雷遠く雨をこぼしてゐる草の葉

050512-002
「Dance Cafe−Sou-Mon 相聞」より 2005.05.12


<四方の風だより>


<四方館ダンスカフェのお知らせ>


二ヶ月に一度くらいのペースで、3回から4回重ねてみようと思っていたのだが、
会場との段取りやらで結局5月の第1回から三ヶ月ぶりの開催となるが、
悪名高い大阪市三セクの失敗作、新世界のフェスティバルゲートではじめた
「Dance-PerformanceとFree-Talkの一夜」とした
「四方館 Dance Cafe」の第二弾をご案内。


今回は題して「オブジェのある風景のなかで」
友人の彫刻家で高校の美術教師をしているK氏にオブジェ製作のプランニングをお願いした。
日時は8月25日(木)の午後7時から、
場所はフェスティバルゲート4階のCOCOROOMにて。
即興のダンスと演奏をご覧いただいたうえで、自由なトークをおたのしみいただこうという企画。
参加費はフリードリンク込みで1000円。


詳細は<コチラ>をご覧ください


<菅谷規矩雄の「詩的リズム」のこと>


菅谷規矩雄という詩人がいた。
1989年の大晦日の前夜、53歳の短い生涯を終えている。惜しまれる早世であったと思う。
昔、この人の詩集も一冊だけだが読んだことがあるはずだが、
それよりも記憶に鮮明に残るのは、「詩的リズム−音数律に関するノート」という正・続の二巻からなる日本語の詩の韻律に関して、等時拍的な音数律の視点からきわめて原理的にリズム論を展開した書で、著者は本書において、吉本隆明の「言語にとって美とはなにか」に触発され、詩の韻律の問題に的を絞って、日本語固有の等時拍的音数律に存するリズムとテンポの問題を原理的に解き明かし、欧米語や中国語・ハングル語とも異なる強弱アクセントのない特殊な言語構造の日本語における詩の韻律−リズム論をうちたてようとしたといえるだろう。


すでに絶版となっていて古書ともなれば版価より高価になったものしか手に入らないようなので、市の図書館から正続二冊借り受けて、二十数年ぶりにこの書にじっくりと対座してみた。7月初旬から貸出し二週間の期限を一度だけ延長できるので延べ四週間を手許に置いて、処々遠い記憶を甦らせながら通読したうえで、メモも取りはじめたものの予想外に手間どり作業は半端なままに返却となってしまったので、あらためて借り直し挑戦しなければならない。まことに読むべき書、なすべき課題はいつまでも尽きないものである。


本書を再度読み直したいと思ったのは、
これまで、われわれの身体表現の位相において、そのディテールについては「フォルム」としての視点からはかなり徹底して捉えてきたのだが、リズムの問題としては「場面におけるリズム」というように大きな構成のなかのリズムという視点でしか捉えきれておらず、ディテールにおけるリズム問題については曖昧なまま看過してきたのが実情といえる。
しかしこれでは方法論として、メソッドとしてやはり具体性に欠けると指摘されても致し方ないというもので、やはりディテールの基本的な成立レベルをリズムの問題からきちんと押さえるべきだと考えるようになったからである。
この課題、少し時間を要するだろうが、われわれなりに相応の解決をみるまで中心に据えていきたいものである。


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