思ふどちそことも知らず行き暮れぬ‥‥

051127-078-1

Information<2006 市岡高校OB美術展>
2/19 Sun〜2/25 Sat 於/現代画廊・現代クラフトギャラリー


−今日の独言− ナンダヨ、コレ?

国会議員の国庫負担率2/3というお手盛りの特権的な議員共済年金の廃止論が、昨年から巷間では喧しいほど議論の俎上に上ってきたが、その一方で、平成11年3月末で3232あった市町村が本年3月末時点で1822にまで減ずる平成大合併の結果、地方の市町村議員数も約6万人から3万8千人へと激減し、市町村議員たちの共済年金も平成20年度には積立金0となり完全に破綻するとされ、この救済のために特例として公費負担を増額する法的措置が、今国会で議決されようとしているそうな。既に自民党総務部会には了承されているその内容では、特例措置は15年間とし、その間の上乗せ国庫負担は計887億円に上るという。
おいおい、ナンダヨ、コレ? さっさと国会議員のお手盛り議員年金を廃止するなり、せめて一般公務員並みにするなどして、地方議員の此方も右へ倣えとすればいいだけのことじゃないか。特例措置期間15年とし、この措置でさしあたり20年間は安泰というが、なんで20年先まで保証しなくちゃならないのか、どうにも納得いかないネェ。


<歌詠みの世界−「清唱千首」塚本邦雄選より>

<春−13>
 思ふどちそことも知らず行き暮れぬ花の宿かせ野べの鶯  藤原家隆

新古今集、春上、摂政太政大臣家百首歌合に、野遊の心を。
歌意は、気の合った者同士がどことも定めず遊び歩いているうちに行き暮れてしまった。今宵はお前の花の宿を貸してくれ、野べの鶯よ。
邦雄曰く、古今集素性法師「思ふどち春の山べにうち群れてそことも言わぬ旅寝してしが」の本歌取り。鶯への語りかけが、現代人には童話風で愉しい。素性は「野遊」を心に思い描いて終り、家隆はそれを実現して、更にまた、花の宿を求める、と。


 きさらぎや野べの梅が枝をりはへて袖にうつろふ春の淡雪  順徳院

紫禁和歌草、建保元年三月当座、野梅。
邦雄曰く、春たけなわの二月に季節はずれの雪。枝を長く延ばして咲き匂う梅に、人の袖に、ふりかかり、かつたちまち消え失せる。二月−衣更着の語感が鮮やかに伝わってくる。総歌数1300首近く秀作名唱を数多含む紫禁和歌草は建暦元年(1211)で、即位翌年の14歳。この梅花詠も翌々年頃の作で、驚くべき早熟の天才、と。


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