晒の上にひばり囀る

Dinnershow0901

―四方のたより― Dinner Showの裏で‥

たった3.4日のことなのに、大阪へ戻ってくると、朝方はそれほどでもないのだが、夜は蒸し暑く、とても寝苦しい。長い運転の疲れも残っているから、身体は重くて仕方がないし、ちょっとした休み惚けのていたらくである。

さて、話は変わるが、私の作っている四方館のHPには、二人の外部者、私個人とはかなり深い関わりがあるが、四方館とは直接交わりのない二つのリンクサイト、ネパール・ポカラの「きしもと学舎の会」と歌い手の「松浦ゆみ」を紹介しているが、今夜はその松浦ゆみの話題を。

彼女はメジャーデビューしてからでもすでに10年目、それ以前のプロ活動、さらにはポップス中心のアマチュア歌手としての活動歴も加えれば、もう充分ベテランというに相応しい歌い手さんであろう。
ところがこの1.2年、その彼女に、ひょっとすると歌手人生最大で最後の転機ともいうべきものが訪れているようなのである。

2年前に出したCD、A面に「裏窓」、B面に「演歌みたいに捨てられて」を収録したものだが、それがカラオケの世界ではじわりじわりと浸透してきて、このところ中ヒット作となっているというのである。
とくに、その題からしシャンソン風な「裏窓」は、かなりの歌唱力が要される曲だから、そのことがかえって難曲に挑戦してみたくなる年季の入ったカラオケ愛好者たちの間では、よく好まれ歌われているらしいのだ。

そういった評価が、東京のある著名な作曲家と知遇を得るきっかけとなったようで、彼女はいま、従来から永年世話になってきた在阪の作曲家との、両者の贔屓の間でディレンマに陥り、ずいぶん悩みを深くしているという。贔屓といってもそれは綺麗事、この世界ではそれぞれの野心と利害ばかりが跋扈する、魑魅魍魎の世界だろう。

そんな状況のなかで、10月、デビュー十周年のディナーショーを開くことになっているが、門外漢ながら彼女からさまざま話を聞くなかで、むろんそれらを具体的に記す訳にはいかないが、この企画とその直後の推移しだいで、重大局面に身を賭していくことになるのでは、と想像されてならないのである。

おそらく、10月の彼女のディナーショー、それは私にとっても彼女に関わることの、最後のものとなるだろう。仮にその余の、幾許かの相談事にのることがあったとしてもだ。

<連句の世界−安東次男「風狂始末−芭蕉連句評釈」より>

空豆の巻」−34

  よこ雲にそよそよ風の吹出す  

   晒の上にひばり囀る  利牛

次男曰く、挙句前の花の定座を控えて春の季を引出している。微風の立つところ雲雀があると考えたというよりも、むしろ「そよそよ風」そのものを「ひばり」と見替え、つれて「よこ雲」を「晒-さらし-」と見替えた付である。
去来抄」に「同じ竃の句は手柄なし。されど、先より生増しならんは、又格別なり」と云う、その「生増-うまれま-し」た句の一つと見てよい。

最後の巡はabcdとなるべきところを、adbcと組替えている。これは宗匠に花の座を譲り、挙句を執筆が務めた自然の成行である、と。


―四方のたより―今日のYou Tube-vol.44-
四方館DANCE CAFEより
「出遊-あそびいづらむ-天河織女-あまのかわたなばた-篇」Scene.6

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