夕蝉のなくことも逢ひたいばつかり

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  Information「四方館 Dance Cafe」


<世間虚仮>


<だれのため、なんのための健康診断、大半が予防に根拠なし>


小泉流劇場、刺客選挙に煽られっぱなしで報道関係は総選挙の話題一色に塗りつぶされているが、
14日(日)の毎日朝刊のトップ記事は「健康診断:主要16検査項目、効果に疑問 予防に根拠なし」との厚労省研究班が出した報告書を据えていた。
一ヶ月ほど前の7月17日にも健康診断で行われる「胸部X腺の間接撮影が有効性疑問と判断され、厚労省で廃止検討の構え」との報道があったので気にかけていたところ、今回の総括的な報告となったようである。
健診検査項目の主要24項目のうち16項目に効果が疑問とされ予防に根拠なしとされているのだから、見方によっては恐るべき内容ともいえるものだ。
いくつか例を挙げれば、
胸部X腺については、肺がん発見に有効との証拠なし
心電図測定については、虚血性心疾患の発見には無意味
尿検査については、糖尿病発見には不適切。腎不全などを防ぐ証拠はない
血球数などについては、有効性を示唆する十分な証拠はない
との報告である。


法によって義務づけられている企業関係の年一回の健康診断対象者が5900万人、加えて市町村などで40歳以上の受診対象者2900万人。成人の大半が受ける健診の実施費用は総額で年間9000億円近くになるというから、そもそもさしたる科学的根拠もないままに何十年ものあいだ、:健康診断という美名の川に大金を垂れ流してきたわけだ。
この報告により見直し論議は高まりそうだというが、日本医師会や医療機器関連業界等の猛反発は目に見えているし、大幅見直しの実施に至る道程はまだ緒についたばかりで、山あり谷ありの長い道のりがつづくのだろう。


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