旅のすゝきのいつ穂にでたか

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Information – 四方館 DANCE CAFE –「出遊-天河織女篇-」

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、9月17日の項に

9月22日−晴、曇、都城市、江夏屋
7時出立、谷頭まで3里、道すがらの風向をたのしみながら歩く、2時間行乞、例の石豆腐を食べる、庄内町まで1里、また3時間行乞、すつかりくたぶれたけれど、都城留置の手紙が早くみたいので、むりにそこまで2里、暮れて宿に着いた、そしてすぐまた郵便局へ、――友人はありがたいとしみじみ思つた。
同宿十余人、同室1人、隣室2人、それぞれに特徴がある、虚無僧さんはよい、ブラブラさんもわるくない、坊さんもわるくない、少々うるさいけれど。

―四方のたより― 補助線

次のDance CafeのInstallationを考えるのに環境の確認をというので、今朝は稽古場へ行く前に、plannerの神谷君と会場で待ち合わせた。

布やnetを主に使うつもりだが、容易い仕込で効果的な造形がどうすれば可能か、踊りとの絡みも想像しながらあれこれ喋っていると、互いの思い描く像がかなり重なってきたようだ。この作業が補助線のようにはたらいて、踊りのほうも課題が鮮明になってきた。これが協働作業の効果というもの。

前半の構成はほぼイメージできていたのだが、午後からのworkでは、後半部についてもoutlineの見当がついてきた、といってももちろん今のところ私の頭の中でだけのこと。あと3週間余、そのplanに基づきつつ、Dancerたちに具体的な像を結んでいってもらわなければならないが、時間はそれほどあるわけではない。

―表象の森―「群島−世界論」-12-

 私は舌だ、私はあらゆる魚を捕獲する網だ。
  私はいかなる国家よりも高貴だ
  教会よりも高貴だ
  無気力な愛国主義者よりも高貴だ
  私は魔女でもなく、古代の鬼婆でもない
  薔薇でもなく、賢い老女でもない
  私は女王のごとく歩みはじめた処女ではない。
 あらゆる舌はどんな部族の誇りよりも高貴だ
  いかなる政府が指示する夢よりも。
   ―略―
  教会は殉教からつくられた
  愛国者棍棒からつくられた
  ゲール語話者は聖なるものからつくられた。
  だ私は淫らな舌だ
  反-アイルランド国の−
  暴力的なアングロ主義からはできていない舌だ。
  私は時流の召使女ではない
  うぬぼれた信者でもない
  私はパブにこだまする呪いであり邪悪な言葉だ
  私は魂の叫びであり、美しく歪んだ旋律だ。
   ―略―
 私は舌だ、私はあらゆる魚を捕獲する網だ。−マイケル・ハーネット「私は舌」
  -今福龍太「群島−世界論」/12.わたしは舌である/より

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