鞍置る三歳駒に秋の来て

Dancecafe081226016

―世間虚仮― スズメが1/10になった!

昨日の朝刊で見たのだが、我々が住む大都会のコンクリートジャングルばかりでなく、野や里においても、スズメはめっきり少なくなったそうだ。

記事は立教大理学部特別研究員三上氏の調査報告に拠っている。
調査は昨年の5.6月に実施。秋田・埼玉・熊本の3県を調査地とし、住宅地や農村や森など5様の生息環境について巣の平均密度を算出した。
この調査に基づき全国の総人口ならぬ総雀数を推定すれば1800万羽になるという。この数値は20年前の2割〜5割程度、50年前の’60年頃と比較すれば1/10になったのではないかとされている。

昔々、幼い頃の我が家の前には道路を挟んで広い空地があり、大きな石炭山になっていたが、糸の両端に石礫を結び付けたのを空へ投げてスズメを狙ったり、あるいは煉瓦を組んだ仕掛けに米粒を置いてスズメが掛かるのを待ったりと、よく遊んだものだが、そんな光景も全国津々浦々どこへ行こうとも見ることはできないのだろうか‥。

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

「花見の巻」−07

   籾臼つくる杣がはやわざ  

  鞍置る三歳駒に秋の来て  翁

次男曰く、諺に、天高く馬肥ゆとも、秋高く馬肥ゆとも。

「鞍置る三歳駒」は「はやわざ」からのうつり、ひびきである。むろん荷馬・耕馬の類に非ず、駿で「鞍」も初置だろう。

はこび裏入らしい起情のある句だ。前句の「籾臼つくる」から年貢米の連想付などと読む解があるが、こういう付合に話の設けなど全く必要ない。

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