年貢すんだとほめられにけり

Dancecafe080928160

―世間虚仮― 梅雨明け未だし

8月に入ったというに未だ梅雨は明けぬ、夜更けた今も雨模様、雨雲レーダーを見れば明朝にかけてひどい降りになりそうだ。

記録に残る’51年以降で最も遅かった梅雨明けは今日、8月1日だそうで、記録更新はすでに決まり、あとはどこまで伸ばすかだが、そういえば梅雨が明けぬまま、夏が過ぎ秋来たるらし、という年もあったが、あれは’93-H5-年だったか。その平成5年は、冷害で米も大凶作、農協などの倉庫に米泥棒が出没するなどの騒ぎがあったし、政府はタイ米の緊急輸入までせざるを得ず、平成の米騒動とまで騒がれた。

日頃、スーパーに通い慣れていて、このところ野菜の値が高いのに驚かされている私だが、どうやら今年も平成5年のような騒ぎになる公算が高くなってきているのではないか。

この夏、気象も異常なら、40日間もかけて暑苦しい選挙に明け暮れねばならぬ政情も、これに輪をかけたような異常さで、秋以降、景気のほうも底入れ、持ち直しどころか、底も割れてとんでもない事態が待ちかまえているかも‥。

―四方のたより―今日のYou Tube-vol.28-

嘗て「往還記-OHGENKI-」と名づけた舞台をシリーズで三度行ったことがあった。
初めは’96年で「両頭曼荼羅とKLEE 金色の魚」と副題した。二つ目となる往還記?は’98年、劇団犯罪友の会が弁天埠頭に浮かべた台船に建てた仮設の芝居小屋で、副題を「鬼小町」としたもの。そし掉尾となった往還記?は、伊丹のアイ・ホールで演じたもので、この舞台は小嶺由貴が構成した「WALTZ-輪舞-」と私の「洛中鬼譚」の二部構成で、勿論全体の監修は私が務めたが、これが’02年の秋だったから、足かけ7年かけてのこととなるが、当時としてはそれほどお気に入りのタイトルだったとみえる。

今日からは、この「往還記?」の舞台記録をupload、ご覧いただこうと思う。
「往還記-OHGENKI-?」のFirst stage「WALTZ -輪舞-sculpture.1-TRUST-信頼-」


<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

空豆の巻」−26

  今のまに雪の厚さを指てみる  

   年貢すんだとほめられにけり  芭蕉

次男曰く、江戸時代、年貢は一年2、3度、しばしばそれ以上に分けて納めるのが通例だった。「年貢すんだ」はその一年の貢納もようやく終った、ということだろう。
句は景から其人を看てとった後付で、今のうちに雪の厚さを指し計ってみる人は無事貢納を済せて帰家に就こうとする人物である。

「ほめられにけり」が工夫だ。「すんだ」のは今年の年貢だけで、家に帰ればまた新しい苦労が始まるのが農民の暮しである。それも互の了解事項として、とにもかくにも今はめでたい、と年貢を取立てる側も取立てられる側も共に喜び合う裏には、「雪の厚さを指てみる」手ぶりの軽やかさも自ずと現れ出る、と。

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