このごろは宿の通りもうすらぎし

Dancecafe08092838

―日々余話― 懐かしき邂逅ふたつ

お盆真っ只中、人は懐かしき処へ帰参し、また発ってゆく。
このところ懐かしい人からめずらしく連絡のくることがつづいた。
一人はインド舞踊や巫女舞をもって全国あちらこちらをめぐっている花の宮こと茶谷祐三子、もう一人は劇団四季の営業担当で務めてもう20年に及ぼうかという竹村竜。

先週末の茶谷嬢とは電話での語らいが1時間半近くもつづいたか、近況の類からはじまって話が進むほどに、今後に互いの活動の接点を探っていくような、そんな芽ぶきも感じられる展開になって、また連絡をということに。

竹村君は久しぶりの盆の帰省とかで、昨日の夕刻、携帯が鳴り、今日の午後、早速会ってきた。
もうずいぶんと東京方面の勤務がつづいて、向こうで若い花嫁をものしたと聞いたままだったから、いったい何年ぶりになるのだろう。

近頃の四季の内部事情、とりわけ御年76歳となった浅利慶太天皇ぶりといった話題にしばし花咲いたが、年も年だけに、失礼千万なことこのうえないが一丁事あるときに、役者だけで800名を擁するほどに大きくなりすぎた劇団活動の行く末が果たしてどうなるか、彼もまた転身の潮目を計ってゆかざるをえない時期にさしかかっているのかもしれぬ。

彼の若い花嫁殿は御年32歳とか、結婚後に一念発起、弁護士を目指して猛勉強、法科大学院3年を修了した昨年、見事ストレートで新制度の司法試験に合格したと聞かされ、これには吃驚。ところが今は1年の修習生の身だが、その先の事務所がなかなか決まらないらしい。一極集中の東京では、弁護士の卵たちもその伝で、競争はとくに厳しく、資格を得ても仕事先は決まらないというのが現実のようだ。

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

空豆の巻」−31

   すたすたいふて荷ふ落鮎  

  このごろは宿の通りもうすらぎし  利牛

次男曰く、名残の裏入。句案のみそは「落鮎」を承けて噂仕立としたところで、噂も裏である。裏入に見合った気転のはこびだ。
句意は「すたすたいふ」わりには宿場もさびれ、願人坊主も当今少なくなった、というのであろう、と。

―四方のたより―今日のYou Tube-vol.38-
「往還記-OHGENKI-?」のSecond stage
「洛中鬼譚−冬月-KANAWA-鉄輪 その弐」

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