父が掃けば母は焚いてゐる落葉

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―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月19日の稿に
10月20日、晴、曇、雨、そして晴れ、妻町行乞、宿は同前-藤屋-

  • 略-、9時から2時まで行乞、行乞相は今日の私としては相当だつた、新酒、新漬、ほんたうにおいしい、生きることのよろこびを恵んでくれる。

歩かない日はさみしい、飲まない日はさみしい、作らない日はさみしい、ひとりでゐることはさみしいけれど、ひとりで歩き、ひとりで飲み、ひとりで作つてゐることはさみしくない。-略-、

新酒を飲み過ぎて−貨幣価値で13銭−とうとう酔つぱらつた、ここまで来るともうぢつとしてゐられない、宮崎の俳友との第2回会合は明後日あたりの約束だけれど、飛び出して汽車に乗る、列車内でも挿話が二つあつた、一つはとても元気な老人の健康を祝福したこと、彼も私もいい機嫌だつたのだ、その二は傲慢な、その癖小心な商人を叱つてやつた事。

9時近くなつて、闘牛児居を驚かす、いつものヨタ話を3時近くまで続けた、‥その間には小さい観音様へ供養の読経までした、数日分の新聞も読んだ。

放談、漫談、愚談、等々は我々の安全弁だ。

―日々余話― 小さい夏の‥

4日振りの投稿は、夏の小旅行で留守したため。
19日-水-の早朝に発って、本日午後帰ってきました。

今年もまた信州へ−白馬の和田野の森のはずれ近く、瀟洒なペンションに2泊と、さらに越後糸魚川へ抜け、北アルプスの背-北側へ-廻って、秘湯で名高い蓮華温泉に1泊。
旅中、曇天続きで、ときに雨にも降られ、白馬の山脈はとんと拝めず、些か口惜しい旅ながら、天候相手では、偶々今年は巡り合せが悪かった、と矛を収めるしかない。

蓮華温泉へと足を伸ばした昨晩も、深夜まで雨が降り続いていたのだが、3時頃には雨音も止んで、ふと見上げると、ぽっかりと円く抜けたような中空に星々が煌めいていた。
待ちあぐねた晴れ間を逃す手はないとばかり、空が白みきった5時頃には連合いたちを起こしては、秘湯めぐりの散策を一時間余、細い坂道ばかりできつかったが、早朝の涼風が心地よかったし、白馬岳の姿もくっきりと見えて、この旅3泊4日の、点睛のひとときとなった。

―四方のたより―今日のYou Tube-vol.43-
四方館DANCE CAFEより
「出遊-あそびいづらむ-天河織女-あまのかわたなばた-篇」Scene.5

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