見すぎ世すぎの大地で踊る

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―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、12月16日の稿に
12月16日、晴、行程3里、熊本市本妙寺

堅いベンチの上で、うつらうつらしてゐるうちにやうやく朝が来た、飯屋で霜消し一杯、その元気で高橋へ寝床を探しにゆく、田村さんに頼んでおいて、ひきかへして寥平さんを訪ねる、今日も逢へない、茂森さんを訪ね、夫婦のあたたかい御馳走をいただく、あまりおそくなつては、今夜も夜明しするやうでは困るので、いそいで本妙寺下の安宿を教へられて泊る、悪い宿だけれど仕方がない、更けるまで寝つかれないので読んだ-書くほどの元気はなかつた-。

こんど熊本に戻つてきて、ルンペンの悲哀をつくづく感じた、今日一日は一句も出来なかつた。

※表題句は、前日-12/15-記載から

―四方のたより― 月暈-つきかさ-

「出遊-あそびいづらむ-上弦月彷徨篇-じやうげんのつきさすらひへん-」
Scene.2
の「月暈-つきかさ-」は、岡林綾のsolo、演奏はもっぱら大竹徹氏のViolaによる、Time-5’45”

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