かさりこそり音させて鳴かぬ虫が来た

N-040828-061-1

<世間虚仮>

<40兆円と40億円>

 MBS(TBS系)のニュース番組、ブロードキャスターを観ていたら、ハリケーンカトリーナ被災で脱出できなかったニューオリンズ市民たちの、連邦政府による救援活動の立ち遅れに不平不満を爆発させている姿が映し出されていた。被災から5日目にやっと救援活動が本格化したというのだからあまりに遅すぎる。暴力や略奪を決して正当化することなどできないが、これでは一部市民が暴徒化するのも致し方ない一面があるだろう。

 この放送のなかで、皮肉をこめて一言触れられていたのが表題とした「40兆円と40億円」。
なんのことかというと、40兆円とは米国の国防費予算のこと、40億円のほうは自然災害対策予算のことだそうで、なんと自然災害対策費は国防費の1000分の1。この数字のギャップに驚きもしたが、ブッシュ・アメリカのこととてさもありなんかと納得したりもした。

 ところが、念の為、ググって調べてみると、実際の国防費はそれどころではなかった。「2006年ブッシュ政権予算教書の分析」というページによれば、国防総省予算のみで4,190億ドル、国防総省以外の軍事関係予算を加えると約二倍の8,400億ドル。ところがこの数字にはイラクアフガニスタンでの戦費が計上されていない。というのはあとから補正予算で組まれる仕組みになっているからだとのこと。この戦費が昨年実績から計数すれば約1,000億ドル、したがって計約9,400億ドルがブッシュ政権の年間総軍事費ということになる。最近の円相場1ドル110円として換算すれば、なんと103兆4000億円。

 ブッシュよ、治安に問題ありとてヘリで上空から視察などと隔靴掻痒の類で慰めにもなるまいに、せめてニューオリンズの被災難民たちに直かに向き合うべきだろう。


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