黒髪の長さを汐風にまかし

Dc09092626

−四方のたより− 小さな拍手

2週間ぶりの稽古、AYAがイギリスに発って、JUNKOだけの独りっぼっちの稽古が、この先2ヶ月ばかり続くことになる。

だが案ずるよりも産むが易し−、10分と12分半ほどの即興をやらせてみたが、やはりJUNKOの場合は、解放度の問題だということをつくづく思い知らされた時間だった。

理-ことわり-を意識下に沈ませ、ただ心身の感覚にゆだねるがごとく動くのが、彼女の場合ベストだ。そうして動きを綴っていったとしても一定の長さや質量に及んでくれば、おそらく場面の意識なり構成への志向なりが自ずと生れてこよう、そのときはそこへと心身-意識を投じていく‥。

2度目の即興をやり了えたとき、小さく拍手を贈ってやった。


−表象の森− 清代諸家-古代への憧憬-4
石川九楊編「書の宇宙-22」より

・何紹基-Kasyouki-1799-1873
「山谷題跋語四屏」
黄庭堅の「題跋」の語を書いたこの四屏は、何紹基の代表傑作。行書体だが、明代までの王羲之を典型とする行書体の姿とは、相当に異なっている。初唐代の楷書と較べて、<雨>や<軒>の横画の起伏が逆入し、かつ送筆が長く、そのため字形が方形に収斂する。行書を書いているにもかかわらず、隷書の書法が入り込んでいるからだ。隷書体を基盤とする筆蝕を、行草書体のように連続しつつ書字するところに生れた書である。

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2208kasyouki02

/荊洲沙市舟中。久雨初霽。/開北軒。以受涼、王子飛兄
/弟來週。適有田氏嘉醞。/問二客。皆不能酒。而予自
/贊曰。能因濯古銅瓢。満/酌飲之曰。飲此即為子書
/匹帋。子予一挙覆瓢。因/為落筆不倦。 何紹基


・何紹基「西狭頌五瑞図題記」
隷書体で書かれているにもかかわらず、画一的で窮屈な感じはしない。「山谷題跋語」が隷書体の筆蝕を基調にして行書体を書いているのに対して、本書は隷書体に行草書体的連続性の筆脈を注いで書いているからだ。自然な筆脈による強弱の抑揚を見せる<治>、<龍>の偏部、<圖>などは見所。隷書体を書こうが、行書体を書こうが、碑学に硬直せず、逆入平出法など特殊な筆法至上主義に陥っていないところに、何紹基の独創的な位置がある。

2209kasyouki03

/君昔在黽池。脩治崤嶔
/之道。徳治精通。致黄龍
/白鹿之瑞。故圖畫其像。

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