ながむれば思ひやるべき方ぞなき‥‥

0511270991

Information<Shihohkan Dance-Café>

−四方のたより− Memo for Dance Café

−表象する身体−舞踊性としての

<身体−意識−表象>

自分自身を見いだすこと、感覚と相即するもののうちに
  ゆすり・ふり−ゆり・ゆられ

カラダの壁−骨と関節からくる限界を知覚すること

意識とは<まなざし>
  身体の内部へのまなざし、身体の外部−空間−へのまなざし

Correspondence−照応する表象−
  相互滲透する表象−同化
  こだまする、響きあう
  応答する、反響、反転、対照、−そして異化へと

Improvisation−即興−
  偶然とたわむれ、偶然をあそぶこと
   さらには語矛盾ながら、
  偶然を統御−コントロールする、反転し、構築へと向かう。

<まなざし(志向性)−表象としての空間−象徴化・シンボル化−時空のリズム>


<歌詠みの世界−「清唱千首」塚本邦雄選より>

<春−57>
 つくづくと雨ふる里の庭たづみ散りて波よる花の泡沫(うたかた)
                                    鷹司清雅

風雅集、春下、閑庭落花を。
弘安7(1284)年−正慶2(1333)年、関白藤原師実の裔。京極派歌人玉葉集・風雅集に各2首入集。
邦雄曰く、庭の溜り水に浮かぶ落花、晩春の雨がその上に降りそそぎ、雨脚と風に波立つ。ありふれたようで、古歌にはめずらしい新味のある作。風雅集ならではの発見だ。この歌の前に永福門院内侍の「散り残る花落ちすさぶ夕暮の山の端うすき春雨の空」あり、共に秀逸、と。


 ながむれば思ひやるべき方ぞなき春のかぎりの夕暮の空
                                   式子内親王

千載集、春下、弥生のつごもりに詠み侍りける。
邦雄曰く、家集の萱斎院御集にも、心を博つ惜春歌は少なからず見られるが、千載集にのみ残るこの一首「春のかぎり」は、作者最高の三月盡であろう。第二句・三句の勢いあまったかの句跨りと第四句の強く劇しい響きが重なって、この抽象世界が、意外に鮮明に、人の心の中に映し出される。後鳥羽院口伝中の「もみもみとあるやうに詠まれき」の一典型、と。


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