枯草につゝましくけふのおべんたう

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―日々余話― KAVCで歌謡ショー‥?

昨日、まことに久しぶりに新開地のKAVCホールへ行ってきた。
かといって芝居や映画があった訳ではない、「KOBE流行歌ライブ」なる歌謡ショーだ。
タネを明かせば、松浦ゆみのお付合い。
このところ彼女にPromoterが付いて、キャンペーン活動に積極的に乗り出した。
苦節10年の彼女に陽が差すのかどうか、それはなんともわからぬが、その種播きは自らの手でやり出すしかない、という訳だろう。

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それにしても、KAVCとはKobe Art Village Centerの略、若手の芸術創造の拠点施設として’97年に誕生し、さまざま場を提供してきたはずの公共施設なんぞで、この手の催しがなされるとは驚き。’80年代以降の小劇場ブームもとっくに衰退期に入り、近頃は委託管理制度が定着してくるなかで、利用者の対象もずいぶんと様変りしてきたということか。


―山頭火の一句― 行乞記再び -64-
3月2日、晴、曇、どうやら春ですね、行程2里、行乞6時間、久保田、まるいちや

行乞相が日にましよくなるやうだ、主観的には然りといひきる、第三者に対しては知らない。
此地方で−どこでも−多いのは焼芋屋、そして鍼灸治療院。
いはゆる勝烏−天然保護物−が啼き飛ぶ、そこで一句。−
 頭上に啼きさわぐ鳥は勝烏 -削除の印あり-

今日は妙な事があつた、−或る家の前に立つと、奥から老妻君が出て来て、鉄鉢の中へ五十銭銅貨を二つ入れて、そしてまた奥へ去つてしまつた、極めて無造作に、−私は、行乞坊主としての私はハツとした、何か特殊な事情があると察したので懇ろに回向したが、後で考へて見ると、或は一銭銅貨と間違へたのではないかとも思ふ、若しさうであつたならば実に済まない事だつた、といつて今更引き返して事実を確かめるのも変だ−行乞中、五十銭玉一つを頂戴することは時々ある、しかしそれが一つである場合には、間違ではないかと訊ねてからでなければ頂戴しない、実際さういふ間違も時々ある、だが、今日の場合は二つである、そして忙しい時でもなく暗い時でもない、すべてがハツキリしてゐる、私が疑はないで、特殊な事情のためだと直覚したことは、あながち無理ではあるまい、が、念のために一応訊ねておいて方がよかつたとも考へられる、−とにかく、今となつては、稀有な喜捨として有難く受納する外はない、その1円を最も有効に利用するのが私の責務であらう。

 焼き棄てて日記の灰のこれだけか
   菩薩清涼月、畢竟遊於空
 うららかにして風
 勿忘草より
 わすれぐさ
 ちよいと一服やりましよか
 カルチモンより
 アルコール
 ちよいと一杯やりましよか

※表題句の外、句作なし、「焼き棄てて」の句は「焼き捨てゝ」で昭和5年の初出。

旧の長崎街道にほぼ沿って走る長崎本線は、肥前山口から牛津、久保田を経て、鍋島、佐賀と、佐賀市の中心部に入る。佐賀県南部に位置する久保田町は、2007年、佐賀市編入された。

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Photo/牛津駅前の広場には、往時の牛津宿を描いた陶板画が架かっている。

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Photo/久保田宿付近の祇園社

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Photo/同じく久保田宿付近にある香椎神社

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