ゆきゆきて倒れるまでの道の草

080209176

―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月31日の稿に
10月31日、曇后晴、行程4里、延岡町、山蔭屋

風で晴れた、8時近くなつて出発、途中土々呂を行乞して3時過ぎには延岡着、郵便局へ駆けつけて留置郵便を受取る、20通ばかりの手紙と端書、とりどりにうれしいものばかりである-彼女からの小包も受取つた、さつそく袷に着換へる、人の心のあたたかさが身にしみこむ-。-略-

此地方の子供はみんな跣足で学校へゆく-此地方に限らず、田舎はどこでもさうだが-、学校にはチヤンと足洗ひ場がある、ハイカラな服を着てハイカラな靴を穿いた子供よりもなんぼう親しみがあるか知れない。-略-
三日振に湯に入つて髯を剃つて一杯ひつかけた、今夜はきつといい夢をみることだらう!

※表題句の外、5句を記す

―日々余話― 保冷ボトルの旅

今朝、ピンポーンと玄関のチャイム、東京からの宅急便、中身は保冷ボトル。
じつは、日曜日の神澤師七回忌イベントから帰る際、うっかり忘れたのが件の保冷ボトル、娘のKAORUKOのだ。
帰路について、車を30分ほども走らせたところで、KAORUKOが大きな声を上げた。
「水筒、ない! 忘れた?」
あわててUターン、取って返したが、宴の後もすでに閑散として、人影はまばら。
どうやら、もう一組居た親子連れの忘れ物と勘違いされたらしく、その親子の知人が「渡してあげる」と、ご丁寧に持ち帰ったらしい。
親子連れも、その知人も、東京方面からの、遠来の客人だった。
というわけで、この保冷ボトル、東京まで三泊四日もの長旅をして、今朝、主人KAORUKOの許へと、無事ご帰還なさったのだった。

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