一把一銭の根深汁です

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−日々余話− 逝き去りし人々

これまた遅まきながら、昨年に物故された人々の一覧から気の向くままに列挙してみる。

1月30日、長年月のシベリア抑留経験を持つ文学者内村剛介は享年88歳だった。

2月になると、2日に長距離打者として長島・王に先行して活躍した山内和弘-76歳-、15日にはノーベル賞の有力候補と目されていた素粒子学者西島和彦-82歳-が、21日には歌舞伎界の最長老だった中村又五郎-94歳-が鬼籍の人に。

3月、後半生は日舞の家元としてまた市川猿之助の伴侶として波乱の人生を生きた女優の藤間紫-85歳-は27日、大阪にわか師でもあった噺家露の五郎兵衛-77歳-は30日に、そして俳優の金田龍之介-80歳-が31日に。

4月、14日に改憲論者でもあった作家の上坂冬子-78歳-。

5月、さよならイベントに多くのファンがつめかけたロック歌手忌野清志郎-58歳-は2日に、本業の碁以外にも数々の武勇伝?を残す豪放異才のしゅうこう先生こと藤沢秀行-83歳-は8日、切り絵作家の滝平二郎-88歳-は16日、中島梓の異名でもマルチの才能を発揮したSF作家栗本薫が56歳という若さで逝ったのは26日。

6月、ペルソナ-仮面-やかたり-騙り-の哲学者坂部恵-73歳-は3日、二代目タイガーマスクとして華麗な活躍を見せたプロレスラー三沢光晴-46歳-は13日。

7月、「甘えの構造」の精神分析医土居健觔-89歳-は5日、そのアナーキーな行動と著作がカルチュラル・スタディーズの先駆とも評される平岡正明-68歳-は9日。

8月、フジヤマのトビウオ古橋広之進-80歳-が2日に、6日にその孤独死を発見された女優大原麗子-62歳-は推定3日、同じく俳優の山城新伍-70歳-は12日。

10月、もうろう会見で大臣を辞任した中川昭一-56歳-が3日-推定-に不審死、旧制弘前高校で太宰治と同期だったという作家石上玄一郎-99歳-は5日、フォーク・クルセダーズの加藤和彦-62歳-は17日、女優の南田洋子-76歳-は21日、笑点の司会をつとめた落語の三遊亭円楽-76歳-は29日に。

11月、大衆芸能畑では初の文化勲章受賞となった森繁久弥-96歳-は10日、動物行動学者の日高敏隆-79歳-は14日、戦前は少女歌劇のスターとして活躍し、戦後は日活映画のプロデューサーとして石原裕次郎らをデビューさせた水の江滝子-94歳-は16日、'51年の渡仏以来、パリに居住して制作を続けた抽象画の田淵安一-88歳-は24日に。

12月、仏教やシルクロードを題材とした作品群は現代画壇では最高峰の評価を獲ている日本画平山郁夫-79歳-は2日、沖縄民謡の第一人者として戦後から活躍してきた喜納昌永-88歳-は24日に。

海外では、ノムヒョン前韓国大統領が5月23日に、彼の場合不正資金疑惑の捜査を苦にした自殺かと見られている、6月25日には世界中に衝撃を与えたマイケル・ジャクソンの不審死があり、つづいて30日、鬼才の現代舞踊振付家ピナ・バウシュ-68歳-、7月26日にはパプニング以降の現代舞踊をリードしたマース・カニングハム-90歳-、金大中元韓国大統領-85歳-が8月18日に、冬季五輪アルペンの覇者で、後に映画俳優に転身したトニー・ザイラー-73歳-が同月24日に、「悲しき熱帯」の構造主義社会人類学者クロード・レヴィ=ストロース-100歳-が10月30日に逝った。


―山頭火の一句― 「三八九-さんぱく-日記」より-18-
1月14日、曇、降りさうで降らない雪模様、しかし、とにかく、炬燵があつて粕汁があつて、そして−。

東京の林君から来信、すぐ返書を書く、お互いに年をとりましたね、でもまだ色気がありますね、日暮れて途遠し、そして、さうだ、そしてまだよぼよぼしてゐますね。‥

先夜の吹雪で吹きとばされた綿入遂に不明、惜しい品でないだけ、それだけ考へさせる。

※表題句の外、3句を記す

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