一貫の銭むつかしと返しけり

080209051

―四方のたより― 勿体ない!

休日の昼に、Dance caféなどとは、あまり似合わないのかな?
リハーサルのために朝から繰り出して
準備万端とは云えないまでも
まあ、とにかく、仕上がりはわるくはない筈だったのだけれど‥
客席は、お寒いかぎりの閑古鳥
いやはや、なんとも、勿体ない会であったことよ
些か自棄気味に
終わったあとの虚脱感を埋め合わそうとした訳じゃないけれど
関係者みんなで、階下のカフェに陣取っては
珈琲一杯で、駄弁ること延々2時間近く
それのみが意外にも、結構素敵な時間なのでした

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

「花見の巻」−33

   唯四方なる草庵の露  

  一貫の銭むつかしと返しけり  曲水

次男曰く、一貫は銭一千文、貫緡-かんざし-とも云い実際には960文を穴繋ぎにして一千文に用いた。明治4年制定の円単位制では十銭として換算した。

「むつかし」は厭わしい、「と返し」たというのだから、貸そうと云ったか呉れると云ったか知らないが、「唯四方なる草庵」住いにはそれさえ煩わしい、と人物の見定めを付けている。

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