しづかさに飯台のぞく月の前

080209012

Information-四方館 Dance Café 「五大皆有響」-

―四方のたより― 音合せリハ

さすがにMusicianたちが参加しての稽古は、気合いも入り充実して愉しい。
昨日は雨模様で出足こそ少し遅れたものの、踊り手たちと演奏者たちの揃い踏み、26日に向けて出演者全員揃っての音合わせを兼ねた一回こっきりのリハーサルを、午後3時過ぎから約2時間半、みっちりとやれた。

我がDancerたちは12時からの稽古でやや疲れ気味の態だったが、K不在の緊張感もあってのことだろう、引き締まった気分が横溢していたように見受けられた。
その雰囲気や良しだが、個々の踊りのほうは未だしの感。Musicioanたちとの合せ稽古を楽しみにしていたという新参のArisaは、いつもとは打って変わったような積極的な動きを見せていたが、二人の先輩は些か考えすぎかあるいはいつもとは異なる生演奏の音世界に自ずと引き籠もってしまったか、やや精彩に欠けた。

残された23日の稽古で、軌道修正がなるかならぬか…。


<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

「霜月の巻」−27

   をるゝはすのみたてる蓮の実  

  しづかさに飯台のぞく月の前  重五

次男曰く、abcdef・badcfeによる六吟歌仙の月花は、e-羽笠-が初折−表の月・裏の花、二ノ折−表の月と、三つの定座に当る。前二つをそのままつとめてきた以上、ここでのゆずりは当然のことだが、引上げて長句とするなら二句前のcの座以外にない。

芭蕉が「をるゝはすのみたてる蓮の実」と、夏作業を秋の風物に奪ったのは月前の配慮からで、単なる季の思付ではなかった。

重五の作りは学寮などもある大寺の蓮池を思寄せ、月下無人の食堂にすべてを語らせようという遣句の趣向だ、と。


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