いにしへを昨日の夢とおどろけば‥‥

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―世間虚仮− お盆のプール通い

お盆だというのに猛暑がつづく。北海道も連日の記録的な暑さだそうだ。札幌では4日連続で沖縄の那覇を上回る気温だという。
幼な児の通う保育園は13.4.5と三日間お盆の休みだが、連れ合いは変則勤務で14日のみで、その代わり来週に三日間の休暇を取ることになっているから、さしずめわが家の盆休みは世間から外れて来週と相成る。
そんな次第で昨日と明日は子守専従。
この夏、幼な児はプール通いにご執心だ。
住之江公園の中にある府営のプールはさほど大きくもないが、大人は300円だが子どもは中学生まで100円と、廉価で楽しめるのがありがたく、子どもたちや家族連れでかなりにぎわっている。
この程度ならたいした負担にもならないから、今夏はわが家でも休みのたびに親子連れで通っている。
昨日も、朝から待ちかねたように幼な児の催促を受けてプールへ行った。いつもは連れ合いがご相伴役で、私には今夏二度目の登板だった。
前日の日曜は、保育園の仲間たちも何人か来ていて、一緒に仲良くしてご機嫌だったと聞いていたから、この日もてっきり顔馴染みが来ているだろうと思っていたら、当てが外れてゼロ回答。
これには参った。友だちが一人でも居ればその子とさんざん遊べるのだから、此方は高みの見物で少しは自由もきくというものだが、これでは眼も離せないしおまけに適当に相手もしてやらねばならない。
まだ泳ぎにもなっていないのだが、誰に教えられたかほんの数秒、顔を水面につけて足をバタバタさせている。少し気になったので「眼を開けているの?」と聞いてみると、「少しだけ」と返ってきた。
ほとんど進みもしないのになんどなんども飽きずにやっていたから、あとでゴーグルを買ってやった。
今日も朝早くから連れ合いとお出かけで、昨日と同じくお友だちゼロ回答だったにもかかわらず、新兵器のゴーグルを着けてご機嫌に泳いで(?)いたらしい。
プール日参のお盆で日焼けがどんどんすすむ親子だ。


<歌詠みの世界−「清唱千首」塚本邦雄選より>

<雑−41>
 いにしへを昨日の夢とおどろけばうつつの外に今日も暮れつつ  宗尊親王

竹風和歌抄、文永三(1266)年十月、五百首歌。
邦雄曰く、鎌倉第六代将軍、32歳の夭折、その迸る詩魂もおのずから三代将軍実朝を想起させる。宗尊親王の歌はまた別種の寂寥と不安を帯び、技巧はさらに巧緻だ。「うつつの外」を見つつ、しかも夢を見ることもできない一人の青年の「今日も暮れつつ」と呟く姿は傷ましい。親王一代の秀作と言ってよかろう。別の家集では「夢」題で収められる、と。


 歎きつつ雨も涙もふるさとのむぐらの門の出でがたきかな  斎宮女御徽子

玉葉集、雑四。
邦雄曰く、詞書には「式部卿重明親王かくれて後、内より参るべき由のたまはせければ」とある。父重明の他界した天暦8(954)年、徽子は25歳、村上帝女御となって規子を生んだ5年の後である。「葎-むぐら-の門」は文飾であろうが、高貴の身ゆえなお露わにはできぬ悲しみの、とめどもない様が覗われよう。女御歌合を催したのは天暦10(956)年であった、と。


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