊岡で30.5度と早くも真夏日を記録したと思ったら、なんと今日は、フェーン現象とやらで北海道のオホーツク海側や内陸各地11ケ所で30度以上を記録したそうで、このGW、向こう一週間もずいぶんと汗ばむ陽気が続くことになるという。格別の予定もないこの身だが、はてさてどうしのいだものか。

昔なら5.1といえばメーデーが定番だが、全国バラバラに催されるようになって労働者祭典の話題も乏しくなった。
大阪の連合系メーデー大阪城公園で今日の開催というが、橋本知事は慣例破りの欠席宣言、理由は「民主党色が強すぎる」というものだが、連合結成以来、初めて袖にされた主催者側も困惑を隠せぬことだろう。


<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

「雁がねの巻」−09

   医のおほきこそ目ぐるほしけれ  

  いそがしと師走の空に立出て   芭蕉

次男曰く、都に医者は多いが国手と呼べるほどの者は少ない、と越人の句は云っているだろう。引移して、対に作れば、たいした用事もない者ほど忙しげに歳暮の街を走り回る、という滑稽になる。

句は、自他いずれにも読める人情で、前と結べば医の用、次句には人物の取替を促すように作られている。

この歌仙は「阿羅野」板本のほかに、当座と思われる芭蕉自筆の懐紙が伝存している。それによれば初五が「いそがしき」とあり、これでは無くもがなの字数合せ-五七五-に過ぎない。「と」一字の改案は句眼である、と。


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